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17型大画面が魅力の12万円ノートPC。パソコン工房「STYLE-17FH121-i7-UXSX」を試す
2022年4月18日 06:21
パソコン工房の「STYLE-17FH121-i7-UXSX」は、17型の大型パネルを搭載するノートPCだ。動画コンテンツやゲームを迫力のある映像で楽しめるほか、CPUにCore i7を搭載しながら、12万円台半ばと比較的低価格で購入できることにも注目したい。
テレワークにもぴったりの17型パネルを搭載
STYLE-17FH121-i7-UXSXは、パソコン工房のノートPCでは値頃感のある一般ユーザー向けの「Hシリーズ」に属するモデルだ。シリーズ全体としては、10万円を切る値頃感のあるモデルが主流となる。
しかしSTYLE-17FH121-i7-UXSXでは、CPUに11世代Coreシリーズの上位モデル「Core i7-1165G7」を採用。また16GBのメモリや500GBのNVMe対応SSDを搭載するなど、より性能を重視したモデルとなる。直販サイトの価格は12万4,980円だ。
【表1】STYLE-17FH121-i7-UXSXのスペック | |
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OS | Windows 11 Home |
CPU | Core i7-1165G7(4コア8スレッド) |
メモリ | DDR4-3200 SO-DIMM 8GB×2 |
ストレージ | 500GB(PCI Express) |
ディスプレイ | 17.3型(1,920×1,080ドット、非光沢) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0 |
主なインターフェイス | USB 3.0×2(1基はType-C×1)、USB 2.0、Thunderbolt 4、HDMI、Gigabit Ethernet、ヘッドフォン/マイク |
キーボード | 日本語キーボード |
カメラ | 100万画素 |
バッテリ駆動時間 | 約4時間 |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約394×252.5×22.6mm ※ゴム足含む |
重量 | 約2.12kg |
直販価格 | 12万4,980円 |
最大の特徴は、やはり17型の大型ディスプレイを搭載することだろう。コンパクトで持ち歩きやすい12~13型のノートPCでは、一画面に複数のウィンドウを表示して切り換えて使うことはちょっと難しい。
しかし17型ともなると、物理的なパネルサイズが大きくなるため、2枚のウィンドウを同時に表示しても狭苦しさは感じない。テレワークなど、自宅で仕事をしたいビジネスユーザーにとっては見逃せないポイントと言える。
またパネルサイズが大きいため、表示される動画や静止画のサイズも大きくなる。動画配信サイトで好きな動画を楽しんだり、PCゲームを楽しみたい、というホームユーザーにもマッチしている。
後述するがSTYLE-17FH121-i7-UXSXで搭載するCore i7-1165G7は、CPU内蔵のグラフィックス機能も高い。別途GPUを搭載するようなモデルにはかなわないまでも、PCゲームをカジュアルに楽しみたいというニーズにも応えてくれるはずだ。
デザインは、全体的にブラックを基調としたシンプルなもので、天板も「iiyama」というブランド名が小さく入っているだけ。サイズが大きくて重さもあるので、基本的には自宅で使うノートPCであり、リビングなどに置いても違和感はないだろう。
前述の通り17型の大型パネルを搭載していることもあり、筐体サイズは大きい。とは言え上部や左右のフチは実測値で約6mmと、かなり狭い。15型液晶を搭載するノートPCと比べても、それほど違いがあるわけではない。また底面のゴム足部分を含めても厚みは22.6mmとかなり薄い。置き場所や、片付け場所に困ることはないだろう。
キーボードは右側にテンキーを装備するフルキータイプだ。15型以下のノートPCでは、基本的にテンキーは搭載しないことが多い。しかし本機のように17型の大きなディスプレイを搭載するノートPCなら、たいていはテンキーを搭載している。Excelなどで数値の入力を行なう機会が多いなら、テンキーがある方が格段に便利だ。
キータッチは、比較的柔らかめだが、タンタンと快適に作業できる。ただ、以前に検証したパソコン工房のフルキーボード搭載ノートPCでも指摘したことではあるが、方向キーがテンキー部分に張り出している。
通常のフルキーボードの場合、ここには数字の0が割り当てられていることが多い。リズムよくタイプしていると、打ち間違ってリズムが狂うことがある。左右のスペースはかなり余裕があることを考えれば、メインキーとテンキーの隙間をもう少し広げるなどの修正はできそうなので、期待したい部分である。
フルキータイプのキーボードの下には、かなり広いタッチパッドを装備している。実測値で155×95mm(幅×奥行き)とかなり広く、マルチタッチにも対応している。この広いタッチパッドを使い、自由にマウスカーソルを操作したり、スクロールできるのは便利だ。ここまで広ければ、別途マウスを接続する必要もない。
左側面には専用のACアダプタ用コネクタのほか、HDMI、USB 3.0が2基(Type-A×1、Type-C×1)、Thunderbolt 4×1を装備。Thunderbolt 4はUSB PDにも対応しており、ここにUSB PD対応の充電器を接続しても内蔵バッテリを充電できる。
右側面にはヘッドフォン/マイク端子、microSDメモリーカードスロット、USB 2.0ポート、Gigabit Ethernetを装備する。無線LANはWi-Fi 6対応だが、ルーターが対応していなかったり、接続が安定しない場所で利用することもあるだろう。そうした場合は有線LANに切り換えて利用することも可能だ。
