【CES 2011レポート】Samsung & LG編
~無線接続、USB 3.0接続、独自方式3Dなど液晶新製品多数

Samsungブース

会期:1月6日~9日(現地時間)
会場:Las Vegas Convention Center/The Venetian



 SamsungとLGは韓国を代表する2大メーカーだが、両社の家電製品は欧米でも大きなシェアを誇り、CESでは大きなブースを構え、大々的に展示している。そんな両社もことPC関連については、やや目立たない存在であるが、例年面積を割いてPCや周辺機器の展示を行なっている。

●独自方式の3D路線に進むSamsung

 Samsungは、先進的な液晶ディスプレイを何機種か展示した。なお、今回の展示機は2011年中に発売が予定されているものだが、解像度などの仕様が明記されていなかった。ただし、目測によるといずれもサイズは20型以上で、解像度は1,920×1,080ドット程度となっていた。

 CA750は、一般的機種より幅が狭く、弧を描いたデザインの台座が目につくが、PCと無線接続となっているのが特徴。無線方式は独自のもので、PCには小型のUSBアダプタを装着する。ディスプレイ側にディスプレイコントローラが内蔵されており、無線化したUSBディスプレイのように使える。

 また、台座にはUSBポートとEthernetがあり、ここにつないだ機器もPCから利用でき、無線ポートリプリケータとして機能する。4つあるUSBポートのうち、2つはUSB 3.0だが、当然PCと本機の間の上限転送速度は480Mbpsとなる。まだ、製品化は先とのことなので、このUSB 3.0ポートは次に紹介する製品と同じパーツを使い回したためかもしれない。このほか、ミニD-Sub15ピンとHDMIを装備する。

CA750PCとはUSBレシーバを通じた無線で接続する台座部分のデザインも目立つ
右側にUSB 2.0×2左側にHDMIとUSB 3.0×2を装備背面にはミニD-Sub15ピンと、Ethernet、USB 2.0

 CA550は、CA750と見た目はほぼ同じだが、台座の色が異なる。機能面では、PCとUSB 3.0で接続するのが目新しい。この製品も、USB 3.0接続という以外、何の説明もないため、推測に過ぎないが、敢えてUSB 3.0でつなぐと言うことは、従来のUSB VGAコントローラより高性能なものを内蔵している可能性はある。

 なお、無線接続については、ビジネス向けのCA650もサポートするが、CA760と同じ方式かは不明。

CA750とほぼ同じデザインのCA550PCとはUSB 3.0で接続する無線接続のCA650

 同社は他社に先駆けて、NVIDIAの3D Vision対応の液晶を発売したメーカーの1つだが、今回のCESでは独自方式の立体視をサポートした製品をいくつか展示した。

 メガネの方式はアクティブシャッターで、3D Visionと同じく120Hzで両目の映像を切り替える。3D Visionが入出力にDVI-Dを使っているのに対し、Samsung製品はHDMI 1.4とDisplayPort 1.2に対応。当然、エミッターも本体に内蔵する。

 この立体視に対応するSA950は、普通本体中央から伸びる首の部分が、パネルの右下から真下に伸びているデザインが目を引く。また、具体的数値は分からないが、同社では3D対応液晶として、世界最薄を謳う。加えて、液晶本体での2D-3D変換機能も搭載する。

 もう1つの3D対応液晶SA750も、台座が特徴的な円形で、端が透明な額縁を採用したデザイン重視の製品。こちらは、2D-3D変換機能は省略している。

 これらと同じ方式を採用した3D対応のノートPCと液晶一体型PCも展示された。前者はRF712、後者はAF315というモデルで、いずれもGPUにRadeon HD 6000シリーズを採用。展示機ではゲームも3Dで実行していた。

 このほか、PCとしては薄さが特徴の13型モバイルノート9シリーズ、Oak Trailを採用し、スマートフォンのようなスライド式キーボードを内蔵するタブレットPC 7シリーズ、3Gと4G(LTE)を内蔵するノートPC NF310などが展示された。

こちらもデザインが特徴的なSA950薄型でもある2Dからの変換含む3Dに対応
こちらも3D対応のSA7503D対応液晶一体型AF3153D対応ノートRF712
MacBook Airを彷彿とさせる薄型ノート9シリーズOak Trail搭載タブレット7シリーズ
スライド式キーボードを搭載LTE対応ノートNF310

●USB再生対応液晶のLG

 LGも液晶ディスプレイの新製品を多数展示した。薄型やデザイン性の高さで差別化を図っている。機能面では、いくつかの製品でUSBメモリを接続すると、その中の動画ファイルを再生するUSB Quick View HD Play機能を搭載。3Dについては、偏光式を採用し、アクティブシャッター式に比べ、ちらつきのなさや、暗くなりにくい点を訴求している。

薄さが特徴のE2381このM2380Dを初め、いくつかの製品でUSBメモリからの動画再生に対応
こちらも超薄型のE2290V珍しい27型でフルHDのM2780D。TVチューナ付き
IPSパネル採用のIPS226VこのようなデモでIPSの視野角の広さをアピール偏光式メガネを採用する3D対応のD2342Pを3台使ってゲームのデモ

(2011年 1月 13日)

[Reported by 若杉 紀彦]