やじうまミニレビュー

“ながら聴き”ができる骨伝導ヘッドフォン「AfterShokz Aeropex」

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
Aeropex

 AfterShokzの「Aeropex」は、7月末に発売されたBluetooth接続の骨伝導ヘッドフォンの最新モデル。価格は19,634円となっている。今回、台湾CyberMedia Communicationsの協力により1台入手できたので、簡単にレポートしたい。

 先日、このコーナーでIP68防水の骨伝導デジタル音楽プレーヤー「Xtrainerz」を紹介したのだが、Xtrainerzは単体で音楽を再生する機能を有している製品であるのに対し、AeropexはBluetoothで何らかのデバイスと接続して使用する。マイクの機能も備えているため、音楽を楽しむだけでなく、スマートフォンのヘッドセットとして利用可能だ。

 本製品のコンセプトは“ながら聴き”。骨伝導ヘッドフォンは耳の穴を塞ぐことがないため、周囲の環境音を聞くと同時に、音楽を楽しめるのがウリとなっている。仕事や家事、スポーツなど、周りの人の声や周囲の音にも注意を払わなければならない場合に、本製品は便利だと言える。

 実際試してみると、たしかに周囲の音は聞こえるのだが、ノリの良い音楽が鳴っていると注意がそっちに持っていかれるため、必ずしも周囲の音に注意を払えるわけではない印象。もっとも、これには個人差が存在するだろうし、鳴らす音楽をBGM的なものにする、音量を抑えるといった解決法もあるだろう。

 骨伝導で気になる振動と音漏れだ。本機は音量を半分より上にあげると、周波数によってはこめかみ付近が振動でむず痒くなり(とくに車のエンジン音など)、音漏れも電車内だと気になってくるレベル。もっとも、AfterShokzがウリとする“ながら聴き”を実現する中以下の音量ではそのような現象はない。

 Aeropexは、後発のXtrainerzにはない特徴として、ユニットが30度チルトアップして振動を抑える機構があるが、同一音量下で比較してみると、Aeropexのほうが確実に振動が少ないのがわかる。また、肌への接触面積もAeropexのほうが狭く、左右圧迫されている感じが薄い。26gの軽量さも手伝って、装着感は上々だ。

 音質面では、さすがにインナーイヤー型と比較すると低音がやや物足りない印象だが、骨伝導ヘッドフォンとしてはかなり高い水準にあり、音楽を楽しむ、通話をするには十分だ。アンテナの感度もよく、電車内での使用中に接続が途切れることはなかった。

 本機のネックは高い値付けだろう。2万円近いお金を出せば、音質が良いBluetoothヘッドフォンやイヤフォンが選び放題だ。もちろんAeropexはそういった製品の直接的なライバルになるわけではないし、骨伝導ヘッドフォンのなかでかなり優秀なのは間違いないのだが、どちらかと言えば“ながら聴き”に価値を見いだせるユーザー向けの製品だと言えるだろう。

製品パッケージ
なかなかのギミックで楽しい
USBケーブルが2本付属するため、職場と家で使い分け可能だ
ケーブルはマグネット式
バンドはかなり柔軟に折れ曲がるようになっており、つけ心地が良い