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UMPC黄金時代が到来! 各社の17製品を一挙まとめ

 時は2016年、ATOMとWindows 10を搭載したゲーミングUMPC「GPD WIN」がGPD Technologyから発売された。その後、2017年には7型サイズながらメタリックなコンパクト筐体を採用し、高級感のあるUMPC「GPD Pocket」を立て続けにリリースして大きな話題を呼んだ。

 これらをリリースしたGPDは元々大規模な会社ではなく、海外の大手メーカーから依頼を受け、システムのメインボードを設計、開発する台湾の小規模な1会社だったが、2014年以降自社ブランド「GPD」を立ち上げ、コントローラを搭載したゲーム向けのクラムシェル型Android端末「GPD XD」を発売。続く第2弾として発表した「GPD WIN」では、開発前からクラウドファンディングで資金集めを行ない、出資者には格安で商品を提供するというPRも兼ねたユニークな販売スタイルが特に注目を集め、ここで一気に名を上げた印象だ。

 このGPDの成功を受け、ONE-NETBOOK、CHUWIなど、何社もの企業が名乗りを上げ、UMPC市場に参入、群雄割拠とも玉石混合とも言える多数のUMPCが購入可能な状態となった。そこで今回は、これら発売中のUMPCをジャンルごとに分けて紹介する。

ゲーミング向け

GPD WIN2

GPD WIN 2

 ゲーミング向けUMPCと言えば、GPD Technologyが最初に発売した「GPD WIN」にはじまり、その後継モデルの「GPD WIN2」では、CPUをCore m3-8100Yに強化することで、遊べるゲームが格段に増えた印象だ。

 同社のゲーミング向けUMPCの特徴として、コントローラを本体に搭載している点があげられる。キーボード上部にスペースを用意し、そこにアナログスティックや十字キー、ボタンなどを配置するユニークな本体デザインとなっている。

GPD WIN Max

GPD WIN Max

 GPDではコンパクトサイズの「GPD WIN」シリーズの路線とは別に、サイズを8型とした大型モデル「GPD WIN Max」という意欲的な新モデルもリリースした。本体の大型化に伴い、搭載CPUもCore i5-1065G7という内蔵グラフィックス性能の高いCPUを採用する事でさらにゲーミングUMPCとしての性能を向上させている。

OneGx1

ONE-NETBOOK OneGx1

 GPD Technologyの独擅場だったゲーミングUMPCだが、そこに待ったをかけたのが、新UMPC市場におけるGPD最大のライバルとなったONE-NETBOOKの7型ゲーミングUMPC「OneGx1」だ。最大の特徴は別売オプションとして専用の無線ゲームコントローラを用意し、それを本体両端に装着できるようにしたギミックだ。合体がキライな男の子なんていません。そのほかの仕様もCPUは第10世代のCore i5-10210Y、ディスプレイは7型IPS/1,920×1,200ドットのディスプレイを採用、LEDキーボード搭載、LTEスロットのオプションなど差別化している点が豊富なのも魅力だ。

 「GPD WIN」シリーズが現状のゲーミングUMPCに最適な解像度として、1,280×720ドットを固持するのに対して、「OneGx1」ではより高解像度のフルHDディスプレイを搭載するのは非常に興味深い。ゲームしない時は普通のUMPCとして持ち歩きつつ、ゲームする時はコントローラを装着して遊べるという切り替えが行ないやすいスタイルは「GPD WIN」シリーズにない魅力なだけに、今後の両社の新製品からも目が離せない。

【表1】ゲーミング向けUMPCの仕様比較
製品名GPD WIN 2GPD WIN MaxOneGx1
メーカーGPD TechnologyGPD TechnologyONE-NETBOOK
CPUCore m3-8100YCore i5-1065G7Core i5-10210Y
メモリDDR3 8GBDDR4 16GBDDR3 8GB~16GB
ビデオIntel UHD Graphics 615Intel Iris Plus Graphics 940Intel UHD Graphics 615
ディスプレイ6型/1,280×720ドット8型H-IPS/1,280×800ドット7型IPS/1,920×1,200ドット
ストレージM.2 SSD 256GBM.2 NVMe SSD 512GBmicroPCI-e SSD/256GB~512GB
Webカメラなしなしなし
内蔵スピーカー/マイクありありあり
指紋認証なしなしなし
サイズ162×99×25mm207×145×26mm173×136×21mm
重量460g790g625g
OSWindows 10 HomeWindows10 HomeWindows10 Home
代理店株式会社天空株式会社天空株式会社テックワン
価格69,800円92,600円89,800~116,800円
備考ゲームコントローラ搭載Wi-Fi6、ゲームコントローラ搭載Wi-Fi6、LTEモデルあり(+20g)、日本語キーボード搭載、専用無線ゲームコントローラ

