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Microsoft、ゲーム特化の生成AI「Muse」公開。フレームや操作からゲームを生成

 Microsoft Researchは20日、ゲーム画面の生成に特化した生成AIモデル「Muse」を公開した。

 ゲームのフレームやコントローラ操作を入力として、ゲームシーケンスを生成できるモデル。コントローラの操作に応じた映像や、映像内のキャラクターの動きに応じたコントローラ操作を生成できる。

 Microsoftではこうした生成AIモデルを「世界と人間の行動モデル」(World and Human Action Model(WHAM)と呼んでおり、Museでは英国のゲームデベロッパーが2020年に発売した対戦型TPSアクション「Bleeding Edge」のプレイデータが用いられている。

 Museが生成する一連のゲームプレイは主に「一貫性」、「多様性」、「持続性」の3つについて評価される。一貫性はマップ構造やゲームのルール、物理特性などについてゲームらしくふるまわせる能力。多様性はキャラクターの動作や視覚効果などについて様々なバリエーションを生み出す能力。持続性は生成されたゲームプレイのシーケンスに変更を加え、その結果を持続させる能力。ニュースリリースではこれらの評価軸について成果を示す短い動画を公開している。

 またMuseが今後のゲームに与える可能性についてMicrosoftのFatima Kardar氏は、現行のハードウェアやプラットフォームで遊べなくなった古いゲームを学習し、どのようなデバイスでも遊べるようにできるかもしれないと述べている。またゲーム開発においては新コンテンツの簡易なプロトタイピングによる導入支援への活用や、プレイヤーによる開発プロセスへの参加といったアイデアも挙げた。

 直近の展開としては、近日中にCopilot LabsでMuseによる短いAIゲームを公開し、より多くの人が研究に参加するオープンな機会を提供する予定としている。

ゲームの静止画とコントローラ操作をプロンプトとして入力する
学習により一貫性の精度を向上している