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雑誌購読にも最適! コミックを見開きで読むのに適した“大型タブレット5選”
2019年8月5日 11:00
タブレットの利用目的として根強い人気があるのが、電子書籍の閲覧だ。とくにコミックや雑誌といった固定レイアウトのコンテンツは、サイズ的にスマートフォンでの閲覧が難しいことから、一定以上の画面サイズを持ったタブレットは、閲覧用のデバイスとして重宝する。
そのなかでも10型前後の大型タブレットは、コミックを「ほぼ原寸大」かつ「見開き」で読むのに適した選択肢として、根強い人気がある。またコミックにかぎらず、固定レイアウトで提供されている書籍や雑誌など、原寸大でないと読みにくいコンテンツの表示にも適する。電子書籍を表示するデバイスとしては、もっとも守備範囲の広い製品と言えるだろう。
今回は、筆者連載の「山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ」で過去に紹介した電子書籍向けデバイスのなかから、コミックを原寸サイズ×見開きで読むのに最適な10型前後の大型タブレットについて、2019年上半期の時点におけるオススメ製品をピックアップし、その特徴とともに紹介する。詳細なレビューについては、各製品紹介のリンク先にある過去記事を参照してほしい。
10型前後の大型タブレット、選ぶ上でのポイントとは
10型前後の大型タブレットを選ぶ場合、まずチェックすべきなのは解像度だろう。スマートフォンのような400ppi以上は難しいとしても、可能ならば300ppiクラス、できれば250ppiクラスはほしいところだ。これよりも解像度が低いと、見開きで2ページを並べた場合に、細かい文字が読みにくい可能性がある。
重量は、500gを切るのは必須、450g前後であればベターだろう。B5程度のサイズがあることから、片手で長時間保持するのはどのみち難しいとしても、500gと450gとでは、腕の疲れがまったく異なる。たとえ筐体に厚みがあっても、軽ければ意外と気にならないものだ。「軽さは正義」と言っていいだろう。
スペックについては、電子書籍ユースであれば、エントリークラスの製品であっても実用上の支障はない。ただしあまりローエンドすぎると、大量のサムネイルが埋め込まれた電子書籍の一覧ページをスムーズにスクロールできないなどの問題が発生するほか、電子書籍以外の用途、たとえば動画の閲覧やゲームなどで、まったく使えないことになりかねないので注意したい。またコンテンツのダウンロード速度に影響するので、Wi-Fiは5GHz帯に対応する製品を選んでおくべきだろう。
最近はスマートフォンだけでなくタブレットでも、ベゼルの幅がせまい狭額縁タイプの製品が増えているが、あまりにベゼル幅が狭すぎると、本体を持ったときに指が画面にふれてしまい、意図しないページめくりが起こることがある。見た目はスタイリッシュでも、実用性ではマイナスとなりうることは、知っておいてよいかもしれない。
オススメ大型タブレット5製品を紹介
ここで紹介する製品は下表のとおりだ。
iPad Air(第3世代) | iPad(第6世代) | Lenovo Tab P10(ZA440021JP) | Fire HD 10(第7世代) | 12.9インチiPad Pro(第3世代) | |
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発売 | 2019年3月 | 2018年3月 | 2018年11月 | 2017年10月 | 2018年11月 |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 250.6×174.1×6.1mm | 240×169.5×7.5mm | 242x167x7mm | 262×159×9.8mm | 280.6×214.9×5.9mm |
重量 | 約456g | 約469g | 約440g | 約500g | 約631g |
OS | iOS 12 | Android 8.1 | Fire OS | iOS 12 | |
CPU | 64bitアーキテクチャ搭載A12 Bionicチップ Neural Engine 組み込み型M12コプロセッサ | 64bitアーキテクチャ搭載A10 Fusionチップ 組み込み型M10コプロセッサ | Qualcomm Snapdragon 450 オクタコア プロセッサー (1.8GHz) | クアッドコア(1.8GHz×2、1.4GHz×2) | 64bitアーキテクチャ搭載A12X Bionicチップ Neural Engine 組み込み型M12コプロセッサ |
メモリ | 3GB | 2GB | 4GB | 2GB | 4GB(1TBモデルのみ6GB) |
画面サイズ/解像度 | 10.5型/2,224×1,668ドット(264ppi) | 9.7型/2,048×1,536ドット(264ppi) | 10.1型/1,920×1,200ドット (224ppi) | 10.1型/1,920×1,200ドット (224ppi) | 12.9型/2,732×2,048ドット(264ppi) |
通信方式 | IEEE 802.11ac | ||||
バッテリ持続時間(メーカー公称値) | 最大10時間 | 約10時間(7,000mAh) | 10時間 | 最大10時間 | |
コネクタ | Lightning | USB Type-C | Micro USB | USB Type-C | |
メモリカード | - | ○(最大256GB) | - | ||
直販サイト価格(2019/7/18現在) | 54,800円(64GB) 71,800円(256GB) | 37,800円(32GB) 48,800円(128GB) | 29,970円(64GB) | 15,980円(32GB) 19,980円(64GB) | 111,800円(64GB) 128,800円(256GB) 150,800円(512GB) 194,800円(1TB) |
Apple iPad Air(第3世代)
