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専用チップなしでG-SYNCが使える。MediaTekと協業し対応モニター拡充へ
2024年8月20日 22:00
NVIDIAは、ドイツで8月21日より開催されるGamescom 2024にあわせ、可変リフレッシュレート技術のG-SYNCにおけるMediaTekとの協業を発表した。MediaTek製モニター用チップにG-SYNCの機能を統合することで、対応機種をさらに拡大していくとしている。
G-SYNCでは、可変リフレッシュレート(VRR)やモーションブラーの低減(Ultra Low Motion BlurやPulsar)、レイテンシの低減や計測機能(ReflexやReflex Analyzer)といった高度なモニター表示機能を提供している。さまざまな機能が使える一方で、フル機能を利用するには専用モジュールをモニター側に搭載する必要があり、高価格帯製品などに対応機種が限られていた。
今回の協業では、G-SYNCが持つ技術のフルセットをMediaTekのモニタースケーラーに統合。最新技術のG-SYNC Pulsarを含め、これまで専用モジュールの搭載が必要だったG-SYNCの高度な機能についても、MediaTek製スケーラーで提供できるようになる。
NVIDIAでは、専用モジュールの搭載が不要となることに加え、MediaTek製スケーラーが多くのモニターで採用されていることから、今回の技術統合でより幅広い製品に対して、価格を抑えながらG-SYNCの機能を提供できるとしている。
あわせて、G-SYNC対応MediaTekスケーラー搭載製品として、AOC「AGON PRO AG276QSG2」、Acer「Predator XB273U F5」、ASUS「ROG Swift 360Hz PG27AQNR」の3機種を発表。ともに、1440p解像度、360Hzリフレッシュレート、HDRをサポートするゲーミングモニターとなる。
生成AIを使ったNPCはレスポンスが改善。Half-Life 2 RTXのプレイヤブルデモも
また、生成AIを利用して対話型NPCを実現する技術「NVIDIA ACE」に関するアップデートとして、新たなAIモデルとなる「Nemotron-4 4B Instruct」を発表。処理速度重視のSLM(Small Language Model、小規模言語モデル)となる。
マイクロサービスのNVIDIA ACE NIMでは、ユーザーの入力を受け付けると、音声認識、AIモデルによる解釈/返答の生成、返答音声の生成、音声にあわせた顔面のアニメーションの生成が行なわれる。このうちAIモデルには、これまでパラメータサイズの大きいLLM(大規模言語モデル)が用いられることが多かった。
今回NVIDIAでは新たにSLMのNemotron-4 4B Instructを開発。より優れたロールプレイを実現できるよう調整を施しており、会話の品質を高めただけでなく、ゲームをプレイしながらでもオンデバイスで実行できるようパラメータサイズを小さくしたことで、レスポンスを改善した。
Gamescom 2024では、ロボットアクションゲーム「Mecha BREAK」にNemotron-4 4B InstructとNVIDIA ACEを導入したデモの展示も実施される。
そのほか、2023年8月に発表された「Half-Life 2 RTX」の続報として、Gamescom 2024にてNova Prospektをプレイできるデモを展示。フルレイトレーシングやDLSS 3.5のサポート、新たなアセットの導入などが行なわれているという。
さらに、クラウドゲーミングサービスのGeForce NOWについては、Xbox Automatic Sign-Onに新たに対応。Xboxアカウントとリンクしておくことで、PC Game PassをGeForce NOWからプレイする場合など、NVIDIAアカウントとXboxアカウントで2度ログインする必要がなくなる。また、レイトレーシングやDLSSといった機能をサポートするRTX対応ゲーム/アプリケーションが600本を超えたことも紹介した。