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着脱式コントローラがマウスになって幅広くゲームが遊べる!携帯型ゲーミングPCの意欲作「Legion Go」
2023年11月27日 06:18
Lenovoの「Legion Go」は、8.8型の大画面液晶を備えるほか、マウスとしても使える着脱可能なコントローラを備えたユニークかつ意欲的なポータブルWindowsゲーム機だ。日本国内においてまだ未発売であるが、発売を前に行なわれたシンガポールでの発表会で機材提供があったため、短いながらも2週間ほど使った印象をお伝えしようと思う。
「Nintendo Switch」のようなスレート型のポータブルWindowsゲーム機は、One-Netbookの「ONEXPLAYER」シリーズが2年前に先行している。着脱可能なコントローラを備えているという意味でも「ONEXPLAYER 2」という先例があり、Legion Goは後発となる。レビューでは一部、同じく提供を受けた「ONEXPLAYER 2 Pro」との比較を交えながらお伝えしたい。
ちなみにLenovoの発表会以降に、ランチャー「Legion Space」のアップデートが2回、コントローラのファームウェアップデートが2回あった。また、内蔵GPUのドライバに関してもWindows Update経由で1回更新があった(Ryzen Z1 ExtremeのドライバはAMDが提供していない)。今回のレビューはいずれも適用した。とは言え発売までまだ時間があるだろうから、向上/改善される可能性はある点はご了承いただきたい。
キャリングケースの付属が親切なパッケージ
既にシンガポール現地で「開封の儀」でお伝えしたのだが、改めてパッケージから見ていく。パッケージは正面から開けるタイプで、本体のほかにキャリングケース、ACアダプタ、右コントローラをマウスとして使うためのアダプタ、そして保証書の類数枚とシンプルが付属する。
なお、本体は最初からキャリングケースに収納されている。このキャリングケースは本体およびマウスアダプタのみ持ち運べる仕様で、残念ながらACアダプタは収納できない。とは言え、競合は通常では別売りである上に、そちらもACアダプタを収納できるわけではないので、最初から付属するだけでもありがたいだろう。
こうしたスレート型のゲーム機はジョイスティックの部分が突出しているほか、クラムシェルのように持ち運ぶ際にディスプレイを保護する機構もない。カバンの中で圧迫されたりすると故障する原因になるので、キャリングケースに入れておいたほうが無難だ。
一方ACアダプタは本体こそそこそこ小型だが、コード一体型でプラグも折りたためないタイプということで、やや携帯性に欠ける。もっとも、本機を購入するようなガジェット好きであれば、携帯に向いたUSB PD対応のACアダプタの1個や2個はあるだろうから、付属のACアダプタは据え置き用ということだろう。
ちなみに本体への技適の付与はもちろんのこと、シンガポールで渡されたバージョンで、既に製品保証書や広告類も日本向けの内容だった。日本で発売するのは確実だろう。
よく考えられた筐体フォルム。キックスタンドは秀逸
では筐体を見ていこう。ハンズオンでもお伝えしたのだが、本機の大きさ的には、8.4型と一回り小さい液晶を搭載したONEXPLAYER 2 Proとさほど変わらなく、筐体そのままに液晶が大型化された印象なのだが、実際に手にした際のグリップ感はLegion Goのほうが上だ。
これはなぜかと言えば、本体の左右が少し細くなっていて、指がより深くぐるっと回り込んでホールドできるのに加え、L/Rトリガーの下の中指を置くスペースがより深くえぐれていて、中指の上にしっかり重量を載せられるためだ。ちなみに筆者の手は(おそらく)普通よりやや大きめだが、さらに大きな手や小さな手でも通用しそうな雰囲気のフォルムである。
本機のもう1つ秀逸なポイントは背面のキックスタンドだろう。「Microsoft Surface」シリーズを彷彿とさせる幅が165mmほどある広いタイプで、無段階に調節可能。角度は非公開のようだが、実測で140度程度まで倒すことができた。ONEXPLAYER 2 Proもキックスタンドを備えているが、幅は25mmしかなく重い筐体を支えるにはいささか華奢な印象を受ける。一方でLegion Goは安心して本体の重みを任せられる。