保証対象外になるので、分解は自己責任となるが、底面のネジを外し、薄いカードなどで底面を固定しているフックを外していくと、内部にアクセスできる。側面にカードを差し込む時の方法や、フックの外し方にちょっとしたコツがあり、こうした作業に慣れたユーザーでないとちょっとツライかもしれない。おそらくはユーザーによる拡張を想定していない機種ではあるので、ここは参考部分として捉えてほしい。
17型で筐体サイズが大きめなこともあって、内部はかなり余裕のある構造だ。メモリスロットやM.2対応SSD、無線LANモジュールは基板に直付けされているのではなく、それぞれスロットを利用して組み込まれている。特にM.2スロットは、システムドライブ用の1基のほかにもう1基備えており、今回は試していないがSSDを増設することも不可能ではなさそうだ。
待たされる感覚はまったくない、PCゲームも設定次第ではOK
インストールされているOSはWindows 11 Homeだ。ウィンドウの移動や各アプリの起動はスムーズで、待たされる感はまったくない。16GBのメモリを搭載しているということもあるが、このクラスのCPUやNVMe対応SSDを搭載しているシステムなら、日常的な操作や書類作成などの軽作業で、不満を感じることはまったくない。
液晶ディスプレイは非光沢タイプで、映り込みは少ない。しっとりとした落ち着きのある色合いでIPSパネルほどではないが、視野角は広く、斜めから見ても色味の変化は少ない。
ちょっとおもしろいのが、144Hzのリフレッシュレートに対応すること。主にPCゲームのプレイバリューを高めてくれる機能なのだが、本機が搭載するCPU内蔵GPUでは、こうした高リフレッシュレートを生かせるほどのフレームレートでPCゲームをプレイすることはできない。
とは言え、マウスカーソルやウィンドウの移動などでもブレのない表示は体感できる。また将来的に高リフレッシュレートを生かせる動画再生ソフトが登場すれば、こうした機能を生かせる場面も出てくるかもしれない。
いくつかのベンチマークテストを実行し、基本的な性能を検証したのが下の表だ。
【表2】STYLE-17FH121-i7-UXSXのベンチマーク結果 | |
---|---|
PCMark 10 Extended v2.1.2548 | |
PCMark 10 Extended score | 4,401 |
Essentials | 9,444 |
App Start-up score | 12,725 |
Video Conferencing score | 7,702 |
Web Browsing score | 8,596 |
Productivity | 6,545 |
Spreadsheets score | 6,005 |
Writing score | 7,135 |
Digital Content Creation | 5,366 |
Photo Editing score | 9,339 |
Rendering and Visualization score | 3,214 |
Video Editting score | 5,150 |
Gaming | 3,058 |
Graphics score | 3,996 |
Physics score | 12,062 |
Combined score | 1,378 |
PCMark 10 Battery Test v2.1.2548 | |
MODERN OFFICE | 3時間46分 |
3DMark 2.22.7336 | |
Time Spy | 1,459 |
Fire Strike | 3,457 |
Night Raid | 13,995 |
Cinebench R23.0 | |
CPU | 4,499 pts |
CPU(Single Core) | 1,485 pts |
Cinebench R20.0 | |
CPU | 2,082 pts |
CPU(Single Core) | 576 pts |
Cinebench R15.0 | |
CPU | 911 cb |
CPU(Single Core) | 220 cb |
Crystal Disk Mark 8.0.4 | |
Q8T1 シーケンシャルリード | 2,488.68 MB/s |
Q8T1 シーケンシャルライト | 1,813.93 MB/s |
Q1T1 シーケンシャルリード | 1,815.25 MB/s |
Q1T1 シーケンシャルライト | 1,701.9 MB/s |
Q32T16 4Kランダムリード | 421.16 MB/s |
Q32T16 4K ランダムライト | 357.63 MB/s |
Q1T1 4Kランダムリード | 50.11 MB/s |
Q1T1 4K ランダムライト | 136.52 MB/s |
TMPGEnc Video Mastering Works 7 ※約3分のフルHD 15~16Mbps動画を利用 | |
H.264/AVC | 4分42秒 |
H.264/AVC(Quick Sync Video/Video Coding Engine有効) | 51秒 |
H.265/HEVC | 8分11秒 |
H265/HEVC(Quick Sync Video/Video Coding Engine有効) | 56秒 |
STYLE-17FH121-i7-UXSXの3D性能であれば、描画設定を軽めにすればPCゲームもそれなりにプレイできる。以下のファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマークの結果が示す通り、標準品質でも遊ぶことができる。
軽作業は快適に行なえるし、前述の通りパネルサイズが大きいので、テレワークや動画再生も快適に行なえる。昨今の状況を考えれば、各社の最新CPUを搭載するノートPCは、かなり高くなりそうな気配がある。12万円台半ばと比較的低価格ながら、メモリやストレージを高いレベルでバランスをとり使い勝手を高めたSTYLE-17FH121-i7-UXSXは、新入学の学生さんや新入社のビジネスマンに特にオススメしたいノートPCだ。