SamsungとLGは韓国を代表する2大メーカーだが、両社の家電製品は欧米でも大きなシェアを誇り、CESでは大きなブースを構え、大々的に展示している。そんな両社もことPC関連については、やや目立たない存在であるが、例年面積を割いてPCや周辺機器の展示を行なっている。
●独自方式の3D路線に進むSamsungSamsungは、先進的な液晶ディスプレイを何機種か展示した。なお、今回の展示機は2011年中に発売が予定されているものだが、解像度などの仕様が明記されていなかった。ただし、目測によるといずれもサイズは20型以上で、解像度は1,920×1,080ドット程度となっていた。
CA750は、一般的機種より幅が狭く、弧を描いたデザインの台座が目につくが、PCと無線接続となっているのが特徴。無線方式は独自のもので、PCには小型のUSBアダプタを装着する。ディスプレイ側にディスプレイコントローラが内蔵されており、無線化したUSBディスプレイのように使える。
また、台座にはUSBポートとEthernetがあり、ここにつないだ機器もPCから利用でき、無線ポートリプリケータとして機能する。4つあるUSBポートのうち、2つはUSB 3.0だが、当然PCと本機の間の上限転送速度は480Mbpsとなる。まだ、製品化は先とのことなので、このUSB 3.0ポートは次に紹介する製品と同じパーツを使い回したためかもしれない。このほか、ミニD-Sub15ピンとHDMIを装備する。
CA750 | PCとはUSBレシーバを通じた無線で接続する | 台座部分のデザインも目立つ |
右側にUSB 2.0×2 | 左側にHDMIとUSB 3.0×2を装備 | 背面にはミニD-Sub15ピンと、Ethernet、USB 2.0 |
CA550は、CA750と見た目はほぼ同じだが、台座の色が異なる。機能面では、PCとUSB 3.0で接続するのが目新しい。この製品も、USB 3.0接続という以外、何の説明もないため、推測に過ぎないが、敢えてUSB 3.0でつなぐと言うことは、従来のUSB VGAコントローラより高性能なものを内蔵している可能性はある。
なお、無線接続については、ビジネス向けのCA650もサポートするが、CA760と同じ方式かは不明。
CA750とほぼ同じデザインのCA550 | PCとはUSB 3.0で接続する | 無線接続のCA650 |
同社は他社に先駆けて、NVIDIAの3D Vision対応の液晶を発売したメーカーの1つだが、今回のCESでは独自方式の立体視をサポートした製品をいくつか展示した。
メガネの方式はアクティブシャッターで、3D Visionと同じく120Hzで両目の映像を切り替える。3D Visionが入出力にDVI-Dを使っているのに対し、Samsung製品はHDMI 1.4とDisplayPort 1.2に対応。当然、エミッターも本体に内蔵する。
この立体視に対応するSA950は、普通本体中央から伸びる首の部分が、パネルの右下から真下に伸びているデザインが目を引く。また、具体的数値は分からないが、同社では3D対応液晶として、世界最薄を謳う。加えて、液晶本体での2D-3D変換機能も搭載する。
もう1つの3D対応液晶SA750も、台座が特徴的な円形で、端が透明な額縁を採用したデザイン重視の製品。こちらは、2D-3D変換機能は省略している。
これらと同じ方式を採用した3D対応のノートPCと液晶一体型PCも展示された。前者はRF712、後者はAF315というモデルで、いずれもGPUにRadeon HD 6000シリーズを採用。展示機ではゲームも3Dで実行していた。
このほか、PCとしては薄さが特徴の13型モバイルノート9シリーズ、Oak Trailを採用し、スマートフォンのようなスライド式キーボードを内蔵するタブレットPC 7シリーズ、3Gと4G(LTE)を内蔵するノートPC NF310などが展示された。
こちらもデザインが特徴的なSA950 | 薄型でもある | 2Dからの変換含む3Dに対応 |
こちらも3D対応のSA750 | 3D対応液晶一体型AF315 | 3D対応ノートRF712 |
MacBook Airを彷彿とさせる薄型ノート9シリーズ | Oak Trail搭載タブレット7シリーズ | |
スライド式キーボードを搭載 | LTE対応ノートNF310 |
●USB再生対応液晶のLG
LGも液晶ディスプレイの新製品を多数展示した。薄型やデザイン性の高さで差別化を図っている。機能面では、いくつかの製品でUSBメモリを接続すると、その中の動画ファイルを再生するUSB Quick View HD Play機能を搭載。3Dについては、偏光式を採用し、アクティブシャッター式に比べ、ちらつきのなさや、暗くなりにくい点を訴求している。
薄さが特徴のE2381 | このM2380Dを初め、いくつかの製品でUSBメモリからの動画再生に対応 | |
こちらも超薄型のE2290V | 珍しい27型でフルHDのM2780D。TVチューナ付き | |
IPSパネル採用のIPS226V | このようなデモでIPSの視野角の広さをアピール | 偏光式メガネを採用する3D対応のD2342Pを3台使ってゲームのデモ |
(2011年 1月 13日)
[Reported by 若杉 紀彦]