なお、キックスタンドは本体の幅に対して短くなっているため、非公式ではあるが、一応コントローラを外したタブレット状態なら「縦置き」も可能だ。これも競合製品にはない特徴の1つと言える。
ちなみにタブレットとして考えると相当厚みがあり、「iPad mini」を2台重ねてなおかつ+αといった印象。もっとも、左右が薄くなっていたり、画面占有率が高いということもありそこまで違和感はない。ただ、Legion GoはONEXPLAYER 2 Proのようにポゴピンで接続できるようなキーボードがなく、Surfaceのように使うことは不可能な点は注意したい。
インターフェイスは上部と下部にUSB4を1基ずつ備えている。競合だと比較的中央寄りに配置されることが多いのだが、Legion Goの場合いずれも左に寄っている。おそらく基板レイアウトからこうなっていると思われる。このほか上部にmicroSDカードスロットがあるだけで、至ってシンプルだ。個人的には周辺機器接続用にUSB Type-Aが1基欲しかったところ。
ハンズオンの時から繰り返しとなるが、ファンは比較的静音で、同クラスとしては耳障りな甲高い音がかなり抑えられているように思う。もちろん静音なノートPCと比較すればうるさいのだが、最大30Wで駆動できるプロセッサが入ってると思うとかなり頑張っていると思う。さすがに夜中寝ている人のすぐ横でゲームをプレイできるほど静かではないが、3m程度離れれば気にはならない。
2,560×1,600ドットの8.8型液晶は大きさとしてはかなり頑張っている印象で、8.4型のONEXPLAYER 2 Proよりわずかに大きく、より画面占有率が高いことが実感できる。また、輝度に関しての調節幅もONEXPLAYER 2 Proより広く、明るい時はより明るく、暗い時はより暗くなる。特に部屋を暗くした場合ONEXPLAYER 2 Proだとやや眩しく感じる時があったが、Legion Goはそのようなことはなかった。
ただ、当初発表会で“ネイティブランドスケープ”だと言われた液晶だが、再確認したところ“ネイティブポートレート”であった点は個人的にやや残念だ。ネイティブポートレートの液晶はフルスクリーン表示しかできない旧ゲームタイトルとの互換性に問題がある。Lenovoとしてこうしたプログラムも実行できないか模索しているとのことなので、ソフトウェア的に対処できるされることに期待したい。
なお、起動時に自動起動される「Legion Space」は、いわゆるランチャーの類であり、ゲーム購入サイトへの誘導(デフォルトでは「Gamesplanet」だが、「Steam」や「Epic」への変更も可能)、インストール済みゲームの起動、コントローラ周りなどの各種機能設定、本体のパフォーマンス設定などが可能だ。
コントローラのボタンは充実しているが……配置はもう少し改善の余地あり
さて本機でもっとも特徴的な「TrueStrike」コントローラを見ていく。TrueStirkeは人体工学に基づいて設計され、人の95%にフィットするという快適なグリップ、12度傾くことにより自然に指にフィットするLB/RBボタン、そして拳銃のグリップのように握ってマウスとして使える「FPSモード」の搭載、などが特徴となっている。
まずはコントローラとしての使い勝手を見ていく。グリップについてだが、これについてはさすがにまったく文句なしだ。装着した状態でも外した状態でも手のひらにしっくり収まり、各ボタンへのアクセス性も至って良好である。ただ、ホイール部分に関してはどの形態でもアクセスしにくいし、上下がちょっと分かりにくいのが玉に瑕だ。
ボタン配置についてだが、主要のジョイスティックや十字キー、A/B/X/Y、LB/RBボタンとトリガーともまったく問題はない。しかしゲーム内でよく使われるであろう「ビューボタン」と「メニューボタン」が左コントローラの十字キーの下にあり、「Xboxボタン」がないというのは少しいただけない。ゲーム内でも頻繁にメニューを開くだろうから、これはアクセスしやすい位置に配置してほしかった。
逆に、親指を大きく曲げずにアクセスできるポジション(左コントローラのジョイスティックの右上、右コントローラのA/B/X/Yボタンの左上)には、独自の「Lボタン」と「Rボタン」が備えられている。
