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Lunar Lake搭載PCが次々登場。Copilot+ PCのx86対応は11月に開始

Microsoft Windows・デバイス担当 執行役員 パヴァン・ダブルリ氏がCore Ultra シリーズ2を搭載したCopilot+ PCの提供開始は11月に

 Intelは、9月3日(現地時間)にドイツ共和国ベルリン市のホテルにおいて、同社が開発コードネームLunar Lakeで開発してきた次世代ノートPC向けSoC「Core Ultra シリーズ2」を正式発表し、SKU構成とそのスペック、性能などを明らかにした。

 この中でIntelは、Dell、HP、LenovoといったOEMパートナーや、GoogleやMicrosoftなどのOSパートナーを壇上に呼び、それぞれのOEMメーカーによるLunar Lake搭載製品を紹介し、OSパートナーのLunar Lake対応状況などに関して説明した。

Lenovoは2日後の会見での製品発表予定と明らかにし、DellとHPは発表前の搭載製品をチラ見せ

Core Ultra シリーズ2を掲げるIntel 上級副社長 兼 クライアントビジネス事業部 事業部長 ジム・ジョンソン氏

 今回の発表会で正式に発表されたCore Ultra シリーズ2の詳細なSKU構成、またその性能などに関しては別記事に詳しいのでそちらをご参照いただきたい。

 発表会ではそうしたIntelの発表内容のほか、Dell、HP、Lenovoといったグローバルにトップ3のOEMメーカー、さらにはChromebookを提供するGoogle、Windowsを提供するMicrosoftといったOSパートナーの関係者が参加し、それぞれCore Ultra シリーズ2を搭載した製品の計画や、OSのサポート状況などに関しての説明を行なった。

Lenovo インテリジェントデバイス事業本部 事業本部長 ルカ・ロッシ氏

 この中でLenovo インテリジェントデバイス事業本部 事業本部長 ルカ・ロッシ氏は「Lunar Lakeは革新的な製品で、LenovoはThinkPad、ThinkBook、Yogaなどさまざまな製品群に採用を計画している。9月5日にここベルリンで行なう予定の記者会見をぜひ楽しみにしてほしい」と各製品を発表する計画を明らかにした。

Intel 上級副社長 兼 クライアントコンピューティング事業本部 事業本部長のミッシェル・ジョンストン・ホルトス氏(右)とDell Technologies クライアントソリューション事業本部 事業本部長 サム・バード氏(左)
Core Ultra シリーズ2搭載Dell XPS 13

 また、Dell Technologies クライアントソリューション事業本部 事業本部長 サム・バード氏はCore Ultra シリーズ2を搭載したXPS 13を公開した。その外観は、現在Core Ultra シリーズ1やSnapdragon X Eliteなどを搭載しているXPS 13と同じ筐体に見え、従来と同じくキーボードの6列目はタッチで、手前のタッチパッドはパームレストとの段差などがないクリーンなデザインが踏襲されていた。

Intel 上級副社長 兼 クライアントコンピューティング事業本部 事業本部長のミッシェル・ジョンストン・ホルトス氏(右)とHP パーソナルシステム事業本部 事業本部長 アレックス・チョー氏(左)。チョー氏が手に持つのがOmniBookのCore Ultra搭載版

 HP パーソナルシステム事業本部 事業本部長 アレックス・チョー氏は同社が計画しているCore Ultraシリーズ2を搭載した「OmniBook」を公開した。また、チョー氏は企業向け製品にもCore Ultra シリーズ2を採用する計画があると説明した。Intel 上級副社長 兼 クライアントコンピューティング事業本部 事業本部長のミッシェル・ジョンストン・ホルトス氏は「今回発表されたCore Ultraは一般消費者向けとなる。ビジネス向けのvPro版などは来年初頭になる計画だ」とした。

今回の発表は一般消費者向けのCore Ultra シリーズ2のみ、ビジネス向けのvPro版は来年初頭にリリース予定

Core Ultra シリーズ2のCopilot+ PC対応は11月だとMicrosoftが明らかに

Copilot+ PCとCore Ultraについて説明するMicrosoft Windows・デバイス担当 執行役員 パヴァン・ダブルリ氏

 今回の発表会では、Microsoft Windows・デバイス担当 執行役員 パヴァン・ダブルリ氏がステージに登壇し「Core Ultra シリーズ2により実現されるCopilot+ PCは、11月から提供開始する計画だ」と述べ、MicrosoftのCopilot+ PCのIntelプラットフォームでの対応時期が明らかにされた。

 Copilot+ PCは、40TOPSのNPUを搭載していることがハードウェア上の要件になっていたため、発表当初にその要件を満たしていたQualcomm Snapdragon Xシリーズのみが製品に搭載され6月に発売されている。

 7月には50TOPSのAMDのRyzen AI 300シリーズ、そして今回9月24日からLunar Lakeが発売され、いずれもCopilot+ PCの要件を満たしてはいるものの、MicrosoftのCopilot+ PCのx86版対応のソフトウェアアップデートが提供できるまで利用できないことがCOMPUTEX 2024のタイミングで明らかになっている。

 COMPUTEXの時点ではそのCopilot+ PCのx86版提供時期に関して、AMDも、Intelも、Microsoftも具体的な時期を明らかにしていなかったが、それが今回11月だと明確化された形になる。

 なお、今回はIntelの発表会であるため、MicrosoftはAMDのRyzen AI 300のCopilot+ PCへの対応時期を明らかにしなかったが、その後Microsoftが発表したブログによれば、11月のCopilot+ PCのx86対応にはAMDのRyzen AI 300も対象になると明記されており、Ryzen AI 300のユーザーも11月にはCopilot+ PCを利用することが可能になりそうだ。

 ただし、Recallに関してはまずArm版が10月に導入することは既に発表されている通りだが、x86版のRecallがどうなるかは今回の発表では明らかにされていない。

【11時訂正】記事初出時、写真の順番に誤りがございました。お詫びして修正します。