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制作者なら知っておきたい!流行のショート動画はユニットコム製の15万円台のPCでもサクサク製作可能!

ユニットコム「SENSE-M07M-134-RBX [Windows 11 Home] 」15万3,800円

 いわゆる「タイパ」(タイムパフォーマンス)を重視する昨今、コンテンツ制作者も視聴者もプラットフォーマーも、「ショート動画」への関心が高まっている。おなじみのTikTokだけでなく、YouTubeでもホーム画面の特等席に「ショート」カテゴリーが設けられており、加速度的な需要の高まりが実感できる。自分でもショート動画を作ってみたいと考えた方も多いのではないだろうか?

 最近のスマホは高性能化が著しく、スマホで動画を撮影、編集することは可能。しかし、本格的に、かつ定期的にショート動画を投稿したいのなら、やはりPCを導入したほうが快適だ。PCならスマホより高性能なCPUを搭載したマシンが比較的安価に用意されているし、ビデオカード搭載機であれば「GPU支援」により高負荷な作業を高速化できる。大画面ディスプレイや、キーボード/マウスにより、快適な編集環境で作業できるというのも大きなメリットだ。

 8Kで長尺の動画を編集するには50万越えのPCを視野に入れる必要があるが、ショート、かつフルHD程度の動画であれば比較的安価に購入可能。というわけで今回は、ショート動画の制作を前提に、予算15万円台のデスクトップPCを、パソコン工房を運営するユニットコムより借用し、編集時における実際のパフォーマンスを体験してみた。

ミドルレンジ機ながらメモリ、ストレージは大幅に増量可能

SENSE-M07M-134-RBX [Windows 11 Home]

 まずは今回借用した「SENSE-M07M-134-RBX [Windows 11 Home]」のスペックを解説しよう。本製品はOSにWindows 11 Home、CPUにCore i5-13400(6P+4Eコア/16スレッド、最大4.60GHz、TDP 65W) 、ビデオカードにGeForce RTX 3060(12GB GDDR6)を採用。メモリは 16GB(DDR5-4800 DIMM、8GB×2、最大64GB)、ストレージは500GB SSD(PCIe Gen3接続)を搭載。素材や完成データの受け渡しにも好適な、DVDスーパーマルチドライブも内蔵されている。

 インターフェイスは前面にUSB 3.0×2、ヘッドフォン端子、マイク端子、背面にUSB 3.2 Type-C、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0×2、Gigabit Ethernet、ライン出力、ライン入力、マイク入力、ビデオカードにDisplayPort×3、HDMIを装備。ワイヤレス通信はオプションだが、Wi-Fi 6対応の無線LANカードをプラス8,000円で増設可能だ。

 本体サイズは約190×415×357mm。いわゆるミニタワー型の筐体なので、机の上でも足元でもコンパクトに設置できる。

 CPU、ビデオカードは変更できないが、購入時にメモリは最大64GB、ストレージはマザーボード上に2TB M.2 SSDを最大2基、加えて最大8TBの3.5インチHDDを増設できる。自分で増設することも可能だが、その場合ユニットコムの保証が切れてしまうので、予算が許せば購入時に搭載しておくことをお勧めする。

前面には電源スイッチ、リセットスイッチ兼インジケーター、USB 3.0×2、ヘッドフォン端子、マイク端子、光学ドライブを用意。内蔵カードリーダーをプラス1,800円で追加可能だ
前面の端子部
光学ドライブを内蔵
背面にUSB 3.2 Type-C、USB 3.0×2、USB 2.0×2、Gigabit Ethernet、ライン出力、ライン入力、マイク入力、ビデオカードにDisplayPort×3、HDMIを装備
ビデオカードの端子部
マザーボードの端子部
左側面スチールパネルには、CPU、ビデオカードを効率的に冷却するための吸気口が用意
マザーボードはB760チップセットを搭載し、メモリやストレージスロットにもアクセスしやすい。
右側面
【表1】「SENSE-M07M-134-RBX [Windows 11 Home] 」のスペック
型番ISeDEs-M07M-A134-RBSXB
OSWindows 11 Home
プロセッサCore i5-13400(6P+4Eコア/16スレッド、最大4.60GHz、TDP 65W)
チップセットIntel B760
メモリ16GB(DDR5-4800 DIMM、8GB×2、最大64GB)
ストレージ500GB SSD(PCIe Gen3接続)
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
ビデオカードGeForce RTX 3060(12GB GDDR6)
通信Gigabit Ethernet
ワイヤレス通信オプション
前面インターフェイスUSB 3.0×2、ヘッドフォン端子、マイク端子
背面インターフェイスUSB 3.2 Type-C、USB 3.0×2、USB 2.0×2、Gigabit Ethernet、ライン出力、ライン入力、マイク入力
ビデオカードインターフェイスDisplayPort×3、HDMI
電源700W 80PLUS BRONZE
本体サイズ約190×415×357mm
同梱品電源ケーブル、マニュアル、保証書
価格15万3,800円~

フルHDのショート動画を編集、書き出すのに十分すぎるパフォーマンス

 せっかく比較的手頃な価格のミドルレンジ機「SENSE-M07M-134-RBX [Windows 11 Home] 」を借用しているのに、高額な動画編集アプリを使っては意味がない。というわけで今回は、無料から利用可能な「Adobe Premiere Rush」を動画編集アプリとして利用することにした。

