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macOS Sonamaで大幅進化!Macの「アクセシビリティ」の新機能をくまなくチェック

 あらゆる人がMacを快適に使うための「アクセシビリティ」機能がmacOS Sonomaで大きく進化しました。一部のアプリのテキストサイズを一括変更できるようになったり、ディスプレイごとに個別にズームレベルを調整できたり、言いたいことをタイプ入力して会話で読み上げさせたりなど、画期的な機能が搭載されています。ここでは、macOS Sonamaに搭載されたアクセシビリティの新機能をまるっと紹介していきます。

主なアクセシビリティ機能の設定は「システム設定」のサイドバーから[アクセシビリティ]を選択して行ないます。[視覚][聴覚][動作][スピーチ][一般]のカテゴリごとに詳細な設定項目が用意されています

1つの場所でアプリのテキストサイズを一括変換

 macOS Sonomaのアクセシビリティの新機能でまず紹介したいのが、テキストサイズの変更機能です。「システム設定」を起動して[アクセシビリティ]→[ディスプレイ]→[テキストサイズ]をクリックしてみましょう。

 するとテキストサイズの変更画面が表示され、スライダを左右に動かすことで「Finder」「カレンダー」「メール」「メッセージ」「メモ」という5つの標準アプリのテキストサイズを一括変更できます。

 macOSの多くの標準アプリでは[表示]メニューから[拡大]や[縮小]を選ぶことで個別にテキストサイズを変更できますが、この5つの標準アプリに関してはシステム設定の1つの場所で一度に変更することが可能になったのです。

 また、5つの標準アプリにはそれぞれプルダウンメニューが用意されており、一括変更を行なうか、それともアプリ個別で設定するかも選べるようになっています。

[アクセシビリティ]の[視覚]カテゴリにある[ディスプレイ]から[テキストサイズ]をクリックします
テキストサイズの変更画面が表示されます。上部にあるスライダを左右に動かすと、5つのアプリのテキストサイズを最小9ptから最大42ptの間で一括変更できます
5つのアプリが起動した状態であれば、スライドを動作させたときにテキストサイズの変更がリアルタイムに反映されます
5つのアプリにはプルダウンメニューが用意されています。ここで[指定したサイズ]が選択されている場合は、上部のスライダを動かして設定したサイズが適用されます。また、個別にテキストサイズを指定することも可能です。なお、[デフォルト]の場合は、各アプリの設定画面で指定したテキストサイズが適用されます

テキストを音声に変換する「ライブスピーチ」

 macOS Sonomaでは、新たに「ライブスピーチ」と呼ばれるアクセシビリティ機能が搭載されています。話したい内容をタイプ入力すると、Macがそれを音声で読み上げてくれる機能です。対面での会話やFaceTimeによるビデオ通話でのコミュニケーションをサポートしてくれます。

 また、会話でよく使う挨拶や返事などのフレーズを保存しておけば、タイプ入力することなくすぐにライブスピーチで読み上げることもできます。読み上げる際の日本語の音声は、男性の「Hattori」や「Otoya」、女性の「O-Ren」や「Kyoko」などから選べ、読み上げ速度を調整することも可能です。

 なお、現時点で日本語には非対応ですが、英語などの一部言語では自分の声を使ってライブスピーチ機能を利用できる「パーソナルボイス」も新たに搭載されています。

[アクセシビリティ]の[スピーチ]カテゴリにある[ライブスピーチ]を選択して、[ライブスピーチ]脇のボタンをオンにします
テキスト入力欄が表示されます。ここに話したい内容をタイプして再生ボタンをクリックすると、Macが音声で読み上げます
読み上げに利用する声は、[声]の項目からシステム標準以外の声に変更できます。[声を管理]をクリックすると拡張音声のセットをダウンロードして追加できます
[保存された語句]の[+]ボタンをクリックすると、よく利用するフレーズを自由に追加できます。ライブスピーチの保存アイコンをクリックすると登録したテキストがメニューで表示され、タイプなしに読み上げられます
Apple Silicon搭載のMacでは、[スピーチ]カテゴリに[パーソナルボイス]が追加されています。[パーソナルボイスを作成]から、自分の声で読み上げ音声を録音できます(日本語非対応)

