笠原一輝のユビキタス情報局
1kg切りで最高峰の性能を実現した「VAIO Z」。Apple M1や第11世代Core i7と性能比較
2021年2月18日 13:00
VAIO株式会社の新フラグシップ薄型ノートPC「VAIO Z」が正式に発表された。VAIO Zのスペックなどについては別記事を参照いただくとして、本記事ではその要となる「ハイパフォーマンス」の部分について解説していきたい。
VAIO Zの特徴は、一般的な薄型ノートPCに採用されているUP3の第11世代Coreよりも高性能なCPU(H35)を採用しながら、最小で約958gと1kg以下の軽量さ、最大34時間(JEITA 測定法 2.0)の長時間バッテリ駆動、14型狭額縁の底面積を実現した薄型ノートPCを実現していることにある。
本記事では、VAIO Zがそれらを可能にした理由や性能について、ベンチマークなどで確認していきたい。
2015年~2017年登場の前VAIO ZはTDP 28WのCPUを採用していた
今回発表された「VAIO Z(VJZ141)」は、2015年2月に発売VAIO Z(VJZ13Aシリーズ、翌年にCPU強化版のVJZ13Bおよびクラムシェル型のVJZ131が登場)の後継となる製品だ。
VAIOにとって「Z」というブランド名は、ソニー時代から一貫して、フラグシップのハイパフォーマンスモデルという位置づけになっている。
ソニーの頃のVAIO Zは、薄型ノートPC向けのCPUがデュアルコアしかなかった時代に、IntelがゲーミングPC向けに用意していたTDP 35WのクアッドコアCPUを搭載するなど、「え~そんなのあり!?」という禁じ手で高性能を実現した製品だった。
2014年にVAIOがソニーから独立し、PC専業メーカーとなってから最初のVAIO Z(VJZ13A)でも、それは変わらなかった。2015年の2月に発表されたVAIO Zは、液晶ディスプレイの中央部が起点になって回転することでタブレット形状にもなるというフリップヒンジを備えた2in1で、約1.34kgという軽量さを実現しながら、CPUにはTDP 28Wの第5世代Coreプロセッサ(Broadwell-U)を採用していた。
この当時の薄型ノートPCに採用されていた第5世代CoreプロセッサはTDP 15Wが標準で、TDP 28Wの製品はゲーミングPCなどの特別用途という扱いだった。それをTDP 15WのCPUと同じシャシーに入れているというのが、2015年のVAIO Zの特徴だった。
2016年には第6世代Coreプロセッサ(同じくTDP 28W)を搭載したVAIO Zが発売された。このVAIO Zでは2in1に加えて、フリップヒンジが省略されたクラムシェルモデルが追加されたが、2017年には生産中止となり、その後は「Z」を冠したモデルが販売されることはなかった。
それから約4年を経て、今回蘇ったのがVJZ141系の型番がつけられた新しいVAIO Zとなる。
新VAIO Zの「H35」はTDPを35Wに高めた高性能バージョン
新しいVAIO Zの最大の特徴は、CPUに第11世代Coreプロセッサの「H35」を搭載していることだ。現時点で正式にリリースされている第11世代Coreプロセッサには、「UP3」、「UP4」、「H35」という3つの種類がある。
UP3、UP4はパッケージの名前で、H35はTDP 35Wの35から来ているという一貫性のないネーミングルールのため、その違いがよくわからないという人も多いだろう。その違いをわかりやすくしたものが上の図になる。
UP3、UP4、H35のいずれも、CPUとPCH(Platform Controller Hub)が1つのパッケージに封入されているSoCになっている。
ただし、UP4はBGA1598(18.5×26.5mm)というやや小さめのパッケージになっているのに対して、UP3とH35は共通のBGA1449(25×45.5mm)が採用されている。このため、UP4はタブレットや超薄型ノートPC向けで、UP3とH35は薄型ノートPC向けと位置づけられている。
そうしたパッケージを除けば、3つのラインナップの大きな差はTDPの枠だ。UP4が7~15W、UP3が12~28W、H35が28~35Wと定義されている。ノートPCメーカーはこの枠内であれば、TDPを好きに設定することが可能となっている。
