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シャープ、国産クリスタルマスク「大きめサイズ」投入。マスク発売から約2年
2022年3月8日 11:10
シャープ株式会社は、三重県多気町の同社三重工場で生産している「シャープクリスタルマスク」に、新たに「大きめサイズ」を追加した。15枚入りパッケージとして発売。2022年3月8日から、同社ECサイトの「COCORO STORE」を通じて、通常販売および定期便サービスの受注を開始する。
シャープクリスタルマスクは、同社が2021年9月から発売しているプレミアムタイプの不織布マスクで、6角形をベースとした立体構造である「立体クリスタル形状」を採用。通常のシャープ製マスクに比べて、快適性や衛生面、防御力、着用時の美しさを追求しているのが特徴だ。
2021年9月の「ふつうサイズ」に続き、2021年12月には、「こどもサイズ」を発売。今回の「大きめサイズ」は、シャープクリスタルマスクとして第3弾となる。
シャープでは、「シャープクリスタルマスクは発売以来、多くのお客様に支持してもらったが、その中で、ワンサイズ大きめを求める声があった。今回の大きめサイズは、こうしたお客様の声に応えて、新たに開発した」と語る。
これまでの「ふつうサイズ」に比べて、横を20mm、縦を3mm大きくし、口元の空間をしっかりと確保。呼吸しやすい構造となっている。
「今までのマスクではやや窮屈に感じていた成人の利用に適したサイズとした。やや大きめの骨格の人にも、しっかりとフィットするため、マスクと顔の間に隙間が生じにくく、花粉やPM2.5、ウイルス飛沫などの侵入を抑制することができる」としている。
シャープクリスタルマスクの特徴は、立体クリスタル形状によって、一般的なプリーツ形状のマスクと比べて、口元により広い空間を確保でき、さらに、外側の不織布に形状保持力が高く、型崩れが少ない材料を使用することで、口元の空間を長時間維持することができる点にある。
「これにより、呼吸しやすく、唇や口元周辺の肌が、過度にマスクに接触することなく、清潔で快適なつけ心地を長時間提供できる」という。
着用時に鼻の形に合わせて折り曲げるノーズフィッターを、鼻にフィットしやすい位置に設定。形状保持力が高く、鼻のラインにぴったりフィットするため、マスクと顔の隙間を減らすことができ、花粉やPM2.5、ウイルス飛沫などの侵入やメガネの曇りを抑えることができる。
鼻の部分に施されたステッチ(縫い目)を利用して、不織布を下方向に折り込むことができ、マスクの縦方向のサイズ調整が可能な構造になっている点も特徴。「個人ごとにフィット感の高いポジションでマスクを装着することができる」という。
また、衛生面では、花粉やPM2.5、ウイルス飛沫などの侵入を99%以上カットする4層構成の不織布フィルタを採用し、不織布の最外層には、マスク表面での細菌の増殖を抑制する抗菌加工を施したほか、1枚ごとの個別包装により、衛生的にも配慮している。
「フィルタ性能を左右するマスク中央のメルトブローン不織布を2層に増やし、合計で4層の不織布の構成としたことで、花粉やPM2.5、さらに微小なウイルスや微粒子の侵入をしっかりとガードする。せきやくしゃみによる飛沫拡散を防ぐのにも効果的である」という。
「最外層の不織布(外側のスパンボンド)には、無機(銀)系抗菌剤を配合しており、この抗菌剤に含有する銀イオン(Ag+)の作用によって、マスク表面での細菌の増殖を抑えることができる」としている。
さらに、不織布の各層に撥水性を持たせることで、湿気によるマスクのフィルタ性能(静電気的な集塵性能)の低下抑制、飛沫の拡散防止といった効果も高めているという。
また、マスクを外した際にも、マスクの口元側の不織布が内側に閉じられるように、折りたたんで収納することができる構造となっており、収納時には、マスクの内側が露出しないため見栄えも良く、周囲への配慮にもつながる。再度装着する際も、衛生面で安心できる。
なお、シャープクリスタルマスクは、VFE試験やBFE試験、PFE試験、花粉捕集効率試験の4つのフィルタ捕集効率試験において、99%以上のカット率を実現しているという。
そのほか、両側の頬から顎にかけて鋭角的なフェイスラインを形づくることできるデザインのため、端正なイメージを演出。伸縮性が高くやわらかい耳ひもを採用することで、長時間のマスク着用による耳近辺の肌への負担も軽減する。
シャープクリスタルマスク(大きめサイズ)は、15枚入りパッケージのみを用意。価格は、通常販売が1,980円(送料無料)、毎月届く定期便サービスが月額1,880円(同)となっている。通常のシャープ製不織布マスクのように、抽選販売に申し込まなくても購入できる。
シャープでは、新型コロナウイルスの感染が拡大し始め、マスクの供給不足が顕在化していた2020年2月28日に、政府の要請を受けて、マスクの国内生産を決定。
液晶パネルの生産などを行なっている三重県多気町の三重工場のクリーンルーム技術を利用して、生産設備の導入を進め、3月24日から生産を開始。3月31日には政府を対象に出荷を開始した。
さらに、生産整備の増強や改良を図り、4月21日から一般販売を先着方式で開始。だが、申し込みサイトにアクセスが集中したことで購入できない状態に陥り、販売を中止。4月27日に抽選販売へと移行して改めて募集を開始。これまで毎週水曜日に抽選を行なってきた。
今回のシャープクリスタルマスクの生産も三重工場で行なっており、シャープクリスタルマスクのふつうサイズ専用機の1台を、ふつう/大きめの兼用機に改造。生産能力は、1日2万5,000枚に達する。
シャープが国産不織布マスクの生産を開始してから、まもなく2年を経過しようとしており、2022年4月6日には、通常販売の抽選も100回目を迎えることになる。一時のような注目度はないが、シャープの国産マスクに対する需要はまだまだ根強いと言えそうだ。