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Macの意外と便利な「メモ」がさらに高機能化!

 macOS Sonomaの「メモ」アプリには、ユーザーの使い勝手を向上させる新機能が多数搭載されています。中でも、メモ内に挿入したPDFの中身を直接見ることのできるインライン表示やメモ同士のリンク機能は、多くの人に実用的なメリットをもたらすでしょう。また、新たな「ブロック引用」や「等幅」フォーマットの変更などによって表現の幅が広がったほか、Pagesへのエクスポート機能なども搭載されています。ここではそんな「メモ」の新機能を1つずつ紹介していきます。

macOS Sonomaの「メモ」アプリには新たな機能が多数搭載され、ますます頼りになるツールへと進化しました

メモ内でPDFをインライン表示可能に

 macOS Sonomaの「メモ」アプリの新機能でまず注目したいのが、PDFのインライン表示です。

 従来、メモに挿入されたPDFは添付ファイルのようにアイコンで示され、ページの中身を確認するにはPDFを選択してクイックルックしたり、「プレピュー」アプリで開いたりする必要がありました。

 しかし、macOS SonomaではPDFのインライン表示が可能となり、メモ内でPDFの中身を直接確認することができます。複数ページにわたるPDFは左右にスクロールして表示できるほか、それぞれのページのサムネイルをクリックして該当ページに素早く移動することが可能です。

 また、インライン表示されたPDF内のテキストを選択/コピーしたり、重要な箇所にハイライトを追加したり、マークアップツールを使用して注釈を入れたりすることもできます。

 このようにメモ内でPDFのインライン表示ができるようになったことで、たとえば同じメモ内でPDFを見ながらメモを取ったり、メモを取った箇所をPDFで確認したり、複数のPDFを並べて内容を比較したりすることができます。

macOS Sonomaの「メモ」にPDFを挿入するとアイコンではなく、中身がしっかりと確認できる形でインライン表示されます
PDF右上にある[サムネイルを表示]をクリックすると上部にサムネイルが表示され、クリックしてページを切り替えられます
PDFの表示サイズは[大][中][小]の3種類から選べます。挿入した直後は[大]表示となります
[小]表示にすると、従来と同じようなアイコン表示になります
PDF内のテキストはドラッグして選択し、[command]キー+[C]キーなどのキーボードショートカットでコピーできます
文字列を選択したあとに[control]キー+クリックでコンテキストメニューを開き、[ハイライト]を選択するとマーカーを引いたような強調表示になります
サムネイルはドラッグして順番を入れ替えられます。表示がおかしくなってしまった場合は、「メモ」アプリを再起動してみましょう
ファイル名の横にあるメニューから[マークアップ]を選択すると、PDFの注釈機能が利用できます。線や図形、文字などを書き入れたいときに活用しましょう

メモ内に別のメモへのリンクを埋め込める

 macOS Sonomaの「メモ」アプリで次に注目したいのが、メモ同士のリンク機能です。WebサイトやWikipediaのハイパーリンクのように、メモ内の任意の文字列やメモ自体を別のメモへリンクすることが可能になりました。

 リンクの追加方法は主に2つあります。1つ目は、文字列を選択後に[編集]メニューから[リンクを追加]を選んでリンク先のメモを指定する方法。2つ目は、メモ内のどこかに[>>]と入力して、リンク先のメモを指定する方法です。どちらの方法も直感的に操作できます。

 このリンク機能により、複数のメモを有機的に連携させることができます。単に関連性のあるメモ同士を相互にリンクするだけではなく、たとえば複数のメモにリンクした目次のようなメモを作成するなど、多様な利用法が考えられるでしょう。

文字列を選択して[編集]メニュー→[リンクを追加]を選びます。または[Control]キー+クリックで開くコンテキストメニューからも選択できます
リンクさせたいメモのタイトルを数文字入力すると候補が現れます。候補から選んで[OK]を押せば設定が完了します
メモ内で「>>」と入力すると、直近で作成したメモがリンク候補として表示されます。そのまま文字を数文字入力すると、その文字列を含むメモがリストアップされます
上記の方法で作成したリンクは、文字列の先頭に小さなアイコンが付きます

ブロック引用の追加と等幅フォーマットの変更

 macOS Somomaの「メモ」では、フォーマットの追加/仕様変更も行なわれています。

 具体的には、段落フォーマットとして新たに「ブロック引用」が加わりました。ほかの文章から引用した文字列にブロック引用フォーマットを適用すると、段落の前に縦のラインが表示され、メモ内のほかの段落と区別しやすくなります。

 また、従来からあった「等幅」フォーマットにはグレーの背景色がつくようになりました。たとえばプログラムやWebサイトのコードを書き留めておくときに利用するなど、情報を整理したり、可読性を高めたりしたいときに利用できます。

「ブロック引用」フォーマットを適用すると、段落の前に縦のラインが表示されます。ほかの文書からの引用であることが一目で分かります
等幅フォーマットにはグレーの背景がつくようになりました。プログラムやWebサイトのコードを書き留めておくのにオススメです

メモをそのままPagesへエクスポート

 最後に、macOS Sonomaの「メモ」の新機能でもう1つ見逃せないのが、Apple純正の文書作成ソフト「Pages」へのエクスポート機能です。

 メモを選択して[ファイル]メニューから[Pagesで開く]を選択すると、Pagesが起動してメモの内容が新しいPages書類として開きます。

 これまでメモで作成した文章をPagesに引き渡すには、Pagesを開いてコピー&ペーストしなければなりませんでしたが、その必要がないのです。また、メモで設定した「見出し」や「箇条書き」などの段落設定が保持されたままエクスポートされるので、Pages上でいちから体裁を整える必要もありません。

 この連携機能によって、「メモ」アプリは単なる備忘録ツールにとどまらず、ビジネス文書の作成などにも活用できるツールに進化したといえるでしょう。

メモをPagesにエクスポートするには、メモを選択して[ファイル]メニューから[Pagesで開く]を選びます
「メモ」アプリからPagesにメモを受け渡すと、段落設定もそのまま引き継がれます。それをベースにPages上で体裁を整えれば、提案書などを素早く作成できます

多才な「メモ」をもっと使おう

 ここまで解説してきたように、たくさんの新機能を搭載したmacOS Sonomaの「メモ」アプリは、プライベートからビジネスまでさらに幅広い用途に活用できるツールへと進化しています。

 これまでApple純正の「メモ」アプリをあまり使っていなかった方も、この機会にぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

PDFのインライン表示やメモ間のリンクなど、macOS Sonomaで追加された機能は、iOS 17やiPadOS 17でも利用可能です