Lボタンは短押しで「Legion Space」の呼び出しが行なえる。Rボタンは短押しでTDPや音量、輝度、TDP、解像度といったクイック設定「Rメニュー」を呼び出せる。また、コンビネーションでショートカットが実行できるようになっていて、たとえばCtrl+Alt+Delは「L+A」、スクリーンショットは「L+X」、バイブレータの強弱は「L+十字キーの上または下」……といった具合である(その一覧はL+LBで確認可能)。
しかしゲームにおいて、これらの機能より、ビューやメニューやXboxボタンのほうが使われるだろうから、なぜそうしなかったのか不思議でならない。次期モデルでは配置を再考していただきたいところだ。
なお、本機はコントローラ背面にも薬指や小指でアクセスできるY1~Y3、FPSモードでマウスの機能を実現するためのM2/M3ボタンという5つの追加ボタンがある。しかし、今のところLegion Spaceで割り当てられる機能はコントローラにあるもののみで、特定のキーやマクロ、標準ではないXboxボタンなどを割り当てられない。こちらはソフトウェアのアップデートで改善を望みたいところだ。
コントローラは無線で接続可能
コントローラにおいてもう1つの特徴は、着脱して無線でも利用可能な点だろう。ONEXPLAYER 2 Proでもコントローラを外して利用することは可能であるのだが、コントローラ自体に無線通信の機能やバッテリは内蔵されていないため、別売りのアダプタを使用して接続するタイプであった。その接続もUSBドングルを使用するため、煩わしく思うこともある。
その点Legion Goはコントローラにバッテリが内蔵されているため、何も付けずとも無線で利用できる。この際にはBluetoothで接続される。ちなみにペアリングは本体装着時に自動的に行なわれる仕組みのため、たとえばコントローラが壊れて交換になった際にも、Windows上で一切の作業をせずにペアリングできる。
なお、無線接続時に一定時間利用しなかった場合、バッテリ節約のためコントローラの電源が自動でオフになる。起動は先述のベストポジションにあるL/Rボタンそれぞれを長押しする(電源オフも同様に手動で行なえる)。バッテリは本体に装着すると自動的に行なわれるので、あまり意識する必要はない。
コントローラの無線化で、ユーザーのプレイスタイルは大きく広がる。たとえばNintendo Switchのように本体をTVに接続して大画面でプレイできるし、キックスタンドで重い本体を卓上に置いて、楽な姿勢で軽いコントローラだけ持ってプレイするといったことも可能だからだ。Bluetoothということで遅延や不安定さも気になるところだが、筆者がこの2週間試した限りでは、気になるほどの遅延や切断はなく至って優秀だった。
ONEXPLAYER 2 Proのコントローラ着脱はコントローラを上方向にスライドさせるのだが、Legion Goは逆に下へ引っ張る。ただ、スライドの距離自体は3.5mm程度と相当に短い。左右が細くなっている点も含めて若干強度が心配になるほどだが、実際はガタツキが大変少なく、安定したプレイが可能だったので、ここはグッドだった。
マウスとして使うFPSモードをどう評価するか
左右個別の無線化によってもう1つ実現した機能の1つが、右コントローラをマウスとして使う「FPSモード」だ。仕組みはいたって簡単で、右コントローラ底面のスライドスイッチを「FPS」にすると、底面のセンサー(おそらくレーザーか不可視光)が有効になり、ゲームコントローラとしてのボタンがマウスのボタンに変更。そしてタッチパッドやジョイスティック類は無効にされる。
ちなみにFPSモードでは割当可能なキーが増え、キーボードのキーバインドも再現できる。たとえばデフォルトでは、左コントローラのY1は「Space」、Y2は「Ctrl」、RTは「Shift」、RBは「R」になるので、「Counter-Strike 2」(CS2)ではそれぞれ「ジャンプ」と「しゃがむ」、「歩く」、「リロード」ができる、といった具合だ。
ただ、これだけだと明らかにCS2では不足する。たとえば購入メニューを開く「F3」やアイテムを使う(爆弾解除にも使う)「E」はないので、何も考えずにデフォルトの状態でCS2に突入すると負けまっしぐらである。プレイ前にキーバインドをよく考えて割り当てておきたい。A/B/X/Yにも割り当てはできるので、よほど難しいゲームでなければ不足することはないと思うが、あまりアクセス性は良くないのであくまでも「できる」にとどまる。複雑なキーボード操作を要求するFPSゲームには、本機は向かない。