上の図からわかるように、H35というのは結局のところ、より高いTDPの枠を持ったUP3と言い換えても良いだろう。TDPの枠が広がるということは、CPUに供給できる電力が増えるということで、CPUをより高クロックで動かせるようになる。
UP3の最上位モデルのCore i7-1185G7や、多くの第11世代Core搭載ノートPCに採用されているCore i7-1165G7、そしてH35の最上位モデルCore i7-11375H(VAIO ZではCTOで選択可能)のスペックを比較してみると以下のようになる。
Core i7-11375H | Core i7-1185G7 | Core i7-1186G7 | |
---|---|---|---|
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 | 4/8 |
L3キャッシュ | 12MB | 12MB | 12MB |
メモリ | DDR4-3200/LPDDR4x-4267 | DDR4-3200/LPDDR4x-4267 | DDR4-3200/LPDDR4x-4267 |
オペレーティングレンジ | 28~35W | 12~28W | 12~28W |
ベースクロック(TDPup) | 3.3GHz/35W | 3GHz/28W | 2.8GHz/28W |
ベースクロック(TDPdown) | 3GHz/28W | 1.2GHz/12W | 1.2GHz/12W |
最大Turbo周波数(シングルコア時) | 5GHz | 4.8GHz | 4.7GHz |
最大Turbo周波数(2コア時) | 4.8GHz | 4.8GHz | 4.7GHz |
最大Turbo周波数(4コア時) | 4.3GHz | 4.3GHz | 4.1GHz |
GPU | Iris Xe(96EU) | Iris Xe(96EU) | Iris Xe(96EU) |
GPU最大クロック | 1.35GHz | 1.35GHz | 1.3GHz |
これを見てわかることは、Core i7-11375Hの特徴は、CPUのベースクロック(TDP up設定時)が3.3GHzと高く、シングルコア時に5GHzに達するという点にあると言える。前者は高負荷時の性能に、後者はOSやアプリケーションの起動などに効いてくる。
なお、GPUに関してはCore i7-11375HはCore i7-1185G7と同じスペックで、Core i7-1165G7に比べると500MHzほど最大クロックが高めに設定されているという違いがある。
新VAIO ZはTDP 64Wにも対応可能な放熱設計
通常の1kg以下の薄型ノートPCでは、Core i7-1165GやCore i7-1185G7のようなUP3のCPUが採用されているが、今回のVAIO ZではH35が搭載されている。どうしてそんなことが可能なのだろうか?
VAIO株式会社 PC事業本部 エンジニアリング統括部デバイスエンジニアリンググループ プロジェクトリーダー課 プロジェクトリーダー 古川恵一氏によれば、そもそもこの新しいVAIO Zの設計をはじめた段階では、UP3のCPU(Core i7-1165G7など)を利用して、製品を設計する予定だったという。
「しかし、設計の途中でIntelからH35という製品がロードマップにあるという説明を受けた。その結果、どうせやるならH35だろうということになった」(古川氏)という。もっとも、すでに説明したとおり、UP3とH35はパッケージがまったく同じなので、熱設計の枠を引き上げさえすれば対応は可能だ。
重要なことは、その「熱設計の枠を引き上げる」という点にある。熱設計の枠を引き上げるということは、より多くの熱を放熱する必要があるため、放熱機構の性能を高めなければならない。そのためには、ヒートパイプやファンを強化する必要があるが、そうすると当然重量が増えてしまい、1kgを切るような軽量さを実現するのが難しくなる。
しかし、VAIO株式会社 PC事業本部 エンジニアリング統括部 システム設計課 エレクトリカルマネージャー 板倉功周氏によれば今回のVAIO Zの熱設計は当初から「TDPが64Wでも放熱できるような放熱機構を備えている」とのことで、35Wに対応するどころか、それにプラス29Wの余裕があるように設計していたという。
そうした余裕を見越した設計をしている理由は、IntelならTurbo Boost Technologyといったターボ機能が備わっているためだ。
