笠原一輝のユビキタス情報局
Copilot+ PC対応を巡る、CPU大手3社の三つ巴
2024年6月7日 16:35
COMPUTEX 2024での最大のテーマが「AI」であった。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、開幕2日前に行なった同社の基調講演で、3月に発表した次世代AI GPU「Blackwell」を再び紹介した。Armのレネ・ハースCEO、Qualcommのクリスチアーノ・アーモンCEOは、Arm版WindowsやSnapdragon Xシリーズ搭載Copilot+ PCについてアピール。そしてAMDのリサ・スーCEOとIntelのパット・ゲルシンガーCEOは、これからCopilot+ PCをサポートする新しいSoCとなる「Ryzen AI 300」、「Lunar Lake」のアピールを行なった。
それぞれの詳細は別記事をご参照いただくとして、本記事では、ASUSのブースでAMDのRyzen AI 300シリーズを搭載した「Copilot+ PC」の注意書きとして貼られていた「Free Upgrade to Copilot+ PC Experience when available」がどんなことを意味するのかについて解説したい。
実は、この表示こそ半導体メーカー3社(AMD、Intel、Qualcomm)が激しい競争を行なっているということを象徴する出来事だからだ。
COMPUTEX TAIPEI 2024の話題の中心はAI
AMD、Intel、NVIDIA、QualcommによるCOMPUTEX 2024の基調講演は、データセンターでのAIにフォーカスを当てたNVIDIAは別にすれば、AMD、Intel、Qualcomm3社ともにAI PCやCopilot+ PCがメインだ。QualcommにArm ISAのアーキテクチャライセンスを供給しているArmも、話題の中心はArm版Windowsだった。
この中でもたCopilot+ PCに最も焦点を当てていたのがQualcommだ。というのも、現時点ではSnapdragon Xシリーズ(X EliteとよびX Plus)だけが40TOPSのNPUを内蔵している要件を満たしており、6月18日に販売が開始される「Surface Pro」、「Surface Laptop」をはじめ、Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、SamsungといったグローバルOEMメーカーから販売されるCopilot+ PC製品もすべてSnapdragon Xだからだ。少なくとも6月18日の時点では一択だ。
「Free Upgrade to Copilot+」ってどういう意味?
それがCOMPUTEXで少し状況に変化が生じた。その震源は、AMDとIntelだ。
まずは6月3日に開催されたAMDのリサ・スーCEOの基調講演の中で、Strix Pointの開発コードネームとして呼ばれた次世代のノートPC向けCPUが、「Ryzen AI 300シリーズ」として発表した。
Ryzen AI 300シリーズの特徴は、50TOPSという現時点で発表されている製品の中で最高性能を持つNPUを搭載していること。「XDNA 2」と呼ばれるこのNPUは、もともとAMDが買収したXilinxの製品に搭載されていたNPUを発展させたもので、従来のRyzen 7040/8040に搭載されていた初代XDNAの10TOPS、16TOPSから大きく性能が引き上げられている。
AMDはRyzen AI 300を既にOEMメーカーに出荷しており、ASUSが搭載PCを7月に投入すると明らかにしている。実際、ASUSはAMDの基調講演後に記者会見を行ない、Ryzen AI 300搭載PCを発表している。
ASUSのRyzen AI 300搭載ノートPCだが、この記者会見の場にも、そしてCOMPUTEXのASUSブースでの展示にも「Free Upgrade to Copilot+ PC Experience when available」という注意書きが入っているのを見て、筆者が「おや? 」と思った。
AMDのRyzen AI 300のマーケティング担当であるRyzen AI 製品責任者 ラケシュ・アニグンディ氏にその点を問い正すと「7月の発売時点ではCopilot+ PCの機能は有効にはならない。将来どこかのタイミングでそれが有効になった段階で自動アップグレードが行なわれ利用できるようになる」と述べ、AMDがRyzen AI 300シリーズを発売しても、発売時点ではCopilot+ PCの機能は使えないという事実を明らかにした。
