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NVIDIA、RTX 2060搭載ゲーミングノートを999ドルから提供可能に。Max-Q改良やノート向けRTX 2080/2070 SUPERも投入
2020年4月2日 19:50
NVIDIAは4月3日、ノートPC向けGPUの価格改定および、ノートPC向け「GeForce RTX 2080 SUPER」や「同2070 SUPER」の追加、熱設計デザインのMax-Qの改良を発表した。
同社は昨年(2019年)まで、おおまかにGeForce GTX 1050搭載ノートを699ドルから、GTX 1660 Ti搭載品を999ドルからという価格帯で提供していたとするが、今年(2020年)の春よりGTX 1650搭載品を699ドルから、RTX 2060搭載品が999ドルからになるように価格改定を行なった。
さらに、これまでノートPC向けに存在しなかったGeForce RTX 2080 SUPERと同2070 SUPERを追加して、ハイエンドクラスのラインナップを拡充した。
RTX 2080 SUPER | RTX 2070 SUPER | RTX 2080 | RTX 2070 | |
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CUDAコア | 3,072基 | 2,560基 | 2,944基 | 2,304基 |
ブーストクロック | 1,080~1,560MHz | 1,155~1,380MHz | 1,095~1,590MHz | 1,125~1,455MHz |
メモリ構成 | GDDR6 8GB | |||
メモリバス幅 | 256bit | |||
メモリ帯域 | 448GB/s(最大) | |||
TGP(Total Graphics Power) | 80~150+W | 80~115W | 80~150+W | 80~115W |
RTX 2060 | GTX 1660 Ti | GTX 1650 Ti | GTX 1650 | |
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CUDAコア | 1,920基 | 1,536基 | 1,024基 | 1,024基(最大) |
ブーストクロック | 1,185~1,560MHz | 1,335~1,590MHz | 1,200~1,485MHz | 1,125~1,560MHz |
メモリ構成 | GDDR6 6GB | GDDR6 4GB | GDDR6 4GB GDDR5 4GB | |
メモリバス幅 | 192bit | 128bit | ||
メモリ帯域 | 336GB(最大) | 288GB | 192GB/s(最大) | |
TGP | 65~115W | 60~80W | 35~55W | 30~50W |
NVIDIAによれば、ゲーマーによるゲーミングノートPCの買い換えサイクルはおおよそ4年とのことで、2016年時点で999ドルで販売されていたGeForce GTX 960M搭載ノートは、今回999ドルからとなったRTX 2060では性能が5倍向上しているほか、レイトレーシング機能やAIを駆使するポストプロセス処理のDLSS(Deep Learning Super Sampling)が利用できるといった利点を挙げる。
また、今回のノートPC向け新GPU投入にともない、ゲーミングノートPCの熱設計デザイン「Max-Q」の改良を実施。その改良点の1つとして「Dynamic Boost」を取り入れた。
Dynamic Boostは、CPUとGPUで消費される電力のバランスを取り、性能を最適化するという機能で、たとえばゲーム中にGPUに大きな負荷がかかっている場合、GPUがボトルネックとなってそれ以上の性能向上が見込めないが、ここでCPU側の電力を意図的に下げることで、GPU側にその分の余力を回し、GPUをブーストさせるというもの。
NVIDIAが今回示しているMax-Qでは、CPUとGPUを合わせて総合115W(CPU: 35W + GPU: 80W)の熱設計となっており、ゲーム中にCPUの電力を15W下げることで、GPU側は95Wを利用可能になり、15W分の性能向上によってボトルネックの解消につなげる。これにより、熱設計の限界を超えずに性能を調整できる。
Dynamic Boostを有効にすることで、性能は6%~10%ほど向上するという(RTX 2080 SUPERの場合)。なお、Dynamic Boostに対応するゲーミングノートPCは新設計を採用したものにかぎられ、既存のMax-Qデザインのノートでは利用できない。
新しいMax-Qでは、CPU内蔵のGPUとディスクリートGPU(GeForce)を状況に応じて切り替えることで、バッテリの節約/省電力化を図るOptimus Technologyが「Advanced Optimus Technology」へと刷新され、切り替え時に生じるレイテンシなどを改善。
これまでのOptimusではディスクリートGPUがディスプレイを直接駆動できないため、4Kといった高解像度での高リフレッシュレートを提供できなかったが、今回これを改善するハードウェアボードとして「Dynamic Display Switch」をパートナー企業と協力して開発した。Intelだけでなく、AMDのCPUでも利用可能としている。
これ以外には、低電圧で駆動するGDDR6を考案し、メモリが消費する電力を下げることで、GPU性能の向上に貢献させたほか、新世代の電源回路を実装させることで、電力効率を改善させている。