- 製品情報 :Apple iPad Air(第3世代)
- レビュー記事 :リーズナブルな価格設定ながら「薄型大画面」の大本命? 「Apple iPad Air(第3世代)」
- 発売日 : 2019年3月
- 価格 : 52,800円~(7月18日現在)
オススメポイント
10型前後のタブレットと言えば、iPadシリーズが圧倒的な市場シェアを占めているが、9~11型でラインナップされる「iPad」、「iPad Air」、「iPad Pro」の3製品のうち、電子書籍ユースにもっとも向いているのは、このiPad Air(第3世代)だろう。
価格的には後述のiPad(第6世代)のほうが安価だが、こちらは画面が10.5型とひとまわり大きく、それでいてベゼルの幅がせまいため筐体サイズもコンパクトだ。実際にコミックを表示しても、本製品のほうが没入感が高く、電子書籍向けだ。Smart Connector対応など拡張性も高く、電子書籍を中心に全方位的に使えるタブレットを探しているのであれば、おすすめできる製品だ。
Apple iPad(第6世代)
- 製品情報 :Apple iPad(第6世代)
- レビュー記事 :Apple Pencil対応で3万円台の第6世代iPadを電子書籍で試す
- 発売日 : 2018年3月
- 価格 : 35,800円~(7月18日現在)
オススメポイント
画面サイズがひとまわりしか変わらないのであれば、前述のiPad Airではなく、よりコストを重視してiPadを選ぶ、という考えほうもありだろう。現行のiPad(第6世代)は、9.7型という画面サイズや解像度、さらに価格についても第5世代モデルから据え置きながら、新たにApple Pencilへの対応をはたしており、コスパの高さは群を抜いている。
ただ昨今のiPadは、画面サイズや解像度などタブレットとしての基本的な部分は、ほぼ進化が打ち止めの状態にあり、電子書籍ユースにかぎって言えば、1つ前の第5世代を選んでも十分に使えてしまう。そのため本製品を検討するのであれば、Apple Storeで販売されている「整備済製品」で過去の第5世代モデルを狙うなど、別の選択肢も考えられる。発売からやや時間が経っていることもあり、後継製品の動向についても、目を光らせておきたいところだ。
Lenovo Tab P10
- 製品情報 :Lenovo Tab P10
- レビュー記事 :約440g/厚さ7mmの軽量薄型10.1型Androidタブレット「Lenovo Tab P10」
- 発売日 : 2018年11月
- 価格 : 29,970円~(7月18日現在)
オススメポイント
Androidタブレットは、iPadと違って「ブラウザを使わなくとも電子書籍アプリ上でコンテンツを購入できる」という特徴がある。PC上でコンテンツを買ってタブレットに転送するのではなく、購入から閲覧まですべてタブレット上で完結させたいユーザーにとっては、このメリットはかぎりなく大きい。また一部のストアでは、音量調整ボタンを使ってページがめくれるのも便利だ。
ただ10型前後のAndroidタブレットは選択肢がお世辞にも豊富ではなく、またスペック的にはiPadにはかなわない場合がほとんどだ。この「Lenovo Tab P10」は、処理性能は決してハイエンドではないものの、10.1型ながら約440gという、iPadよりも軽い筐体が売りの1台。価格も3万円を切るなどリーズナブルで、前述のAndroidならではの利便性を重視するのであれば、一押しと言っていい製品だ。LTEモデルもラインナップされているので、ニーズに合わせて選ぶとよいだろう。
Amazon Fire HD 10(第7世代)
- 製品情報 :Amazon Fire HD 10(第7世代)
- レビュー記事 :2万円切りの格安タブレット「Amazon Fire HD 10(第7世代)」をレビュー
- 発売日 : 2017年10月
- 価格 : 15,980円~(7月18日現在)
オススメポイント
Amazonのタブレット「Fire」シリーズは、実質的にAmazonのデジタルコンテンツ専用ではあるものの、同等クラスのタブレットを圧倒する価格の安さが魅力だ。この「Fire HD 10」は、フルHDの高解像度で、かつ実売1万円台前半で入手できることから人気が高い。見開き表示が可能な10型前後のタブレットを探していて、Kindleストアさえ利用できれば十分という場合、候補の筆頭に来ておかしくない製品だ。
ただし重量は500gとヘビー級で、指紋認証や顔認証にも非対応であるほか、Androidベースの独自OS「Fire OS」を採用しており、アプリをダウンロードできるのは専用のAmazonのストアのみということもあって、汎用性においてはiOSやAndroidに遠くおよばない。電子書籍以外の用途にも使いたいと考えているのならば、少なくとも目的のアプリが利用可能か、事前にチェックしておいたほうがよいだろう。
Apple 12.9インチiPad Pro (第3世代)
- 製品情報 :Apple 12.9インチiPad Pro (第3世代)
- レビュー記事 :Apple「12.9インチiPad Pro (第3世代)」
- 発売日 : 2018年11月
- 価格 : 106,800円~(7月18日現在)
オススメポイント
本来ならば10型前後という区分に含めるには大型すぎるきらいはあるが、コミック雑誌をほぼ原寸で表示したい場合に候補に挙がるのが、12.9インチiPad Proだ。その画面サイズたるや、幅197mm、高さ263mmということで、B5サイズ(182×257mm)よりもA4サイズ(210×297mm)に近く、電子書籍を表示したときの迫力は、10型前後の製品とは比べものにならない。
価格は10万円オーバーということで、電子書籍ユースのためだけに購入する製品ではないが、とにかく大きな画面サイズを必要とするならば、現時点でこれ以外の選択肢はない。Face IDの採用および狭額縁化の恩恵で、画面サイズのわりには筐体がコンパクトであることも、ある意味で電子書籍向けと言えるだろう。発売直後は電子書籍アプリ側で最適化が完了していないケースも見られたが、現在はそれらも解消されており、安心しておすすめできる。