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富士通、音声操作や家電連携も可能な一体型PC
2017年12月26日 11:00
富士通株式会社は12月26日、デスクトップPCのFMV ESPRIMOブランドから、27型一体型PC「FH90/B3」を発表した。1月18日に発売し、店頭予想価格は24万円前後の見込み。
FH90/B3は今年(2017年)の7月にKaby LakeとWindows 10 Creators Updateの搭載で登場したFH90/B2の後継モデルだが、ハードウェアのスペックは大きく変わらず、搭載CPUやメモリ/ストレージ容量は同じ。4+4Wスピーカーと10Wサブウーファーや、Texas Instruments製のヘッドフォンアンプ、地上/BS/110度CSデジタル対応のダブルチューナーを装備する。
今回の製品の目玉となるのは、後述する音声などによるAIアシスタント機能「ふくまろ」の採用。それ以外については、TV視聴アプリでの視聴ランキングと何人のユーザーが見ているかわかるポイント数が表示されるようになったほか、付属キーボードの小型化と、マウスを含めたデザイン変更が行なわれている。
富士通は本日発表の新製品として、同じFMV ESPRIMOブランドの23.8型一体型PC「FH52/B3(型番: FMVF52B3W2)」も加えており、こちらは10月17日に発表されたモデル(型番: FMVF52B3W)が更新され、「ふくまろ」への対応とキーボード&マウスのデザイン変更などが適用されている。こちら1月18日発売で、店頭予想価格は16万円強の見込み。
それぞれの機種のおもな仕様は下表のとおり。
FH90/B3 | FH52/B3 | |
---|---|---|
CPU | Core i7-7700HQ(2.8GHz、4コア) | Celeron 3865U |
GPU | Intel HD Graphics 630 | Intel HD Graphics 610 |
チップセット | Intel HM175 | |
メモリ | DDR4-2400 8GB | DDR4-2400 4GB |
ストレージ | HDD 3TB | HDD 1TB |
光学ドライブ | BDXLドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
ディスプレイ | 27型IPS液晶 | 23.8型IPS液晶 |
解像度 | 1,920×1,080ドット | |
OS | Windows 10 Home | |
USB | USB 3.1×2、USB 3.0×2 | USB 3.0 Type-C、USB 3.0×3、USB 2.0×2 |
カードリーダ | SDカードリーダ | |
映像入出力 | HDMI入力、HDMI出力 | HDMI出力 |
無線通信 | IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1 | |
有線LAN | Gigabit Ethernet | |
その他 | 地上/BS/110度CSデジタルチューナ×2、音声入出力 | - |
付属品 | ワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウス | |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約616×227×468~470mm | 約558×167~176×362~370mm |
重量 | 約12.5kg | 約6.5kg |
店頭予想価格 | 24万円前後 | 16万円強 |
AIアシスタント機能「ふくまろ」を初搭載
本日発表の新製品は現行モデルの小幅なアップデートに留まっている。しかし、今回富士通はソフトウェア面での新たな試みを投入してきている。それが、冒頭でもふれた音声によるAIアシスタント機能の「ふくまろ」だ。
AIアシスタント機能と言えば、Windows 10ならCortana、iOS/macOSのSiri、Googleアシスタント、AmazonのAlexaなどがあり、ここ最近ではとみに話題に上っている。富士通のふくまろは同社独自のAIによるもので、今回の一体型PC 2製品だけでなく、2017年10月以降に発表された全機種が対応する。提供開始は来年の1月から。
ふくまろはフクロウとダルマを組み合わせたようなかわいらしいデザインを採用。富士通はふくまろに“パソコンが家族になる”というキャッチコピーを用いており、家族間での利用を想定。とくに小さな子どもがいるような家庭での活用を考えているようだ。ちなみにふくまろは語尾に「~まろ」をつけてしゃべる。
ふくまろを使うにはユーザーが「ふくまろ」のキーワードで話しかけて音声で操作するか、スマートフォンなどからSkypeのチャットを使ってふくまろのチャットボットにメッセージを送るかたちで開始する。利用可能な機能は、天気などといったWeb情報の確認、PC内やDLNA機器の写真/音楽/動画コンテンツの表示/再生、子どもやペットの在宅/状況確認、家電機器のコントロール、簡単な日常会話など。
PCの動体検知機能を使うことで、子どもが家に帰ってきたさいに、親のスマートフォンにメッセージとそのときに子どもを撮影して写真を送るといった使い方や、逆にスマートフォンからふくまろに室内の写真を撮るように指示して、家の様子を確認することもできる。
また、別売のIRコマンダー(店頭予想価格7,000円前後)を用意することで、TV/エアコン/照明といった赤外線リモコン対応の家電機器のオン/オフや各種調整も行なえる。音声操作だけでなく、宅外からスマートフォン経由で操作でき、たとえばスマートフォンからふくまろに「エアコンをつけて」とメッセージを送れば、ふくまろが「冷房26℃でつけるまろ?」などと返してくるので、それに対して了承するメッセージを送れば、エアコンの電源を入れて伝えた温度に設定してくれる。
現状では音声の聞き分けができず、他社のAIアシスタント機能に対してあまり大きな差違はないが、随時アップデートを重ねて正確性や機能面の充実を図っていく。富士通はFMVブランドのPCにふくまろを浸透させ、家庭でのPCの利用幅を広げていく考えだ。