西川和久の不定期コラム
10.1型IPS液晶で約1.4万円のAndroidタブレット「BLUEDOT BNT-1012W」
2019年3月8日 11:00
BLUEDOTは直販価格13,980円の10.1型Androidタブレット「BNT-1012W」を2月末に発売した。編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けしたい。
激戦区の1万円以上2万円未満に投入されたタブレット
価格.comで10~11型未満Androidタブレットの価格を調べると、一番高いのが8万円台。一番安いのが1万円ちょっと。2万円までの間に、KEIAN、BLUEDOT、Geanee、Lenovo、MARSHAL、HUAWEIなど、いろいろなモデルが並ぶ激戦区となっている。
確かにこの価格帯なら衝動買いも容易。また価格が価格なだけにそもそも高性能は期待せず、すでにいろいろ持っているが、おもしろそうだしちょっと試してみるか! となるケースも多いだろう。もちろん家族1人に1台的な用途にも向いている。
今回ご紹介するBLUEDOT「BNT-1012W」は、まさにこの価格帯の製品で執筆時では価格.comでは3番目に安い上、Newマークが付いている製品となる。安いなりにどこまで仕上がっているか興味のあるところだ。
おもな仕様は以下のとおり。
【表】BLUEDOT「BNT-1012W」の仕様 | |
---|---|
SoC | MediaTek MT8163(4コア/Cortex-A53 1.3GHz) |
メモリ | 2GB/DDR3L |
ストレージ | 16GB |
OS | Android 8.1(Oreo) |
ディスプレイ | 10.1型IPS式1,280×800ドット、タッチ対応 |
ネットワーク | IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.1 |
インターフェイス | USB 2.0 Type-C、microSDカードスロット、スピーカー×2、モノラルマイク、ヘッドフォン端子、Micro HDMI |
カメラ | 前面200万画素、背面500万画素 |
センサー | GPS、重力センサー |
バッテリ | 3.7V/6,000mAh |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 173×244×9.4mm |
重量 | 約522g |
直販価格 | 13,980円 |
SoCはMediaTek MT8163。4コア/Cortex-A53 1.3GHz。メモリはDDR3Lの2GB、ストレージは16GB。Andoridタブレットとしてはほぼ最小構成だ。Androidのバージョンは8.1。Android 9.0(Pie)への対応は不明。
ディスプレイは光沢ありのIPS式10.1型1,280×800ドット。もちろんタッチに対応する。外部出力用にMicro HDMIを装備。このクラスで外部出力を搭載してるのはめずらしいのではないだろうか。
ネットワークはIEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.1。さすがに11acには非対応だ。そのほかのインターフェイスは、USB Type-C(USB 2.0)、microSDカードスロット、スピーカー×2、モノラルマイク、ヘッドフォン端子。センサーはGPS、重力センサーを搭載している。
サイズは173×244×9.4mm(幅×奥行き×高さ)、重量約522g。3.7V/6,000mAhのバッテリを内蔵し、価格は13,980円。技適など正式に国内対応している10.1型としては安いと言えよう。
筐体はプラスチック製ですべて白。厚みが9.4mmあるため薄型とは言いにくいものの、厚過ぎるというわけでもない。重量は実測で532gで、このクラスの製品としては相応だ。
前面は、パネル中央上に200万画素前面カメラ。ナビゲーションバーはソフトウェア式。背面は中央上に500万画素カメラ、中央にロゴ、下左右のスリットにスピーカー。
左右側面、下側面にはなにもなく、上側面に電源ボタン、音量±ボタン、USB 2.0 Type-C、microSDカードスロット、Micro HDMI、ヘッドフォン端子を配置。すべてが一辺に集中しているめずらしいタイプだ。付属のACアダプタは、サイズ約45×35×23mm(幅×奥行き×高さ)、重量34g、出力5V/2A。
10.1型IPS式のディスプレイは、半光沢っぽい感じだ。IPS式なので視野角はある程度確保されているものの、明るさ、コントラスト、発色は価格相応だろう。少し品のない色でかつ若干緑被りしている。とは言え、TNパネルよりは全然いいので、ここはコスト優先で納得すべきと思われる。
