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NVIDIA、ゲームにおけるシステム全体のレイテンシを削減する「Reflex」技術

Reflexをオンにした場合とオフにした場合のレイテンシの違い

 NVIDIAは1日(現地時間)、Ampereアーキテクチャを採用した「GeForce RTX 30」シリーズを発表。このなかで、Maxwell以降のGPUで利用可能なレイテンシ削減技術「Reflex」を発表した。

 一般的な3Dゲームの場合、マウスからの入力はCPUで処理され、その結果をRender Queueに蓄えてGPUで描画、それからディスプレイに表示する仕組み。NVIDIAが開発したReflex SDKを使えばRender Queueを使わず、CPUの処理の結果を直接GPUで描画可能となるため、レイテンシが削減される仕組みとなっている。

 この技術自体はMaxwell世代(GeForce GTX 900シリーズ)以降のGPUで使えるが、最新のGeForce RTX 3080と、AcerやASUSから予告されている360Hzディスプレイと組み合わせれば、より効果的にレイテンシを削除できるとし、GeForce GTX 1660 SUPER+60Hzディスプレイの製品と比較した場合、レイテンシは約半分に抑えられるとしている。

一般的なゲームの場合、CPUで処理されたあとRender Queueに描画フレームが蓄えられる
ReflexではこのRender Queueを削除し、CPUとGPUの処理を完全に同期させるという
GeForce GTX 1660 SUPER+60Hzのシステムと比べて、GeForce RTX 3080+360Hzのシステムでは全体のレイテンシを半分程度に抑えられる

 Reflexはゲームエンジン内に組み込む必要があり、そのためSDKを公開しているが、すでに「Apex Legends」、「Call of Duty Warzone」、「Destiny 2」、「Fortnite」、「VALORANT」が導入を決めている。

 このReflexの効果をユーザーがより直感的にわかるよう、Reflexに対応した360HzのG-SYNCディスプレイ用意。このディスプレイのUSBポートにマウスを接続すれば、マウスから入力されてからディスプレイに表示されるまでのレイテンシをGeForce Experienceで計測し、表示できるようになる。対応ディスプレイはAcer、ALIENWARE、ASUS、MSIからリリースされる。

 同社の計測によれば、360Hzディスプレイを利用した場合、システム全体のレイテンシは15ms前後になる。一般的な144Hzディスプレイの場合は40~50ms前後となっており、360Hzディスプレイのほうがゲームを有利に進められるとしている。

GeForce Experienceでは新たにレイテンシ計測機能が追加された
ゲーム内のレイテンシ計測表示
Reflex対応ディスプレイでは、表示がフラッシュ場所を設定し、その場所の変化をマウスクリックして反応するまでの時間として計測する

 このほか、Reflex SDKには自動的にGPUをオーバークロックする機能を搭載しており、対応ゲームではGeForce Experience上から設定をオンにするだけで自動的にGPUを高速化。さらなるレイテンシ削減が図れるとしている。