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3DMark、視覚的損失なしにFPSを向上させる「可変レートシェーディング」テストを追加
2019年8月27日 14:52
UL Benchmarksは26日、可変レートシェーディング(VRS)の動作を試験できる「VRS Feature Test」を、3DMarkに追加したことを発表した。
動作にはWindows 10 1903以降、およびVRSティア1対応および「AdditionalShadingRatesSupported」のDirectX 12対応GPU(TuringベースのNVIDIA GPUまたはIntelのIce Lake内蔵GPUなど)が必要。
各ピクセルに対して呼び出されるピクセルシェーダー操作の数を「シェーディングレート」と呼び、このレートが高いと高画質になるが、GPUの処理負荷が高まる。レートを下げた場合、視覚的な精細度は低下するが、動作は軽量になる。
VRSはDirectX 12で追加された新機能で、単一のフレーム内でシェーディングレートを変更できる。シェーディングをピクセルのブロック単位で適用し、たとえば16ピクセルに対してシェーディングするさいに、16ピクセルにそれぞれシェーディングを行なうのではなく、4×4のピクセルブロックとして扱い、ブロックに1度にシェーディングを実行できる。
それを活用し、カメラから遠かったり、周辺視野部分の影といった部分のシェーディングレートだけを下げることで、プレイヤーに視覚的な品質の低下を気づかせないまま、より高いフレームレートでゲームを実行できる。
3DMarkのVRS Feature Testでは、シェーディングのレートはカメラとの距離に応じて変化し、もっとも遠いオブジェクトで4×4(下画像の青いエリア)、中距離で2×2(緑エリア)、前景オブジェクトは1×1(赤いエリア)でシェーディングされる。
テストは2回実行され、まずVRSが無効な状態でテストが行なわれたあと、VRSを有効にして同じテストを行なう。最後に無効/有効状態それぞれの平均フレームレートを表示し、VRSによって得られたフレームレートの増加をレポートする。
VRSの実装については、NVIDIAがVRSを応用した「NVIDIA Adaptive Shading(NAS)」を開発し、ゲーム開発者向けに提供している。
NASは、シェーディングレートを下げても視覚的損失が少ない、画面上のコントラストが低くオブジェクトのバリエーションが少ないシーンなどで、積極的にレートを下げてGPU負荷を低減する「Content Adaptive Shading」、高速な視界の移動でモーションブラーが掛かったシーンでシェーディングレートを下げる「Motion Adaptive Shading」の2つの動作からなり、同社によれば「Wolfenstein: Youngblood」では、NASにより最大15%のFPS向上を謳っている。