読み上げ音声のピッチを変更

 macOSには、選択したテキストや通知を読み上げる「読み上げコンテンツ」の機能のほか、画面上の操作メニューやボタンを読み上げる「VoiceOver」が搭載されています。この際に利用する音声として「Kyoko」や「Otoya」「Hattori」「O-Ren」などが選べますが、macOS Sonomaでは新たにそれぞれの声のピッチ(高低)を変更できるようになっています。

読み上げコンテンツの音声の変更は、[視覚]カテゴリの[読み上げコンテンツ]→[システムの声]から行なえます。[声を管理]をクリックすると利用できる音声が表示され、[i]ボタンをクリックするとそれぞれの音声のピッチを設定できます
[視覚]カテゴリの[VoiceOver]から[VoiceOverユーティリティ]と辿り、[スピーチ]をクリックすると、VoiceOverの音声を変更することができます
ここで[編集]ボタンをクリックすると、選択した音声に対して声のピッチなどの変更が行なえます

ディスプレイごとのズームレベルが設定可能に

 macOSの「アクセシビリティ」の[視覚]カテゴリには[ズーム機能]が用意されています。このズーム機能を利用すると、キーボードショートカットを使ったり、マウスやトラックパッドでスクロールしたり、トラックパッドでタップしたりすることでMacの画面を拡大/縮小することができます。

 Macの画面上にある項目が小さくて見えにくいとき、またはプレゼンなどをしていて聴衆に一部分を拡大して表示したいときに利用すると便利です。macOS Sonomaでは、Macに外付けディスプレイを接続してしているときに、ディスプレイごとに個別にズーム倍率(拡大率)を調整することができるようになっています。

[視覚]カテゴリの[ズーム機能]では、ズーム機能を利用する方法を選択できます。[ズーム方法]からはズームしたときの表示方法を[フルスクリーン][分割した画面に表示][ピクチャインピクチャ]から選択できます
写真ではやや分かりにくいかもしれませんが、Macの内蔵ディスプレイと外付けディスプレイ(Sidecarで接続したiPadでも可)でズーム機能を利用したときに、ディスプレイごとに個別にズーム倍率を変更できます

アニメーション画像を自動的に一時停止

 これまでのMacのSafariや「メッセージ」アプリでは、GIFなどのアニメーション画像が表示されると自動で再生が開始されました。しかし、macOS Sonomaではこれらのアニメーションの自動再生を一時停止した状態で表示するように設定を変更できます。

 Webアクセシビリティの観点では、ユーザーの操作に応じて再生操作を選択できるように配慮することが望ましいため、これはとても素晴らしい改良と言えるでしょう。

[視覚]カテゴリの[ディスプレイ]で[アニメーション画像自動再生]のボタンをオフにすると、Safariやメッセージで表示されるアニメーションの再生が一時停止された状態で表示されます

補聴器の聞こえやすさが改善

 macOS Sonomaでは、音声の聞こえにくさをサポートするアクセシビリティ機能にもアップデートが施されました。具体的には、「Made for iPhone」対応の補聴器や人工内耳をMacとペアリングできるようになり、周囲の音に合わせて聞こえやすさを調整できるようになっています。

 なお、この機能はMacBook Pro(14インチ、2021)、MacBook Pro(16インチ、2021)、Mac Studio(2022)、M2チップを搭載したMacで利用できます。

「Made for iPhone」対応の補聴器の中で、Macに対応しているモデルはAppleのサポートサイトで確認できます

音声コントロールのガイドが追加

 Macではキーボードやトラックパッドなどによる操作が困難な人のために、音声コマンドによる操作方法が用意されています。しかし、特殊な操作方法であるため、初めて利用する際には操作や設定に戸惑うことがあるでしょう。

 そこでmacOS Sonomaでは、この音声コントロールの使い方に慣れるためのインタラクティブなガイドが用意されています。ステップごとのチュートリアルを見ながら、音声コマンドの基本操作やオーバーレイ表示の選択方法、音声入力の方法などが学べます。

[動作]カテゴリの[音声コントロール]で[ガイドを開く]をクリックすると、音声コントロールの操作方法の学習と練習ができるメニューが表示されます