オフィス向け

GPD Pocket 2

GPD Pocket 2

 ビジネス用途において、コンパクトなUMPCは日常持ち歩くPCとして非常に重宝する。特に24時間365日の保守業務などを行なう人にとって、いつ障害が発生するか分からないため、いつでもどこでもPCを使う必要がある。それ以外にも出張先でのプレゼンテーションが多い人や、比較的長めのメモを残す場合など、スマートフォンでは役割不足なシチュエーションはビジネスの現場では意外と多い。

 コンパクトなノートPCとしても使い勝手のいい「GPD WIN」シリーズだが、さすがに業務で使用するPCに常時ゲームコントローラが搭載されたPCを使うのは、今の日本ではなかなかハードルが高い。そのためか、同社ではビジネス用途にも向く「GPD Pocket」のシリーズを早々にリリースしていた。この第2弾としてCPUを強化するなどして、より広範囲のビジネスの現場で使えるようにスペックを上げてきたのが「GPD Pocket 2」となる

 CPUにCore m3-8100Yを搭載し、前述のようなさまざまな用途に応えられる高性能を、コンパクトな7型サイズで実現しており、つねに持ち歩いて使うビジネスツールとしては申し分のない作りだ。

GPD P2 Max

GPD P2 Max

 2019年夏頃、「GPD Pocket 2」のサイズ以外の不満点を全て解消するレベルで中味のハードウェアが大幅にアップグレードしたのが、同社初となる8.9型ディスプレイ搭載モデル「GPD P2 Max」だ。CPUこそ据え置きだが、メモリ容量は倍の16GB、ディスプレイ解像度はフルHDをオーバーする2,560×1,600ドットの高解像度となった。

 ストレージはM.2 NVMe対応の512GBを搭載。M.2 NVMe対応により格段にパフォーマンスが向上した。また、これまでの同社製品では搭載していなかったWebカメラを搭載するなど、あらゆる面において強化が施されており、単体でZoomやSkypeなどのリモートワークに対応できるのは魅力だ。

GPD Pocket 2(Celeronモデル)

GPD Pocket 2S

 それまであったの「GPD Pocket 2」のCPUのみスペックを落とし、メモリ容量は据え置き、eMMCをeSSDに変更することで体感のパフォーマンスを向上して、さらにコストパフォーマンスを高めた「GPD Pocket 2S」も発売している。

 7型シリーズとなる「GPD Pocket 2」の後継モデルは現時点ではアナウンスされていないため、繋ぎと呼ぶには物足りないスペックだが、SSD搭載などパフォーマンスが向上しているため、手軽にチョイスできる。

GPD MicroPC

GPD MicroPC

 USB非搭載の昔の特殊な周辺機器を接続したり、業務系端末を外部から操作する場合など、以前よりは大分利用頻度が減ったとはいえ、現場によっては今なおアナログのシリアルフェイスが必要になる場面がある。こうした現場からの要望に応える形で登場したのが、GPD第3のシリーズ「GPD MicroPC」だ。

 最大の特徴はシリアル通信用の「RS-232C」端子を標準装備すること。さらにGigabit Ethernetも備えるので、ネットワークエンジニアがサーバールームなどで、周辺機器なしで直接コンソール接続するような業務にも向く。

 6型のコンパクトサイズでメモリ8GBを搭載しながら54,800円と低価格で購入できるのも魅力。ストレージがM.2 SATA接続のSSDのため、見た目やスペック以上にキビキビと動作する。

OneMix 2S/OneMix 3S/OneMix 3 Pro

OneMix 2S

 好調な「GPD Pocket」シリーズの対抗馬として、最初に立ち上がったのがONE-NETBOOKの「OneMix」シリーズだ。現在は7型「OneMix 2S」以外にも8.4型IPS/2,560x1,600ドットの高解像度液晶を搭載した「OneMix 3S/3 Pro」などが用意される。

OneMix 3 Pro

 「OneMix 3S/3 Pro」では、CPUに第10世代のCore i3-10110YやCore i5-10210Yを搭載したモデルとなっており、CPU性能は必要十分。加えて2,048筆圧検知のアクティブスタイラスペンに対応、セキュリティ機能として指紋認証センサーを備えるなど、日本市場での競争力を高めている。

