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17型大画面が魅力の12万円ノートPC。パソコン工房「STYLE-17FH121-i7-UXSX」を試す

17型液晶を装備するパソコン工房の「STYLE-17FH121-i7-UXSX」。直販価格は12万4,980円~

 パソコン工房の「STYLE-17FH121-i7-UXSX」は、17型の大型パネルを搭載するノートPCだ。動画コンテンツやゲームを迫力のある映像で楽しめるほか、CPUにCore i7を搭載しながら、12万円台半ばと比較的低価格で購入できることにも注目したい。

テレワークにもぴったりの17型パネルを搭載

 STYLE-17FH121-i7-UXSXは、パソコン工房のノートPCでは値頃感のある一般ユーザー向けの「Hシリーズ」に属するモデルだ。シリーズ全体としては、10万円を切る値頃感のあるモデルが主流となる。

 しかしSTYLE-17FH121-i7-UXSXでは、CPUに11世代Coreシリーズの上位モデル「Core i7-1165G7」を採用。また16GBのメモリや500GBのNVMe対応SSDを搭載するなど、より性能を重視したモデルとなる。直販サイトの価格は12万4,980円だ。

【表1】STYLE-17FH121-i7-UXSXのスペック
OSWindows 11 Home
CPUCore i7-1165G7(4コア8スレッド)
メモリDDR4-3200 SO-DIMM 8GB×2
ストレージ500GB(PCI Express)
ディスプレイ17.3型(1,920×1,080ドット、非光沢)
通信Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0
主なインターフェイスUSB 3.0×2(1基はType-C×1)、USB 2.0、Thunderbolt 4、HDMI、Gigabit Ethernet、ヘッドフォン/マイク
キーボード日本語キーボード
カメラ100万画素
バッテリ駆動時間約4時間
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)約394×252.5×22.6mm ※ゴム足含む
重量約2.12kg
直販価格‭12万4,980円

 最大の特徴は、やはり17型の大型ディスプレイを搭載することだろう。コンパクトで持ち歩きやすい12~13型のノートPCでは、一画面に複数のウィンドウを表示して切り換えて使うことはちょっと難しい。

 しかし17型ともなると、物理的なパネルサイズが大きくなるため、2枚のウィンドウを同時に表示しても狭苦しさは感じない。テレワークなど、自宅で仕事をしたいビジネスユーザーにとっては見逃せないポイントと言える。

複数のウィンドウを並べても、狭苦しさを感じさせない

 またパネルサイズが大きいため、表示される動画や静止画のサイズも大きくなる。動画配信サイトで好きな動画を楽しんだり、PCゲームを楽しみたい、というホームユーザーにもマッチしている。

 後述するがSTYLE-17FH121-i7-UXSXで搭載するCore i7-1165G7は、CPU内蔵のグラフィックス機能も高い。別途GPUを搭載するようなモデルにはかなわないまでも、PCゲームをカジュアルに楽しみたいというニーズにも応えてくれるはずだ。

 デザインは、全体的にブラックを基調としたシンプルなもので、天板も「iiyama」というブランド名が小さく入っているだけ。サイズが大きくて重さもあるので、基本的には自宅で使うノートPCであり、リビングなどに置いても違和感はないだろう。

天板に小さくiiyamaのロゴが入っているだけのシンプルなデザイン

 前述の通り17型の大型パネルを搭載していることもあり、筐体サイズは大きい。とは言え上部や左右のフチは実測値で約6mmと、かなり狭い。15型液晶を搭載するノートPCと比べても、それほど違いがあるわけではない。また底面のゴム足部分を含めても厚みは22.6mmとかなり薄い。置き場所や、片付け場所に困ることはないだろう。

液晶パネルを開くと、背面部分がやや持ち上がるデザインを採用

 キーボードは右側にテンキーを装備するフルキータイプだ。15型以下のノートPCでは、基本的にテンキーは搭載しないことが多い。しかし本機のように17型の大きなディスプレイを搭載するノートPCなら、たいていはテンキーを搭載している。Excelなどで数値の入力を行なう機会が多いなら、テンキーがある方が格段に便利だ。

 キータッチは、比較的柔らかめだが、タンタンと快適に作業できる。ただ、以前に検証したパソコン工房のフルキーボード搭載ノートPCでも指摘したことではあるが、方向キーがテンキー部分に張り出している。

キーボードは、テンキーも利用できるフルキータイプ
テンキー部分に、左カーソルキーがあるのはちょっと気になる

 通常のフルキーボードの場合、ここには数字の0が割り当てられていることが多い。リズムよくタイプしていると、打ち間違ってリズムが狂うことがある。左右のスペースはかなり余裕があることを考えれば、メインキーとテンキーの隙間をもう少し広げるなどの修正はできそうなので、期待したい部分である。

 フルキータイプのキーボードの下には、かなり広いタッチパッドを装備している。実測値で155×95mm(幅×奥行き)とかなり広く、マルチタッチにも対応している。この広いタッチパッドを使い、自由にマウスカーソルを操作したり、スクロールできるのは便利だ。ここまで広ければ、別途マウスを接続する必要もない。

タッチパッドはかなり広い。表面もさらりとしておりスムースな操作が可能だ

 左側面には専用のACアダプタ用コネクタのほか、HDMI、USB 3.0が2基(Type-A×1、Type-C×1)、Thunderbolt 4×1を装備。Thunderbolt 4はUSB PDにも対応しており、ここにUSB PD対応の充電器を接続しても内蔵バッテリを充電できる。

 右側面にはヘッドフォン/マイク端子、microSDメモリーカードスロット、USB 2.0ポート、Gigabit Ethernetを装備する。無線LANはWi-Fi 6対応だが、ルーターが対応していなかったり、接続が安定しない場所で利用することもあるだろう。そうした場合は有線LANに切り換えて利用することも可能だ。

