会場で見かけた気になるパーツクーラー、ケースなど
ゲーマー仕様のハイエンドCPUクーラー「Nero S」 |
会期:6月2日~6日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
Taipei International Convention Center
COMPUTEXでは、ハイエンドゲーマーをターゲットとしたPCパーツも多数展示されている。そこでここでは、会場で見つけた、ハイエンドゲーマー向けのクーラーやケースなどとともに、ちょっと気になった変わったアイテムなどもあわせて紹介していこう。
●akasa直径8mmのヒートパイプと46枚の大型アルミニウムフィンを組み合わせ、優れた冷却能力を実現している |
akasaは、LGA1156対応の最新CPUクーラーとして3モデル展示。そのうち、ゲーマー仕様の「Nero S」は、直径8mmのヒートパイプ4本と46枚の大型アルミニウムフィンを組み合わせ、「S-Flow」という特殊な形状のファンブレードで風量を30%増した12cmファンが取り付けられており、優れた冷却能力と静音性を両立。LGA1156以外にも、LGA1366/775、Socket AM3/AM2+/AM2/939にも対応。
また、VGAクーラーの新モデル「Freedom FORCE」も展示。4本のヒートパイプと86枚のアルミニウムフィンを組み合わせ、8cmのLED搭載静音ファン2個が取り付けられており、トップクラスの冷却能力を誇るとしている。NVIDIA/AMD双方のGPUに対応。
●Artic Coolling
Artic Coolingは、ゲーマー仕様の大型CPUクーラーや、Low Profileクーラー、VGAクーラーなど、多くの新モデルを展示。ゲーマー仕様の大型CPUクーラー「Freezer XTREME Rev.2」は、従来モデルとなる「Freezer XTREME」のアップグレード版で、LGA1366およびLGA1156に対応した。その他の仕様はほぼ同じで、4本のヒートパイプと102枚のフィンを組み合わせ、フィン中央部に12cm超静音ファンが取り付けられている。従来通りLGA775、Socket AM3/AM2+/AM2/939にも対応し、冷却能力は最大160Wとなる。
また、「Freezer 11 LP」は、LGA1156およびLGA775に対応する、スリムケースに最適なロープロファイル仕様のCPUファンだ。92mmの超静音ファンを搭載し、静音性にも優れるとしている。
●CoolerMaster
CoolerMasterは、CM Stormブランドのゲーマー向けアイテムを多数展示。プロゲーマーの意見を取り入れて開発された、プロゲーマー仕様のケースやマウスなどをラインナップ。ケースとしては、CM Stormブランドの第1弾として既に発売されている「CM Storm Sniper」に加え、第2弾として発表された「CM Storm Scout」を展示。CM Storm Sniperよりもやや小柄なミドルタワー仕様で、上部に取っ手が取り付けられ、LANパーティ会場への持ち運びを考慮した仕様が特徴的。内部は、フロントとトップに14cmファン、サイドとリアに12cmファンがそれぞれ取り付けられ、エアフローも万全。さらに電源ユニットは底面に取り付けられ、ケース外から冷却用の空気を取り込み、直接ケース外に熱を排出する工夫も盛り込まれている。
さらに、ゲーマー仕様のマウス「Sentinel Advance Gaming Mouse」と、多数のマウスパッドも展示。Sentinel Advance Gaming Mouseは、分解能が最大5,000dpiのレーザーマウスで、マウス上のボタンで前後・左右の分解能を独立して調整可能。クロールホイールは、武器選択をミスすることのないよう、クリック感を重視した作りになっている。多数のボタンが用意され、それぞれに専用ユーティリティで様々なコマンドを登録できるのはもちろん、重量調節も可能だ。マウスパッドは全7種類を用意。それぞれ表面の素材や加工が異なっており、ゲームジャンルに合わせて選択できるようになっている。
これら以外では、2.5インチSATA HDDベイを内蔵して、搭載したHDDをUSBストレージとして利用できるとともに、USBハブ機能も持つノートPC用クーラーや、PLC機能を内蔵するATX電源ユニットなどの、やや変わった機能を持つ製品が目に付いた。
●IN WIN
IN WINは、ハイエンドゲーマー向けケースや電源ユニットなどを展示。まず、ハイエンドゲーマー向けケースの「MEALSTROM」。サイドパネルに22cmファンが取り付けられるとともに、フロントに1個、トップに1個(最大2個)、リアに1個の12cmファンを取り付け可能。また、サイドの22cmファンを外し、6個の12cmファンを取り付けることも可能で、非常に強力なエアフローを確保することで、ハイエンドゲーマー向けの超ハイスペックシステムも安定して利用できる。また、本体サイズはかなり大きく、Extended ATXにも余裕を持って対応できるとする。
