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Intel、最大24コア/5.8GHzで動作するゲーミングノート向け第14世代Core HX

インテルCore HXシリーズ・モバイル・プロセッサー(第14世代)(出典:Intel Core Processors、Intel)

 IntelはCES 2024の開幕前日となる1月8日(現地時間)に報道発表を行ない、インテル第13世代シリーズの後継となる、「インテルCore HXシリーズ・モバイル・プロセッサー(第14世代)」を発表した。

クロック周波数が引き上げられ、新たにThunderbolt 5に対応

第14世代の構造は基本的に第13世代と同様で、PCHは外部チップとして提供される、Thunderbolt 5やWi-Fi 7に単体コントローラで対応

 第14世代は、基本的なアーキテクチャは第13世代と共通で、TDP 55W、TMP 145Wというのも共通になっている。CPUコアはPコアが8コア、Eコアが16コアという最大構成、L3キャッシュ(LLC)に関しても最大36MBと同じ。ダイそのもののアーキテクチャは第13世代を踏襲しており、より最適化が進んだダイが第14世代で採用されている。

 違いは動作周波数。たとえば、第13世代の最上位SKUとなるCore i9-13900HXでは、Pコアのターボ時最大周波数は5.4GHZだったが、第14世代のCore i9-14900HXでは5.8GHzに引き上げられている。同様にEコアでも、第13世代CoreのCore i9-13900HXは3.9GHzだったのが、Core i9-14900HXでは4.1GHzに引き上げられている。

Thunderbolt 5に対応
Wi-Fi 7とBT5.4に対応

 また、IntelのThunderbolt 5のICが組み合わせて提供され、PCメーカーはThunderbolt 5をノートPCに実装することが可能になっている。Thunderbolt 5では送信受信でそれぞれ2レーンずつあるうち、1レーンを送受信どちらかに割り当てることで、最大120Gbpsという転送速度でデータ転送が可能になる。同時にWi-Fi 7にも対応可能だ。

デスクトップの第14世代と同じようなオーバークロック機能に対応

 また、デスクトップ版の第14世代と同じように、オーバークロック機能が用意されており、Intel Extreme Tuning Utility(XTU)、Intel Speed Optimizer for 1-click overcloking、Intel Extreme Memory Profile SODIMMに対応しているほか、CPUコアごとにサーマルスロットリングの設定を行なうことが可能だ。

 第14世代には、以下の5つのSKUが用意されている。

【表1】インテルCore HXシリーズ・モバイル・プロセッサー(第14世代)のSKU
プロセッサーナンバーi9-14900HXi7-14700HXi7-14650HXi5-14500HXi5-14450HX
CPUコア(P+E)24(8+16)20(8+12)16(8+8)14(6+8)10(6+4)
LLC36MB33MB30MB24MB20MB
ターボ時最大/Pコア5.8GHz5.5GHz5.2GHz4.9GHz4.8GHz
ターボ時最大/Eコア4.1GHz3.9GHz3.7GHz3.5GHz3.5GHz
ベースクロック/Pコア2.2GHz2.1GHz2.2GHz2.6GHz2.4GHz
ベースクロック/Eコア1.6GHz1.5GHz1.6GHz1.9GHz1.8GHz
内蔵GPUIntel UHD GraphicsIntel UHD GraphicsIntel UHD GraphicsIntel UHD GraphicsIntel UHD Graphics
メモリDDR5-5600/DDR4-3200DDR5-5600/DDR4-3200DDR5-5600/DDR4-3200DDR5-5600/DDR4-3200DDR5-5600/DDR4-3200
メモリ最大容量192GB192GB192GB192GB192GB
TDP55W55W55W55W55W
MTP157W157W157W157W157W

競合他社の製品と比較してゲーミングで最大37%性能が向上

Core i9-14900HXとAMD Ryzen 9 7945HXをAAAタイトルでの性能比較
AMD Ryzen 9 7945HX3Dとの比較
汎用のベンチマークでの性能比較

 Intelの発表によれば、Core i9-14900HXとAMD Ryzen 9 7945HXをAAAタイトル(1080p)で比較すると、いくつかのゲームでは下回るが、多くのゲームでは最大37%高いフレームレートを実現するという。

 また、AMD Ryzen 9 7945HX3Dとの比較でも、いくつかのゲームでは若干下回るが、多くのゲームで最大17%上回るという。ゲームだけでなく、通常のアプリベースのベンチマークでも、Core i9-14900HXとAMD Ryzen 9 7945HXを比較すると、Core i9-14900HXが3~51%性能が向上するとIntelは説明している。

Intel Application Optimization(APO)

 また、Intelが提供するアプリ最適化テール「Intel Application Optimizetion」(APO)では、IntelのDTT(Dynamic Tuning Technology)を考慮して動作することになり、APOを有効にすることでより性能を引き上げることが可能になっている。APOをオンにすることでRainbow Six:Siegeで6%、Metro Exodusで18%の性能向上を実現できる。さらにF1 22やDirt 5などが新しいAPO対応タイトルとして追加されている。

ハイエンド向けの第14世代と薄型軽量向けCore Ultra Hシリーズという2つのCPUを搭載したゲーミングPCが今後登場する
第14世代を搭載したノートPCは60以上のデザインが24年内に登場する見通し、CESで搭載製品が多数発表されている

 Intelによれば、12月に発表したCore Ultra Hシリーズ(TDP 28~45W)を利用したゲーミングPCのデザインが少なくとも10以上、今回発表された第14世代を搭載したゲーミングPCのデザインが60以上、2024年に登場する見通しだという。既にOEMメーカー(Lenovo、HP、Dell、ASUS、Acer)などから搭載製品が発表されており、第1四半期から市場に投入される見通しだ。