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ゲームするならFreeSync/G-SYNCでより快適に
2019年3月4日 12:54
液晶の表示は一定間隔で発生する「リフレッシュ」のタイミングに合わせて切り換わる。一般的なもので秒間60回、ゲーマー向けのもので144回などだが、PCゲームのフレームレートと液晶のリフレッシュレートが食い違うと表示が崩れる(テアリング)、あるいはモタ付く(スタッタリング)という症状が出る。どちらも動きの激しいゲームで発生すると視認性が悪くなったり、操作が遅れたりする。
これに対する回答がVRR(Variable Refresh Rate)技術であり、GeForceなら「G-SYNC」、Radeonなら「FreeSync」という規格が該当する。フレームレートがリフレッシュレートを下回りやすい環境なら、G-SYNCやFreeSync液晶を使うことで画面表示がワンランク上のなめらかさを感じられるようになるだろう。(TEXT:加藤勝明)
NVIDIA G-SYNC
GeForce系専用のVRR規格が「G-SYNC」。液晶側に専用基板を必要とするため製品が高価だが、30fpsまで追従してくれたりリフレッシュレートが変動したときに信号強度を調整して画質の変化を抑えたりなどの工夫がある。今年に入ってHDR1000対応の“G-SYNC Ultimate”という規格も登場した。
- 低fps時の追従性が高い
- 画質も考慮される
- 入力はDisplayPortのみ
AMD FreeSync
Radeon用のVRR規格だが、もともとはVESA規格にある「Adaptive Sync」をAMDが製品化したもの。液晶側に専用回路を必要としないため安価であり、HDMI入力でも効くのが強み。その半面低fpsの追従性に劣る(45fpsまで)。最近GeForce系でも利用できるようになった。
- 専用基板が不要なので安価
- DisplayPortとHDMIで利用可能
- GeForceでも限定的ながら対応
FreeSync液晶でG-SYNCを使う
つい最近まで、FreeSync対応液晶でVRRを使うにはRadeonが必須というのが常識だった。しかしNVIDIAが417.71ドライバより追加した“G-SYNC Compatible”対応によって、FreeSync液晶をGeForceにつないでもVRRが利用できるようになった。G-SYNC Compatibleとは、NVIDIAのラボが表示品質(この品質とはリフレッシュレートが変動したときの見え方のこと)などをチェックし、問題ないとしたFreeSync液晶に与えられる認証のことだが、この認証のないFreeSync液晶であってもVRRを有効にできる。
GeForceでFreeSync液晶を使うための条件は三つある。まずPascal世代以降のGPUであることと、対象の液晶とはDisplayPortで接続されていること(HDMIでは不可)。そして417.71以降のドライバが導入されていることだ。条件が正しく揃っていれば、NVIDIAコントロールパネル上に「G-SYNC」の設定が出現する。もし条件が揃っているのに設定が出現しない場合は、液晶側のFreeSync設定が無効になっていないか調べよう。
しかしこうなると気になるのは割高なG-SYNC液晶の存在意義だが、それは杞憂に過ぎない。G-SYNC CompatibleでFreeSyncを利用しても、ゲーム画面の表示に難ありだったり、リフレッシュレートを下げないとVRRにならない、などの不具合が出ることがあるのだ。逆に言えば、G-SYNCは表示や動作を保証するための規格なのだ。より高付加価値を求めるならG-SYNCがよいが、コスパを求めるならFreeSync液晶を利用するのがよいだろう。
残像感が出るケースも
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