マウスのスペックは公式で明らかにされていないが、ユーティリティから確認するに1,800dpiが上限のようだ。ゲーミングマウスなら今どき1万超えdpiが当たり前なので、そこまでスペックを追求したセンサーを搭載していないのは確か。あくまでもカジュアルにFPSゲームやリアルタイムストラテジーゲームを楽しむためのもの(ほかの競合だとマウスをつなげない限りできない)だと捉えておきたい。
性能はRyzen 7 7840U搭載のONEXPLAYER 2 Proをやや上回る
最後にベンチマークを実施しておこう。サーマル・モード(TDP)は「パフォーマンス」で、比較用にONEXPLAYER 2 Pro(TDP 30W)の結果も以前のレビューから一部引用しながらグラフに付け加えている。使用したベンチマークは「PCMark 10」、「3DMark」、「Cinebench R23」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」、「サイバーパンク2077」。試用した機材の仕様は以下の通り。
【表】Legion Goの仕様 | |
---|---|
CPU | Ryzen Z1 Extreme |
メモリ | LPDDR5X 7,500MHz 16GB(VRAMとして3GB割り当て済み) |
SSD | 512GB(WD PC SN740 SDDPMQD-512-1101) |
ディスプレイ | 8.8型2,560×1,600ドット DCI-P3 97%/144Hz |
OS | Windows 11 Home |
インターフェイス | USB4×2、microSDカードスロット、音声入出力 |
無線 | Wi-Fi 6E/Bluetooth 5.1 |
本体サイズ | 210×131×20.1mm |
重量 | 854g(コントローラ含む)/640g(本体のみ) |
センサー | 6軸ジャイロ、トラックパッド、照度センサー |
バッテリ | 49.2Whr |
PCMark 10と3DMarkについてはONEXPLAYER 2 Proといい勝負になった。開封の儀の回でお伝えしているが、Legion Goは最初は30W前後の消費電力が出るものの、負荷がかけ続けられると最終的に23Wに落ちる。それであるにも関わらず、TDP 30W固定のONEXPLAYER 2 Proより高いスコアを示しているのは、おそらくこれらのテストは短時間で終了するためだろう。
ちなみにHWiNFO64のデータを見ると、Legion GoのRyzen Z1 Extremeのほうが、ONEXPLAYER 2 ProのRyzen 7 7840Uより消費電力、温度、電流制限が緩く、このあたりが高性能につながっている可能性はある。とはいえ、全体的に大差というほどではない。
CPU | Ryzen Z1 Extreme | Ryzen 7 7840U |
---|---|---|
TDP | 30W | 28W |
TDC(熱設計電流) | 54A | 54A |
EDC(電気設計電流) | 91A | 105A |
パッケージパワートラッキング(PPT) | 35W | 30W |
APU STAPM | 30W | 28W |
PL1(PBP) | 32W/5s(アンロック) | 30W/5s(アンロック) |
PL2(MTP) | 41W(アンロック) | 30W(アンロック) |
Tjmax | 100℃ | 90℃ |
サーマルトリップ制限 | 125℃ | 125℃ |
HTC温度制限 | 115℃ | 115℃ |
最小クロック | 400MHz | 400MHz |
ベースクロック | 3,300MHz | 3,300MHz |
最大ターボ | 5,125MHz | 5,125MHz |
高温周波数制限 | 4,850MHz | 4,850MHz |
純粋なCPUテストを行なうCinebench R23については、TDPを30Wに設定したONEXPLAYER 2 Proよりも低いスコアになっている。今回時間の都合でTDP 30Wに設定した結果は出していない(というのも、30Wに設定してもCPUパッケージ全体で32W使用しているとHWiNFO64で表示が出てしまい、突き詰めていない)が、設定すればONEXPLAYER 2 Proと同等になるだろう。