 また、「GPD Pocket」シリーズが英語キーボードのみしか用意しないのに対して、「OneMix 3S/3 Pro」では、日本人待望の日本語キーボード搭載モデルを用意するのも見事な差別化だ。

 ほかにも「GPD Pocket 2」までeMMCだったストレージを、いち早くM.2 NVMeに対応したことで、CPUの強化以上に体感のパフォーマンスを大幅に向上しているのもポイントだ。

 同社はとにかく製品のアップデートペースが早い。短期間の間にカラバリを発売したり、内蔵CPUを強化した上位モデルなど、いつの間にか豊富なバリエーションが用意されるため、気が付くと好みのカラーやこちらが求めていたスペックで登場しているなんて事も多いので、マメに新製品をチェックしておきたい。

CHUWI MiniBook、MAL-FWTVPCM1、Reevo、Reevo Pro

CHUWI MiniBook

 第3の矢としてCHUWIが8型、1,920×1,200ドットのIPS液晶ディスプレイ搭載の「MiniBook」を発売している。CPUにCore m3-8100Yを搭載、メモリは16GBを備え、スペックは十分に高い。日本語キーボードを搭載している点もポイントが高い。

 ほかにも2,048筆圧検知のアクティブスタイラスペンに対応、セキュリティ機能として指紋認証センサーを備えるほか、200万画素Webカメラや内蔵マイク、スピーカーを備えるため、単体でZoomやSkypeなどのリモートワークに対応できるのもうれしいところ。

 一方でストレージはeMMC 128GBとなるので、容量や速度の点については注意が必要だ。ただし、拡張スロットとして、M.2 NVMe対応スロットを搭載し、好みに応じて大容量/高速なM.2 NVMe SSDが搭載できるのはユニーク。

FFF SMART LIFE CONNECTED MAL-FWTVPCM1

 もう1つユニークなポイントは、同社の「MiniBook」をベースにした派生モデルが他社から発売されているところ。FFF SMART LIFE CONNECTED株式会社からは基本的なベース部分は同等ながら、CPUをPentium Silver N5000に変更したり、メモリ容量を4GBに抑えるなどして、低価格化した「MAL-FWTVPCM1」を発売する。

エッジニティ Reevo

 ほかにも、株式会社エッジニティでは、日本語キーボードを搭載した「Reevo」シリーズを発売する。上位モデルの「Reevo Pro」はスタイラスペンを付属し、CPUをCore i7-8500Yに強化、メモリ容量16GBで発売、下位モデルの「Reevo」はCPUにCeleron N4100を搭載、メモリは8GBとしたモデルとなっている。

NANOTE

ドン・キホーテ NANOTE

 UMPCとして激安を誇るのが、ドン・キホーテが税別19,800円で提供する「NANOTE」だ。7型フルHDディスプレイを搭載するコンパクトな筐体は一見すると初期の「OneMix」のようにも見えるが、本製品はスタイラスペンに対応していない。そしてCPUにはAtom x5-Z8350を搭載、メモリは4GB、ストレージはeMMC 64GB、無線LANはIEEE 802.11n対応までと、各所のスペックがいずれも低いため、用途を見極めて使う必要がある。

 30万画素のWebカメラを搭載するため、ZOOMやSkypeなどのリモートワークの補助くらいには利用できそうだ。

【12時7分訂正】記事初出時、NANOTEはマイク/スピーカー非搭載としておりましたが、正しくは搭載しております。お詫びして訂正します。

Magic-Ben MAG1

Magic-Ben MAG1

 Magic-Benが発売する「MAG1」はCPUにCore m3-8100Yを搭載し、8.9型、解像度2,560×1,600ドットのIPSディスプレイを搭載する大きめサイズのUMPC。タッチパッドを備えており、一般的なノートPCと使用感が近い。メモリやSSDの容量や、LTEスロットの有無も選択できるなど、カスタマイズ項目が多い。

Falcon

TopJoy Falcon

 TopJoyが発売する「Falcon」はCPUにPentium J5005を採用、メモリ容量8GBの比較的低価格なUMPC。8型、1,920×1,200ドット解像度のディスプレイを備え、128GBまたは256GBのSSDが選択できる。OSとしてWindows 10以外にUbuntuが選択できるのもユニークなところ。