現代のCPUはほとんどの時間において、TDPの設計で稼働保証されているクロック周波数(ベースクロック)よりも高いクロック周波数で動いている。
たとえば、Core i7-11375Hは、TDP 35W設計時のベースクロックは3.3GHzだが、実際にはそれ以上のクロック周波数で動き続けており、ターボ時の最大クロック周波数のほかに、ベースクロックの間で冷却に余裕があるかぎりはその範囲内でできるだけ高いクロック周波数で動作しつ続けるという挙動を見せる。
これは、PCメーカーができるだけ高い放熱性能を持つ熱設計を施せば施すほど、PCの全体の性能が上がるという仕組みだ。
この仕組みをもう少し詳しく説明しよう。
PCメーカーはこのターボ時のCPUの動作について、PL1(Power Limit 1)、PL2(Power Limit 2)という2つのパラメータをCPUのレジスタにセットすることで調整している。
簡単に言うと、PL1というのは最悪このクロック周波数で動くということを示す消費電力で、PL2はターボブースト時の最大クロック周波数での消費電力ということになる。
たとえば、Core i7-11375Hでは、ベースクロックは3.3GHzになるので、PL1は3.3GHzで動くときの消費電力。PL2はシングルコア時5GHz、クアッドコア時4.3GHzの消費電力ということになる。
できるだけPL2(64W)にとどまる熱設計により、UP3よりも高いクロックで動作し続ける
板倉氏によれば、「今回のVAIO ZではPL2でできるだけとどまるように設計し、CPUの温度だけでなく、表面温度やファンの騒音なども加味して動作させている」とのことだ。
この動作は「VAIOの設定」という設定ツールの「CPUとファン」という項目で設定できる。ここで「パフォーマンス優先」に設定にしておくと、できるだけ高いPL2でとどまるようになるという(Windows 10の電源モードのスライダーは影響しないとのこと)。
この状態にしてHWiNFO64で動作を確認すると、PL2が64Wになっているのはいいとして、PL1も64Wになっていた。つまり、CPUに対して「あとは放熱機構でなんとかするから、できるだけ高いクロックでとどまって!」といった指令を出していることになる。
ただ、ずっと5GHz(シングルコア時)、4.3GHz(クアッドコア時)にとどまれるかと言えばそうではない。あくまでターボ時の最大クロック周波数を保てるのは、最初の数十秒~数分のうちだけだ。なぜかと言えば、ターボ時の最大周波数は筐体が暖まってくると、維持するのが難しいからだ。
実際にCore i7-11375Hを搭載したVAIO ZでCinebench R23(マルチスレッド、10分間)を実行してみると、CPUに負荷がかかりはじめた当初は4.29GHzで動作しているが、じょじょに4GHz前後に落ち着き、さらに後半には3.8GHz前後に落ち着いていく。
同じテストをCore i7-1185G7を搭載した薄型ノートPCで行なうと、負荷をかけはじめたときには4GHzあたりで動作し、じょじょに3.6GHzあたりに落ち着くことになる。図にしたようにおおむね300MHz~400MHz程度はVAIO Zのほうが常時高いクロック周波数で動いており、それが後述するベンチマークテストにおいて、性能差として現われてくると言えるだろう。
なお、このVAIO Zの放熱機構だが、Core i7モデルは75gで、Core i5モデルでは60gと重量が異なっている。Core i7用のほうが重いのは、それだけ放熱性能を高める必要があるからだ。現代のノートPCの性能が放熱設計に大きく左右されることを考えると、仮にVAIO Zをカスタマイズして購入(CTO)しようと考えている場合には、冷却能力の高いCore i7のモデルを購入するのが正解だと言える。
H35のGPUはUP3と同等だがCPU性能は大きく向上
こうしたスペックの違いを把握した上で、VAIO Zに搭載されているCore i7-11375H(TDP 35W)の性能を見ていこう。比較用にCore i7-1185G7(TDP 28W)、Core i7-1165G7(TDP 28W)、1世代前の第10世代Core i7-1065G7を用意した。
