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富士通、Lenovo傘下でも個人/法人向けPCは独自路線をつらぬく
~個人向けはAIアシスタント「ふくまろ」推し
2018年1月16日 16:38
富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)は16日、「富士通パソコン商品戦略説明会」と題した発表会を開催し、個人および法人向けPCについての今後の展開について説明を行なった。
すでに発表済みの個人/法人向けPCの春モデルについては下記の記事を参照されたい。
個人向けにはAI機能「ふくまろ」を推進。法人向けには軽量さやセキュリティを訴求
FCCLで代表取締役社長を務める齋藤邦彰氏は、まず富士通がこれまで展開してきた37年間のなかで、世界初のワイヤレスモジュール搭載PCやTV機能付きPC、そして世界最軽量のPCを何度も世に送り出してきた歴史を振り返った。
その歴史のなかで、顧客からのフルオーダー(独自モデル提案)、イージーオーダー(専用周辺機器の用意)、パターンオーダー(カタログモデルのカスタマイズ適用)のそれぞれに対応できる匠のノウハウを積み上げ、タイムリーに適切な製品を提供できることが同社の大きな強みであると語る。実際同社は自前の開発体制や製造工場を備え、全国でのサポート網も有している。
齋藤氏は、最近ではエッジでのリアルタイム処理/クレンジング/スケーラビリティといった分散処理もトレンドとなっており、顧客のありとあらゆる要望に応えるにはクラウドを含めた全体のシステムが重要とする。同社にはこれらを発展させるための資産が備わっており、エッジを含めて戦略の幅を広げていくとした。
個人市場向けのPC製品については、上記の別記事へのリンクでも紹介されているAIアシスタント機能「ふくまろ」の展開で市場開拓を狙う。ふくまろは家族で利用することを想定したAI機能で、富士通の人工知能である「Zinrai」を利用した技術となる。
齋藤氏は、PCはさまざまなことができるが、逆にいろいろなことができすぎて難しいという側面もあるとし、こうした利用者とのギャップを埋めるための役割として、ふくまろを活用していきたいという考えだ。
現在のところはPC内の写真検索、家電操作、子ども帰宅時の親への連絡(写真を撮って親のスマートフォンに送る)といった、他社製のAIスピーカーとそれほど変わらないが、開発を進めてより家族内でのPCの活用度を高める機能を実装していくという。
将来的に実装を予定している機能として、家族でふくまろを利用する寸劇が設けられた。娘の服選びからデート場所に着くのに適した電車の乗車時間、母親への料理の提案やスーパーの特売日連絡、家族旅行についてそれぞれの意見にもとづいた旅行先の提案など、家族の一員としてふくまろを浸透させることを狙う。
一方、法人向けPCについては、冒頭の別記事でも掲載している2in1としても利用可能なタブレットやノートPCなどを投入。また、青函トンネルやアクアライン、ダム工事などを手がける飛島建設を招いての軽量ノート「LIFEBOOK U937/P」の導入事例などを紹介した。
このほか、法人向けの機能として秘密分散ソフト「Portshutter Premium Attachecase」についても紹介。PCとサーバーを分散させ、同期が取れていない状態ではなんら意味を持たないデートとすることで、機密データの漏洩を防ぐというもので、外部で使う場合などはBluetoothでペアリングしたスマートフォンに分散データを持たせることでさまざまな場所での利用を可能にする。
齋藤氏は、富士通のPCはLenovo傘下となったが、現状では個人向けと法人向けの両面で富士通独自の路線を改める必要がないということでLenovoと見解が一致していると述べ、今後の製品にも富士通らしさを活かしていく意向を示した。
以下、会場に展示されていた法人向け製品の実機写真を掲載している。