振動やノイズは皆無。発熱もベンチマークテストなど負荷をかけてもほとんど感じなかった。これなら長時間手で持っても不快になることもない。
サウンドは裏にスピーカーがあるため、本体をペタっと机の上などに置くと、スピーカーに蓋をしてしまい結果音量も音質も下がる。逆に横位置で下のほうを両手で持つと、ちょうど手のひらで音が反射し音が前に出るので音量が上がる。
後者の状態だとそこそこパワーもステレオ感もある。ただし明らかに低音の出ないシャリシャリ音は仕方ないところか。逆にヘッドフォン出力は価格を考慮すると鳴りっぷりがいい。オールラウンドで聴けそうな音だ。
少し気になるのは音量±ボタンのアップ/ダウンが逆なこと。通常この配置だと電源ボタン側が音量アップとなるべきところがダウンになる。YouTubeなどで音量をさわるとき、無意識でボタンを操作するため、思っていたのと逆の反応になり、「あっ、そうだった!」となることがしばしば。慣れの問題かもしれないが、できれば修正してほしい部分だ。
シンプルなホーム画面
初回起動時のホーム画面は1画面。上にGoogleと時計のウィジェット。下にGoogleフォルダ、BLUEDOT、設定、Playストアを配置。通知エリアは上から下へのスワイプ。アプリ一覧は下から上へのスワイプ。Andoridのバージョンは8.1.0。ストレージは16GB中5.08GB(32%)が使用済みだ。IMEはGoogle日本語入力。画面分割にも対応している。とくにこれと言ったカスタマイズは行なわれておらず、素のAndroidそのままの感じだ。
インストール済みのアプリは、「カメラ」、「カレンダー」、「ドライブ」、「ファイルマネージャー」、「フォト」、「マップ」、「メッセージ」、「音声レコーダー」、「時計」、「設定」、「電卓」、「連絡先」、「BLUEDOT」、「Chrome」、「Duo」、「Gmail」、「Google」、「Playストア」、「Play Music」、「Playムービー&TV」、「YouTube」。ストレージの容量を考慮してかほぼAndroid標準そのままだ。「BLUEDOT」は単に同社サイトへのショートカット。
画面の縦横比が16:10なので、たとえばChromeでWebサイトを見ると、横位置では以下のようにかなりせまい。動画は横位置、サイトやタイムライン中心のソーシャルなどは縦位置と、切り替えながら使うことになる。画面分割をうまく使う手もあるだろう。
ウィジェットは、「カレンダー」×2、「ドライブ」×3、「ホーム画面へのヒント」、「マップ」×5、「時計」×2、「設定」、「連絡先」、「Chrome」×2、「Gmail」×2、「Google」×5、「Google Play Music」×3。アプリ自体が少ないのでウィジェットも最小構成だ。
カメラは前面200万画素、背面500万画素。手ブレ補正、顔検出、美肌モードやHDR(背面のみ)にも対応している。背面カメラの出力は1,728×2,880ピクセル。35mm換算は不明だが物理的には4mm(Exifより)。動画は1080p、720p、480pに対応する。
背面カメラを使ったサンプルを1枚掲載するが、等倍で見るとノイズがすごいものの、色やオートホワイトバランスはそこそこ出ている。とは言え、昨今のスマートフォンのほうが明らかに高画質。このタブレットで積極的に撮影する理由はないだろう。
今時としては低い性能
ベンチマークテストは簡易式だが、Google Octane 2.0とAnTuTuベンチマークの結果を掲載する。
Google Octane 2.0のスコアは3,091、AnTuTuベンチマークのスコアは43,693。予想はしていたものの今時としてはかなり遅い。最新のローエンドスマートフォンより遅そうだ。
とは言え、サイトを徘徊したり、YouTubeで動画を観るなどは、爆速ではないが、それなりに扱えた。価格を考えるとこれで十分と思うべきだろう。
バッテリ駆動時間は、明るさ、音量ともに50%。Wi-Fi接続でYouTubeを連続再生したところ約8時間でバッテリが切れた。昨今の同クラスと比較して短めだが、8時間動けばとくに困ることもない。
以上のようにBLUEDOT「BNT-1012W」は、IPS式10.1型1,280×800ドット、MediaTek MT8163/2GB/16GBを搭載したAndroidタブレットだ。
USBがType-C、Micro HDMI装備など、安価なわりにがんばっている部分もある。とは言え、さすがに性能は価格なり。ライトな用途向けとなる。とにかく安価なAndroidタブレットを探しているユーザーに試してほしい1台だ。