なお、参考までにCinebench R23とGFXbench 5.0.0に関しては、macOS Big Sur版が用意されているので、13型MacBook Proに搭載されているApple M1のスコアも入れておいた。なお、いずれのシステムでも電力設定は、そのシステムが最大限性能を発揮できるものにしてある。
CPU | Core i7-11375H(VAIO Z) | Core i7-1185G7 | Core i7-1165G7 | Core i7-1065G7 | M1 |
---|---|---|---|---|---|
メモリ | 32GB(LPDDR4x-4267) | 16GB(LPDDR4x-4267) | 16GB(LPDDR4x-4267) | 16GB(LPDDR4x-3733) | 16GB(LPDDR4x-4267) |
ストレージ | 256GB NVMe SSD(PCIe 4.0) | 512GB NVMe SSD(PCIe 4.0) | 512GB NVMe SSD(PCIe 3.0) | 512GB NVMe SSD(PCIe 3.0) | 256GB SSD(スペック不明) |
ストレージの製品名 | Samsung PM9A1/MZVL2256HCHQ-00B00 | Phison Electronics PS5016 | WD SN750 | Hynix HFB1M8MH331C0MR | 不明 |
OS | Windows 10 Pro | Windows 10 Pro | Windows 10 Home | Windows 10 Pro | macOS Big Sur |
Cinebench R23は、Maxon Computerが配布しているベンチマーク。3DグラフィックスをCPUでレンダリングするのにかかった時間で、CPUの性能を計測する。
VAIO Zに搭載されているCore i7-11375Hは、ほかの第11世代Coreや第10世代Coreを圧倒している。また、TDP 28WのCore i7-1185G7とApple M1のマルチスレッドでの差は30%だったのに対して、VAIO ZのCore i7-11375Hは17%と差が小さくなっている。
逆にシングルスレッドではVAIO ZのCore i7-11375HがM1を上回っている。アプリケーションの起動などはほとんどがシングルスレッドで実行されるので、ユーザビリティに大きな影響を与えると。有り体に言えば「よりストレスなく使うことができる」ということだ。
グラフィックス系のベンチマークでわかったことは、GPUに関してはVAIO ZのCore i7-11375Hは、Core i7-1185G7やCore i7-1165G7と比較してあまり差がないということだ。
実際スペック上でも、Core i7-11375HとCore i7-1185G7は同じ最大1.35GHz、Core i7-1165G7は最大1.3GHzと大きな差はない。
つまり、VAIO ZのTDP 64Wにも対応できるような熱設計は、GPUに関しては大きな効果はないと言えるだろう。GPUの性能はUP3のCore i7とほぼ同じということになる。
ただ、第11世代CoreのGPU性能は大きく引き上げられており、第10世代CoreのCore i7-1065G7との差は非常に大きい(テストによっては倍近くになっている)。
その傾向が顕著なのはFINAL FANTASY XV BENCHMARKの結果で、第11世代Coreの3製品は1080p軽量品質で3,000台で、システム評価は「普通」という指標だが、第10世代Coreは「重い」という評価でスコアは2,000にも届いていない。このことを考えると、ゲームもやりたいと思うなら第11世代Coreの内蔵GPUは大きな意味があると言える。
CrystalDiskMarkはもちろんストレージの性能するテストなので、基本的にはCPU性能を測っているのではなく、SSDの性能を測っている。したがって、それぞれ搭載されているSSDの違いだと考えていただきたい。どのSSDを使っているかは表2で示したとおりだ。
VAIO Zに搭載されているSSDはPCI Express 4.0に対応したSamsungのPM9A1で、コンシューマ向けには980 Proとして販売されている製品のOEM向け版となる。今回筆者がテストした個体には256GBのMZVL2256HCHQが搭載されており、シーケンシャルリードが6,400MB/s、シーケンシャルライトが2,700MB/sというスペックになっている。結果を見れば、その性能は一目瞭然でとにかく速い。