本製品ならPremiere Rushが快適に動作

 撮影にはAndroidスマホ「Pixel 7」、編集には「SENSE-M07M-134-RBX [Windows 11 Home] 」を使用したのだが、この組み合わせはなかなか使い勝手がよかった。動画撮影はフルHD、60fps設定で行なったのだが、10コア、16スレッド、最大4.60GHz動作のCore i5-13400とGeForce RTX 3060を搭載しているだけに、トータルで5.4GB、30個の動画ファイルをタイムラインに配置しても、編集、プレビュー作業に体感できるような遅延はない。

 再生ヘッドを素早く左右に動かしてもほぼリニアに追従する。たくさんの映像を撮影したとしても、ストレスなくカット、トリミング編集に集中できるはずだ。ショート動画はテンポも重要だが、編集時にストレスがないことで、小気味よい編集にもアクセルがかかるだろう。

たくさんの撮影動画をタイムラインに配置していても、快適にカット、トリミング操作が可能だ

 実際にPCで動画編集してみて改めて実感するのが、マウス、キーボードの操作性の高さだ。「Premiere Rush」はAndroid版、iOS版も用意されており、スマホやタブレットでも編集作業が可能だが、動画の長さを0.1秒単位で微妙に調節する際には繊細に操作できるマウスでないとやりにくいし、テロップの入力もフルサイズキーボードならスムーズにこなせる。より効率的に編集作業をしたいのなら、やはりスマホよりPCの方が大きなアドバンテージがある。

テロップのあるとなしでは動画の完成度に大きな差がある。スマホのフリック入力でもテロップを入れられるが、効率という点ではキーボードの方が上だ

 肝心のショート動画(1分、フルHD、60fps)の書き出しについては、わずか13秒76で処理が終了した。これだけ早く書き出せるのであれば、ショート動画を量産し、タイムリーにSNSなどに公開できる。今回のように、スマホで撮影したフルHD動画をショート動画として公開するのなら、ハイエンドマシンを購入する必要はないというのが率直な感想だ。

ショート動画(1分、フルHD、60fps)の書き出しはわずか13秒76で終了。コーヒーを準備する時間すらない処理速度だ

 なお、Premiere RushにはAndroid版、iOS版、Windows版、Mac版が用意されているが、無償版から1,078円/月の有償版に移行すれば、書き出し回数無制限、全機能とコンテンツへのアクセス、スマホとPC/Mac間でのプロジェクト同期、100GBのクラウドストレージなどを利用可能となる。

 つまりスマホで動画撮影と大雑把なカット、トリミング作業を済ませた後にPCでテロップやBGMを追加して動画を完成させたり、逆にPCでフィニッシュさせたあとにテロップの誤字に気づいた場合でも、スマホを使って出先で修正、書き出してSNSに再投稿したりできるわけだ。

スマホとPCを組み合わせれば、それぞれの長所を生かしたショート動画作成環境を構築できる

 最後に基本的なパフォーマンスもチェックしておこう。まずCPU性能だが、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は13,941pts、CPU(Single Core)は1,768ptsとなった。

「HWiNFO64 Pro」で取得した貸出機のシステムの概要
CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は13,941pts、CPU(Single Core)は1,768pts

 3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のPort Royalで5,075、Time Spyで9,050、Fire Strikeで19,425、Wild Lifeで51,415、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1,920×1,080ドット、フルスクリーン)で12,347(非常に快適)となった。

 3DMarkの「Estimated game performance」(推定ゲームパフォーマンス)では「Apex Legends」(1080p Ultra)で140fps以上となっており、3Dゲームも快適にプレイできるフレームレートを発揮することが分かる。動画編集だけでなくゲーミングPCとしても活躍してくれるパフォーマンスを備えているわけだ。

3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」のPort Royalは5,075
Time Spyは,9050
Fire Strikeは19,425
Wild Lifeは51,415
3Dゲームベンチマーク「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1,920×1,080ドット、フルスクリーン)のスコアは12,347(非常に快適)

 ストレージベンチマークについては、「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で3,550.75MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で2,469.29MB/sとなった。PCIe Gen3 x4接続のSSDとしては順当な結果だ。

 ショート動画編集には実用上十分なパフォーマンスだが、より高速な読み書き速度が必要なのであれば、カスタマイズ購入時にPCIe Gen4 x4接続のSSDを選択してもいいだろう。

ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は3550.75MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は2469.29MB/s

 総合ベンチマーク「PCMark 10」のスコアは7,560となった。PCMark 10の指標「Premium gaming PC(2020)」の約106%相当のスコアを記録している。「SENSE-M07M-134-RBX [Windows 11 Home] 」はミドルレンジ機ではあるが、ブラウザ、オフィスアプリはもちろんのこと、クリエイティブ系アプリまで実用的な速度で利用できるマシンだと言える。

総合ベンチマーク「PCMark 10」のスコアは7,560
PCMark 10の指標「Premium gaming PC(2020)」の約106%相当のスコアを記録したことになる

日常的にショート動画を投稿するならミドルレンジ機がピッタリ!

 もちろん、50万円を超えるようなハイエンドマシンにはそれだけの価値がある。実際、ユニットコムもプロクリエイターの高い要求に応えるフラグシップ機を用意している。

 しかし今回のように、スマホオンリーからステップアップして、日常的にショート動画をSNSに投稿したいというように目的が明確なのであれば、まずは適材適所なミドルレンジ機の方がコストパフォーマンスはいい。堅実な投資に見合っただけのリターンを得られるミドルレンジ機にも注目してみてほしい。