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くぅ~なぜまだ買えない!触って感じた「Legion Go」の魅力

Legion Go

 Lenovoは7日にシンガポール(現地時間)でAPAC地域メディア向けの説明会を開催し、その中で8.8型のディスプレイを搭載したポータブルゲーミングPC「Legion Go」を展示した。詳細スペックは既報の記事をご覧いただきたいが、ここではハンズオンセッションや説明会、インタビューを通して得られた、スペックには記載されていないより細かい情報についてご紹介する。

ポータブルゲーミングとしては最高となる8.8型液晶

 説明会では、Lenovo Asia PacificのClifford Chong氏が解説をし、インタビューに答えたのだが、この中で同氏は「Legion GoはポータブルゲーミングPCとしては最高/最適である8.8型の液晶を採用した」ことを強調した。

Clifford Chong氏(Category Manager (Gaming), Consumer Business, PCs and Smart Devices)

 競合では7型のもの(主にROG Allyを指す)が投入されているのだが、Windowsゲームは基本的に大画面に最適化されているということもあり、7型に落とすと字が小さくなりすぎて見えにくくなると指摘。「前傾姿勢となってしまって、リラックスした姿勢でプレイできないのでは」と考えたという。Legion Goは8.8型と一回り大きいため、手に持った際に視認しやすいサイズであるという。

 また、Legion Goは競合と比較して縁の部分がかなり抑えられているのが印象的。このためディスプレイサイズは8.4型のONEXPLAYER 2 Proより大きいが、筐体サイズはほぼ同等だ(Legion Goは299×131×41mm、ONEXPLAYER 2 Proは310×127×23~40mm)。

ONEXPLAYER 2 Pro(下)との比較
背面の比較。Legion GoのキックスタンドはMicrosoft Surfaceシリーズのように広い
ONEXPLAYER 2 Proは着脱式のキーボードを備えているが、Legion Goはない
背面の比較。Legion Goの方が画面が大きいが、幅はむしろ狭いのが印象的

【11月13日訂正】記事初出時、Legion Goにはネイティブのランドスケープ液晶が搭載されているとしておりましたが、入手したサンプルで確認したところ正しくはポートレート液晶でした。担当者とのコミュニケーションミスによるもので、お詫びして訂正します。ただ、ポートレート液晶で動作しない旧ゲームタイトルの問題について、現在R&Dチームが解決に向け作業しているとのことです。

ゲームプレイ中もかなり静か。重さも気にならない

 Legion Goでゲームを起動してちょっと感動したのがファンの静かさ。もちろん、これは広い会場でプレイしているというのも影響しているのかもしれないが、耳をかなり近づけても甲高い軸音はなく、ほとんどが風切り音であった。これなら家で夜中にプレイしていても寝ている人に迷惑がかかることはないかもしれない。

 Chong氏によれば、Legion Goの開発にあたってゲーミングコミュニティの声を取り入れ、製品に反映させたというが、このあたりはグローバルでかつ大きなスケールで展開している同社ならではの強みが活かされていると思う。

内蔵ファンはなかなか優秀で騒音が少ない

 Legion Goは公称でコントローラ込みで854gという重量となっている。これはONEXPLAYER 2 Proの850gとほぼ同等だ。ただ、Legion Goは左右のコントローラ自体にバッテリを内蔵しており、単体で無線コントローラとして動作するのに対し、ONEXPLAYER 2 Proは非搭載で、取り外して使う際は別途アダプタが必要になるため、たとえば机に本体を置いて手にコントローラを持つ別々で使うスタイルならLegion Goのほうが重量的に有利である。

 さらに、左右の手を好きに置けるので、より楽な姿勢でプレイできる自由度が高いのはLegion Goの特徴だと言えるだろう。

Legion Goはコントローラ接続部が少ししぼんだようなフォルムで、よりグリップが深く握れ、薄い印象を与える
コントローラが分離したまま使えるのもLegion Goの特徴。リラックスした姿勢で操作できる

コントローラとの接続は接点かBluetooth

 ONEXPLAYER 2 Proのコントローラを無線で使う場合、別途アダプタにコントローラの左右を取り付けた上で、さらにUSBドングルで接続する仕様となっているが、Legion GoではBluetoothを用いて接続するとのことだ。

 ただこのBluetoothのペアリングには独自技術が盛り込まれていて、たとえば別のLegion Goのコントローラであっても、本体に1回装着するだけで自動でペアリング情報が転送され、取り外した際にそのままBluetooth経由で使えるようにしているとのこと。もしコントローラ部が故障して交換しても、ユーザーはペアリングの手間を大幅に簡略化できるだろう。

Bluetoothか、接点で接続できるコントローラ

FPSモードは秀逸だがスペックはほしい?

 一方右側のコントローラをマウスとして使う「FPSモード」だが、これは底面のスライドスイッチを介して切り替えを行なう仕様。FPSモードにするとジョイスティック部や一部ボタンが無効化され、側面の「M1」、「M2」ボタンが左クリック/右クリックとして動作するようになる。ちなみにコントローラの背面にダイヤルがあるのだが、これはマウスのホイールだ。FPSモードでなくともホイール操作できるのもポイントだろう。

 FPSモードではジョイスティックなどが手のひらに当たってしまうが、筆者は意外と気にならなかった。クレードルのようなアダプタは磁石で底面にサッとくっつくので、縦型である以外は、マウスとしての違和感は特になかった。意外にも操作しやすいと逆に思えるほどだろう。

 ただそれよりも、ゲーマー的には、像度が最大で1,800dpiにとどまる点(これは解像度の問題ではなく、あくまでもゲーミングマウスとしてのスペックを見た時に、明らかにゲーミンググレードのセンサーは使ってないということが分かってしまう)や、Bluetooth接続による遅延もしくはポーリングレートの低さ(ただしこちらは短時間なのでどのぐらいあるか試せてない)のほうが気になるかもしれない。

 とはいえLegion Goはバリバリeスポーツをやるためのマシンではなく、あくまでもカジュアルにゲームを楽しむためのマシンだろうから、コンセプト的にこのスペックで問題はないという判断だろう。

マウスとして使える右側のコントローラ
リング状のアダプタにコントローラを載せてマウスとして使う
底面にセンサーを搭載している
握った際にジョイスティックが手のひらに来るのだが、少し操作すれば慣れてしまう
拳銃のグリップのようなフォルムで握ることになる
ポゴピン部分も握るので、接点の劣化には注意したい
右コントローラの上部にはホイールを搭載している
マウスのDPI設定

日本での投入が待ち遠しい

 PCの技術は日進月歩するので、基本的に後発が有利だ。先駆者のONEXPLAYERやAYANEO、ROG Allyシリーズよりも、機能的に充実していて完成度が高く、魅力的に映えるのは当たり前といえば当たり前なのだが、「スペックでは既存製品とほぼ同じだが、触って欲しくなったマシン」だと強く感じた。特に画面占有率が高く、タブレットとして使った際によりスタイリッシュなフォルムにグッと来た。日本のサイトで予約ができていたら、この記事を書いている間に間違いなくポチっていたと思う。

 それだけに、発表から約2カ月経過した今でも、まだ日本で予約開始されていないのが悔やまれる。本体には技適マークのシールもあるので、ハードルはほぼ皆無だと思うのだが……。果たして日本投入はいつか、首を長くして待ちたい。

本体底面にUSB4を搭載
電源ボタンにはLegionのOのアイコンがあしらわれている
Legion Spaceと呼ばれるランチャーや設定を行なうソフトも用意している
TDPの設定は5段階だが、具体的にどのTDPなのかは分からないので、別途ユーティリティで監視するしかないだろう