Core i7-1185G7のマシンに搭載されていたPhison Electronics PS5016(512GB)もPCI Express 4.0に対応しているのだが、VAIO Zとの差は歴然としている。こうしたSSDの高速さは、OSやアプリケーションの起動時間の削減につながり、PC利用時のストレス削減につながるので、うれしいところだと言える。
最後にPCMark10だが、こちらはCPUの性能差がしっかり結果に表われている。おもしろいのはUP3のCore i7はSKUによる違いがほとんどないのに対して、H35のVAIO ZのCore i7-11375Hは、それら2つに対して差をつけている。実際のユーザーの環境でもこうした性能差は実感可能だろう。
1kg切りの薄型ノートPCでは間違いなく最速
タイムイズマネーなビジネスパーソンなら最高の選択肢
このように、TDP 35WのCore i7-11375Hを採用し、かつTDP 64W相当の熱設計が施されているVAIO Zは、UP3の第11世代Coreを搭載した製品とは明確な性能差があると言えるだろう。そのため、現時点では1kg以下のモバイルノートとして、最高性能を発揮する製品だと結論づけていいと思う。
「高性能だからバッテリ駆動時間は短いのでしょう?」と懸念する方がいると思うが、それは心配ない。VAIO Zのカタログスペックでは、JEITA測定法 2.0で、ディスプレイが4K(3,840×2,160ドット)の場合には17時間、フルHD(1,920×1,080ドット)の場合には34時間という長時間駆動が可能だからだ。
もちろん実際のユーザーの利用法から乖離している測定方法なので、実環境では実現できないだろうが、筆者の経験上、JEITA測定法 2.0のだいたい5~6割程度が実利用時間というイメージだ。そのため、4Kなら8時間、フルHDなら17時間くらいの利用が可能と考えることができる。
なぜ高性能と長時間バッテリ駆動という相反する動作を実現できるのかと言えば、現代のCPUはさまざまな省電力技術を搭載しており、たくさん電力を供給すれば高い性能で動かすことができるし、逆にあまり電力を供給しない設定にすれば、それなりの性能で動かすことができるからだ。
したがって、バッテリ駆動時にはAC駆動時と同じ性能ではなくなるものの、長時間駆動できるというわけだ。個人的には17時間もバッテリで動くのなら、家を出て取材先に行って、外で記事を書いて、家に帰って来てもまだ使えるので、本当の「オールデーバッテリ」が実現される日が来たのだなと思う。それにしても、ディスプレイが違うだけで、これだけの駆動時間の違いが出ることを考えると、4Kの消費電力恐るべしだ……。
このように、CPUやストレージなどの性能に関しては、薄型ノートPCのなかでは最高速であり、バッテリ駆動時間に関してもフルHDモデルならJEITA測定法 2.0で34時間と超長時間駆動が可能と、性能に関しては文句の付けようがない。ただ、1つだけ「物言い」をつけるとすれば、その価格だろう。
個人向けモデルのCore i7-11370H/16GBメモリ/512GB SSD/4Kディスプレイとなるモデルの想定価格は39万9,800円、Core i7-11370H/16GBメモリ/512GB SSD/フルHDディスプレイだと32万9,800円、Core i5-11300H/16GBメモリ/512GB SSD/フルHDディスプレイでは30万9,800円となっている。
同クラスのCore i7-1165G7/16GBメモリ/512GB SSD/4KないしはフルHDという製品と比較すると、10万円程度は高くなっている。
このため、評価はその価格をどう考えるか次第だろう。筆者のようにコンテンツを作成するクリエイターや記者などにとっては「タイムイズマネー」で、より性能の高いPCで少しでも作業時間を短縮できれば、それだけほかの仕事ができる。そう考えれば10万円はすぐに取り返せるし、ビジネスパーソンもそれは同じだろう。少しでも快適に作業ができれば、仕事を早く終えて時間を余暇に回すことだってできる。
筆者のように仕事の効率が自分の収入に跳ね返ってくる自営業者、あるいは少しでも高性能なPCをモバイル環境でも使いたいというタイムイズマネーなビジネスパーソンであれば、今回のVAIO Zはまさに一番最初に検討すべき製品になるのではないだろうか