ゲーミングにおいては、「サイバーパンク2077」のようにONEXPLAYER 2 Proに水を開けられているが、これもTDP設定の違いから来ていると思われる。とはいえ、いずれの製品においても最新タイトルをプレイするのであれば、画質設定をやや落とすなり、解像度を落とすなり、FidelityFX Super ResolutionやRadeon Super Resolutionといった技術を使う必要があるのは共通項だ。少し古めのタイトルなら、ほぼ難なく動作するだろう。
なおバッテリの駆動時間だが、液晶輝度を50%、TDPを「パフォーマンス」に設定した状態で、PCMarkのGamingで約1時間38分だった。1時間程度の通勤の合間やお昼休みの合間なら~といったところだろうか。もっとも、これは3Dをバリバリ使うゲームの場合であり、2Dのゲームやレトロゲームならさほど負荷がかからないだろうから、長時間駆動が期待できそうだ。実際に「静音」モードに設定したところ3時間1分駆動した。
後発だけあって機能充実の意欲作
Legion Goはスレート型のWindowsポータブルゲーム機としては後発であるため、ライバルをよく研究した上でその不足を補い、タッチパッド、FPSモードや幅広のキックスタンド、着脱したまま使えるコントローラといったオリジナル要素を詰め込んだ、機能面/完成度ともに高い製品だと感じた。
ただ、試用中Legion Spaceが不安定で反応がなくなったり(このあたりはアップデートで改善の余地あり)、マウスとしてのセンサーのスペックの不足、アクセスしにくいホイールの位置、そして液晶がネイティブランドスケープではない点など、まだまだ改善できる点が残されており、このあたりは次期モデルの開発にぜひ反映してもらいたい。
またこれはWindows 11の問題だが、ソフトウェアによるタッチキーボードだけでは、ゲームランチャーのID/パスワード入力欄を隠したり、URLを入力しようと思ってもデフォルトで日本語入力がオンになっているなど、決して使いやすいとは言えない。確かにゲームにおいてキーボードは重要ではないが、Windows機である以上その問題は避けて通れず、キーが少なくても確実に従来通り入力できるONEXPLAYER 2 Proに一日の長があると思う。将来的には純正アクセサリでもいいので、ハードウェアキーボードがほしい。
Windows PCとして総合的に見ると、今のところ「GPD WIN 4」か「GPD WIN Max 2」あたりが弱点が少なく使いやすい。しかしサイズや形状の違いで、競合とは言えない。AYANEOやONEXPLAYERなど競合が多い“7型~8型前後”かつ“キーボードをほぼ使わないゲームのプレイ”を想定したポータブルゲーミングPCの中で、「Legion Goが完成に近い理想形」というのも確かだ。
後は「価格次第」というユーザーも多いことだろう。さすがにROG Allyと同価格は難しそうだが、この付加価値の多さなら、20万円以内なら許容範囲。ちなみに試作機では標準でメインメモリから3GB分をビデオメモリとして固定で割り当て済みとなっていたため、利用可能なメモリは12GB強。また、昨今ゲームの肥大化もしているので、ストレージも試用機の512GBだとあっという間に使い切ってしまった。日本で用意があるかどうか不明だが、本格的に使うなら32GB/1TB構成以上を選びたいところだ。
ちなみに筆者はGPD WIN Maxを自腹で購入して以降、デスクトップPCを使ってゲームをプレイする時間がほぼゼロになった。そもそもこのところFPS、リアルタイムストラテジー(RTS)といったマウスを使うプレイをしていないというのが大きいのだが、Legion Goなら、カジュアルにプレイする限りこれらのジャンルもカバーできるので、デスクトップPCの出番がさらに減るのは確実だろう。
Lenovo初のポータブルゲーミングPCとなるLegion Goだが、大手という安心感はもちろんのこと、コントローラがそのままマウスにもなることで、FPSやRTS、シミュレーションなどのゲーム“も”遊べようになった意欲作。あとは、日本国内で一刻も早い投入に期待したいところだ。
Legion Goのレビューをライブ配信でもお届けします。サイズ感、使い勝手、実際のゲームのパフォーマンスなどを動画で分かりやすくお伝えします。解説はポータブルゲーミングPCを黎明期から追いかける劉デスク。MCはPADプロデューサーの佐々木です