 なお、一部ニュースでは「Falcon 2」の開発情報も見られたが、公式サイトやクラウドファンディングにはとくに情報はない。

【表2】オフィス向けUMPCの仕様比較
製品名GPD Pocket 2GPD Pocket 2SGPD P2 MaxGPD MicroPCOneMix 2SOneMix 3SOneMix 3 ProCHUWI MiniBookMAL-FWTVPCM1Reevo ProReevoNANOTEFalconMAG1
メーカーGPD TechnologyGPD TechnologyGPD TechnologyGPD TechnologyONE-NETBOOKONE-NETBOOKONE-NETBOOKCHUWIFFF SMART LIFE CONNECTED株式会社株式会社エッジニティ株式会社エッジニティ株式会社ドン・キホーテTopJoyMagic-Ben
CPUCore m3-8100YCelerpn 3965YCore m3-8100YCeleron N4100Core m3-8100YCore i3-10110YCore i5-10210YCore m3-8100YPentium Silver N5000Core i7-8500YCeleron N4100Atom x5-Z8350Pentium J5005Core m3-8100Y
メモリDDR3 8GBDDR3 8GBDDR3 16GBDDR4 8GBDDR3 8GBDDR3 8GBDDR3 16GBDDR3 16GBDDR4 4GBDDR3 16GBDDR3 8GBDDR3 4GBDDR3 8GBDDR3 8GB/16GB
ビデオIntel UHD Graphics 615Intel UHD Graphics 615Intel UHD Graphics 615Intel UHD Graphics 600Intel UHD Graphics 615Intel UHD GraphicsIntel UHD GraphicsIntel UHD Graphics 615Intel UHD Graphics 600Intel UHD Graphics 615Intel UHD Graphics 600Intel UHD GraphicsIntel UHD Graphics 605Intel UHD Graphics 615
ディスプレイ7型IPS/1,920×1,200ドット7型IPS/1,920×1,200ドット8.9型H-IPS/2,560×1,600ドット6型/1,280×720ドット7型IPS/1,920×1,200ドット8.4型IPS/2,560×1,600ドット8.4型IPS/2,560×1,600ドット8型IPS/1,920×1,200ドット8型IPS/1,920×1,200ドット8型IPS/1,920×1,200ドット8型IPS/1,920×1,200ドット7型/1,920×1,200ドット8型/1,920×1,200ドット8.9型IPS/2,560×1,600ドット
ストレージeMMC 128GBeSSD 256GBM.2 NVMe SSD 512GBM.2 SSD 128GBM.2 microPCI-e NVMe SSD/256GBM.2 microPCI-e NVMe SSD/256GBM.2 microPCI-e NVMe SSD/512GBeMMC 128GBeMMC 128GBeMMC 128GBeMMC 128GBeMMC 64GBSATA SSD 128GB/256GBSATA SSD 256GB/512GB
Webカメラなしなし200万画素なしなしなしなし200万画素200万画素200万画素200万画素30万画素なしなし
内蔵スピーカー/マイクありありありありありありありありありありありありありあり/なし
指紋認証なしなしありなしありありありありありありありなしなしあり
サイズ181×113×8~14mm181×113×8~14mm213×149.5×5.5~14.2mm153×113×23.5㎜182×110×17mm204×129×14.9mm204×129×14.9mm201×128.6×19.3mm200.6×130.6×17.9mm201×128.6×19.3mm201×128.6×19.3mm181×113.6×19.6mm200×130×20mm207.2×146.5mm×17.5mm
重量510g510g650g440g515g659g659g663g674g663g663g520g650g690g
OSWindows 10 HomeWindows 10 HomeWindows10 HomeWindows 10 ProWindows10 HomeWindows10 HomeWindows10 HomeWindows10 HomeWindows 10 ProWindows 10 ProWindows 10 ProWindows 10 HomeWindows 10 HomeWindows 10
代理店株式会社天空株式会社天空株式会社天空株式会社天空株式会社テックワン株式会社テックワン株式会社テックワンなしなしなしなし株式会社アール・ダブリュー・シーなしなし
価格77,800円56,800円85,463円39,800円95,000円118,000円128,000円679ドル55,370円119,444円6万円19,800円55,370円7~10万円
備考RS-232C搭載、Ubuntu MATE 18.10サポートスタイラスペン対応スタイラスペン対応、日本語キーボードスタイラスペン対応、日本語キーボード筆圧1,024レベルのスタイラスペン対応、日本語キーボード、M.2 NVMe対応筆圧1,024レベルのスタイラスペン対応、M.2 SATAスロット搭載筆圧1,024レベルのスタイラスペン付属、M.2 SATAスロット搭載筆圧1,024レベルのスタイラスペン対応、M.2 SATAスロット搭載IEEE802.11nUbuntsu選択可、スタイラスペン1,024段階筆圧対応LTEモデルあり