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Intel、ドイツ半導体工場に約2兆2,068億円の投資計画を発表。EU全体では2030年までに10兆円超の投資規模

ドイツ・マグデブルクに建設予定の工場の初期案

 Intelは15日(現地時間)、欧州における研究開発/製造について今後10年間で800億ユーロ(約10兆3,851億円)の投資を行なう計画を発表した。その第一段階として、ドイツに建設予定の半導体工場に170億ユーロ(約2兆2,068億円)の投資を行なうほか、フランスに研究開発/設計施設、アイルランド、イタリア、ポーランド、スペインに製造施設などを設立することを明らかにしており、初期投資の総額は330億ユーロ(約4兆2,839億円)におよぶ。

 欧州委員会が2021年に策定した欧州半導体法(European Chips Act)を背景として、欧州におけるIntelの生産能力を大幅に拡大することを意図している。欧州半導体法は半導体分野における欧州の技術的主権の確保を図るもので、2030年までに欧州圏での半導体供給で世界シェア20%以上を目標としている。この中には半導体の研究開発/生産能力の強化や人材不足対策などが盛り込まれており、EUとEU加盟国が資金を共同で拠出し、ここに民間の投資を加えることで、2030年までに430億ユーロ(約5兆5,820億円)の投資規模が見込まれている。

 ドイツの半導体工場については2023年前半よりマグデブルクで建設を開始し、2027年から稼働を開始する予定。Intelの最新世代プロセッサを供給する工場として、ドイツ国内およびEU内の技術革新と製造の接続点となる「Silicon Junction」と位置づける。

 このほかフランスにはハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)と人工知能の研究開発施設を設立予定。アイルランド、イタリア、ポーランド、スペインにはそれぞれ半導体工場の設備拡張、バックエンド製造施設の新設、ディープニューラルネットワークなどソリューション開発設備の拡張、バルセロナ・スーパーコンピューティング・センターとの共同ラボ設立で投資を行なう計画としている。

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