この事実によりはっきりしたのは、6月18日のCopilot+ PCが発売された時点で、提供されているであろうWindowsの最新版(24H2)には、実行環境になるWindows Copilot Runtimeをはじめ、Recall、Cocreator、Live CaptionsなどのMicrosoftのローカルAIアプリケーションは、Arm版しか含まれていないということだ。
将来どこかのアップデートのタイミングでx86版のWindows Copilot RuntimeやAIアプリケーションが提供開始されることになるが、それまでAMDのRyzen AI 300シリーズを搭載したノートPCを購入しても、強力なNPUを搭載したAI PCとしては活用できるが、Copilot+ PCの機能は利用できないわけだ。
ASUSで展示されていた製品を注意して見てみたが、デモされていたのはCopilot+ PCのアプリケーションではなく、一般的なAIアプリケーションだった。現状ではMicrosoftからそうしたx86版が提供されていないので、デモしようがないということだろう。
それに対して、Acerで展示されていたSnapdragon X Eliteを搭載したノートPCはCocreatorが搭載しており、Windows Copilot Runtimeが有効になっているのが見てとれた。
AMDはRyzen AI 300の前倒しを決断、ASUSも早期投入へ
さらに取材を進めると、どうも元々AMDのRyzen AI 300はかなりAMDが頑張って7月にOEMメーカーの出荷という形に前倒しにしたのだということが分かってきた。確かにRyzen AI 300シリーズは、2つのSKUだけとかなり限定された製品展開になっている。
しかもAMDのRyzen AI 300シリーズで7月に販売すると発表したのはASUSだけで、ほかのメーカーは発表したが参考展示のみ、あるいはAMDの基調講演で製品をチラ見せはしたものの、皆「Later this year」とだけ発表しているにとどまる。つまり、AMDが行なった前倒しに付き合うことにしたのはASUSだけで、ほかのメーカーは元々の予定通りにリリースすることにしたということだ。
ASUS側のメリットは、台湾という地元のインターナショナルなイベントで新製品として大々的に発表できること。逆にAMD側にとって、7月の時点でCopilot+ PCの機能は提供できないとはしても、ユーザーがCopilot+ PCを目当てにQualcommに逃げてしまうことを引き留められる。
さらに、このタイミングより後になると、第3四半期中とIntel自身がアナウンスしたLunar Lakeと同じようなタイミングになってしまい、アナウンスのインパクトが小さくなってしまう。そうしたASUS側のニーズと、AMDのニーズが合致して、7月に販売開始されるということになったということだ。
では、x86版のCopilot+ PC(のソフトウェア)はいつから提供開始されるのだろうか? 現時点では筆者も確実な時期は掴んでいないが、そのヒントは、Intelのアナウンスの中にあるかもしれない。IntelはLunar Lakeの正式発表は第3四半期中だとアナウンスしたが、搭載するシステムは年末商戦に出荷すると説明している。そうしたことに、アグレッシブなAMDと、やや保守的なIntelといういつも構図を考えると、x86版のCopilot+ PCの機能アップデートはそのあたりから提供開始されると考えるのが妥当ではないだろうか(あくまで筆者の推測に過ぎない、念のため)。
筆者の推測通りなら、x86版のCopilot+ PCが提供開始されるのは半年近く先になる。その意味で、フェアに言ってQualcommのリードは1カ月の類ではなく、年末までの少なくとも半年ということになる。
従って、Copilot+ PCをいち早く体験したいユーザーにとっては、安心してSnapdragon Xシリーズを搭載したCopilot+ PCを買っていい。その一方「そのうちCopilot+ PCが使えるようになればいいや」と考えるとユーザーには、Ryzen AI 300搭載モデルや、Lunar Lakeを待つのもありだろう。
筆者の偽らざる感想は、本当にQualcommがSnapdragon Xシリーズを出してくれたおかげで、競争が激化してノートPCのSoC選択の幅は広がったなということだ。そのことはエンドユーザーの1人としてシンプルに歓迎して良いのではと感じた。
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