左側面には、ACアダプタ用コネクタ、HDMI、USB 3.0ポート×2(Type-AとType-C)、そしてThunderbolt 4を搭載
右側面にはヘッドフォン/マイク端子、microSDメモリーカードスロット、USB 2.0ポート、電源ボタン、Gigabit Ethernetを装備。一番右にあるのはセキュリティスロットだ

 保証対象外になるので、分解は自己責任となるが、底面のネジを外し、薄いカードなどで底面を固定しているフックを外していくと、内部にアクセスできる。側面にカードを差し込む時の方法や、フックの外し方にちょっとしたコツがあり、こうした作業に慣れたユーザーでないとちょっとツライかもしれない。おそらくはユーザーによる拡張を想定していない機種ではあるので、ここは参考部分として捉えてほしい。

 17型で筐体サイズが大きめなこともあって、内部はかなり余裕のある構造だ。メモリスロットやM.2対応SSD、無線LANモジュールは基板に直付けされているのではなく、それぞれスロットを利用して組み込まれている。特にM.2スロットは、システムドライブ用の1基のほかにもう1基備えており、今回は試していないがSSDを増設することも不可能ではなさそうだ。

内部の状況だ。12~13型のノートPCだと、基板とバッテリでみっちりということも多いのだが、さすがに余裕がある。右下にM.2スロットを2基装備する

待たされる感覚はまったくない、PCゲームも設定次第ではOK

 インストールされているOSはWindows 11 Homeだ。ウィンドウの移動や各アプリの起動はスムーズで、待たされる感はまったくない。16GBのメモリを搭載しているということもあるが、このクラスのCPUやNVMe対応SSDを搭載しているシステムなら、日常的な操作や書類作成などの軽作業で、不満を感じることはまったくない。

 液晶ディスプレイは非光沢タイプで、映り込みは少ない。しっとりとした落ち着きのある色合いでIPSパネルほどではないが、視野角は広く、斜めから見ても色味の変化は少ない。

 ちょっとおもしろいのが、144Hzのリフレッシュレートに対応すること。主にPCゲームのプレイバリューを高めてくれる機能なのだが、本機が搭載するCPU内蔵GPUでは、こうした高リフレッシュレートを生かせるほどのフレームレートでPCゲームをプレイすることはできない。

標準状態で、リフレッシュレートは144Hzに設定されている
最近のPCゲームでは比較的負荷が低いUBIの「レインボーシックスシージ」を、グラフィックス設定を一番低い「低」で実行したところ、平均フレームレートは47だった

 とは言え、マウスカーソルやウィンドウの移動などでもブレのない表示は体感できる。また将来的に高リフレッシュレートを生かせる動画再生ソフトが登場すれば、こうした機能を生かせる場面も出てくるかもしれない。

 いくつかのベンチマークテストを実行し、基本的な性能を検証したのが下の表だ。

【表2】STYLE-17FH121-i7-UXSXのベンチマーク結果
PCMark 10 Extended v2.1.2548
PCMark 10 Extended score4,401
Essentials9,444
App Start-up score12,725
Video Conferencing score7,702
Web Browsing score8,596
Productivity6,545
Spreadsheets score6,005
Writing score7,135
Digital Content Creation5,366
Photo Editing score9,339
Rendering and Visualization score3,214
Video Editting score5,150
Gaming3,058
Graphics score3,996
Physics score12,062
Combined score1,378
PCMark 10 Battery Test v2.1.2548
MODERN OFFICE3時間46分
3DMark 2.22.7336
Time Spy1,459
Fire Strike3,457
Night Raid13,995
Cinebench R23.0
CPU4,499 pts
CPU(Single Core)1,485 pts
Cinebench R20.0
CPU2,082 pts
CPU(Single Core)576 pts
Cinebench R15.0
CPU911 cb
CPU(Single Core)220 cb
Crystal Disk Mark 8.0.4
Q8T1 シーケンシャルリード2,488.68 MB/s
Q8T1 シーケンシャルライト1,813.93 MB/s
Q1T1 シーケンシャルリード1,815.25 MB/s
Q1T1 シーケンシャルライト1,701.9 MB/s
Q32T16 4Kランダムリード421.16 MB/s
Q32T16 4K ランダムライト357.63 MB/s
Q1T1 4Kランダムリード50.11 MB/s
Q1T1 4K ランダムライト136.52 MB/s
TMPGEnc Video Mastering Works 7
※約3分のフルHD 15~16Mbps動画を利用
H.264/AVC4分42秒
H.264/AVC(Quick Sync Video/Video Coding Engine有効)51秒
H.265/HEVC8分11秒
H265/HEVC(Quick Sync Video/Video Coding Engine有効)56秒

 STYLE-17FH121-i7-UXSXの3D性能であれば、描画設定を軽めにすればPCゲームもそれなりにプレイできる。以下のファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマークの結果が示す通り、標準品質でも遊ぶことができる。

ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマークの結果だ。グラフィックス設定を「標準品質(ノートPC)」にすれば、快適とは言わないにしても普通に遊べる

 軽作業は快適に行なえるし、前述の通りパネルサイズが大きいので、テレワークや動画再生も快適に行なえる。昨今の状況を考えれば、各社の最新CPUを搭載するノートPCは、かなり高くなりそうな気配がある。12万円台半ばと比較的低価格ながら、メモリやストレージを高いレベルでバランスをとり使い勝手を高めたSTYLE-17FH121-i7-UXSXは、新入学の学生さんや新入社のビジネスマンに特にオススメしたいノートPCだ。