また、ミリタリーカラーやミリタリーステンシル調の文字が特徴的な電源ユニット「Commander」シリーズに、新モデルとなる「AIRBONE」シリーズが登場。電源ケーブルがモジュラー式だったCommanderシリーズに対し、AIRBONEシリーズでは直付けになるとともに、電源容量も425W、525W、625Wとなり、価格を抑えた廉価版として位置付けられている。
ところで、IN WINブースは、ミリタリー調やプールバーなど、いくつかのコンセプトでブースが装飾されていた。ミリタリー調電源のCommanderシリーズが展示されている付近では、迷彩服やライフル銃を飾ったり、カモフラージュ用の布をかぶせたりと、凝った作りにするとともに、「B2 CAMOUFLAGE」と名付けられた、B-2ステルス爆撃機をイメージした装飾が施されたケースや、危険区域を示すような黄色と黒の縞模様が施されたケースなどのコンセプトモデルも展示。また別のコーナーでは、ビリヤード台を設置して、お洒落なプールバーのような装飾で、ビリヤード台の上にもケースのコンセプトモデルが並べられていた。
ハイエンドゲーマー向けケースの「MEALSTROM」。サイドパネルの22cmファンに加え、フロントに1個、トップに1個(最大2個)、リアに1個の12cmファンが取り付けられ、マルチGPU環境にも余裕で対応する | サイドパネルの22cmファンを取り外して、6個の12cmファンを取り付けることも可能 | eSATAやUSBなどのコネクタ類、電源ボタンなどはケース上部に用意されている |
●Thermalright
Thermalrightでは、特殊な仕様のケースを展示。そのケースは「Box One」というフルタワーケースだ。一般的なゲーミングケースの場合、サイドに大型ファンを置き、フロントやリアには1個のファンしか取り付けられていないのが一般的だが、このBox Oneでは、サイドファンやトップファンは存在せず、フロントとリアに3個ずつの14cmファンが取り付けられ、前面から後方に向かって、直線的かつ全面的なエアフローを確保している。ただ、よくよく考えると、フロントとリアに3個の14cmファンを並べると、フロントのドライブベイはもちろん、背面のバックパネルや拡張カードスロット用のスペースも存在しなくなる。しかしBox Oneでは、マザーボードを完全にケース内部に設置してしまうという荒技でその問題をクリアしている。拡張カード固定用のステイやマザーボードのI/Oパネルは、完全にケース内部に存在することになるわけだ。ディスプレイケーブルやUSBケーブル、LANケーブルなどは、リアファン横に用意されている穴から内部に引き込んで接続する必要があるため、メンテナンスなどは少々面倒かもしれないが、この方法ならサイドに大きなファンを設置せずとも強力なエアフローが確保できるはずで、まさに逆転の発想のケースと言っていいだろう。
また、CPUクーラーの新モデルなども展示。「Cyclone」シリーズは、直径150mmのフィンと6本のヒートパイプを組み合わせた超大型のファンレスヒートシンクに加え、フィンの形状を若干変更するとともに、中央の穴に円錐形のファンを取り付けたモデルを展示。それ以外にも、多数の大型ヒートシンクの新モデルが展示されていた。
●ZALMAN
ZALMANは、マニュアルでのファンコントロールに対応したPWM対応のCPUクーラー「CNPS10X Extreme」を展示。PWMを利用したファンコントロールに加え、ファン上に用意されたボタンによって、マニュアルで3段階にファン回転数をコントロールできる。また、このファンコントロール用のボタンは着脱式になっており、付属のケーブルでケース外に引き出すことも可能となっている。5本のヒートパイプと12cmファンにより、冷却能力は最大340Wとなっている。サイズは135×100×160mm(同)、重量は920g。LGA1366/1156/775、Socket AM3/AM2+/AM2/939/940に対応
PWMだけでなく、マニュアルでのファンコントロールにも対応したCPUクーラー「CNPS10X Extreme」。PWM対応CPUクーラーのマニュアルファンコントロール対応は世界初としている | CPU上部のボタンによって、マニュアルで3段階にファンの回転数を変更できる | ボタン部は着脱式で、付属ケーブルでケース外に引き出すことも可能だ |
(2009年 6月 8日)
[Reported by 平澤 寿康]