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新たなフォームファクタで新時代を切り開くレノボの新製品たち

 レノボ・ジャパン合同会社は6日、13.3型ディスプレイを2枚搭載したノートPC「Yoga Book 9i Gen 8」、および8.8型ポータブルゲーミングPC「Legion Go」国内向けに投入すると発表した。どちらも8日発売で、価格はそれぞれ32万2,800円から、13万4,800円。

 本稿では同日開催された製品発表会の模様や実機写真をお届けする。各製品の細かな仕様などについては既報を参照されたし。また、Yoga Book 9i Gen 8については海外モデル、Legion Goについては海外発表時点でのサンプル機にはなるが、レビューも掲載されているので、そちらもあわせてご覧いただきたい。

どちらの新製品も、新たな時代を切り開く製品に

レノボ・ジャパン合同会社 コンシューマー事業部 本部長 柳沼綾氏

 まず、同社コンシューマー事業部 本部長の柳沼綾氏から、コンシューマビジネスに関する動向について説明が行なわれた。

 Lenovoでは、メインストリームのIdeaPad、プレミアムのYoga、ゲーミングのLegionの3つのブランドをコンシューマー向けに展開。国内では2008年のIdeaPadを皮切りに、2012年にYoga、2017年にはLegionから順次製品を投入してきた。

 各ブランドの展開とともに日本市場独自の活動も実施。ゲームによるコミュニケーションの活性化を目的とした「ゲーミニケーション」に基づく活動や、ダイバーシティをテーマにしたキャンペーンなどにも取り組んでおり、新しい価値やサービスを提供し続けているという。

国内市場では2008年のIdeaPadを皮切りに、Yoga、Legionブランドを展開してきた
ゲーミニケーションやダイバーシティに関わる取り組みも実施
AIや新たなフォームファクタなどが今後重要に

 今後のコンシューマ市場においては、AI、折りたたみ式や2画面式などといった新たなフォームファクタの登場、ブランドのエコシステムを通じたエンゲージメントの向上といった点が重要になっていくと説明。AIについては、これまで開発してきたクライアントAIにクラウドAIを融合していくことで、ユーザー体験をさらに高めていくという。

 今回新たに投入する2製品はこういった要素を取り込んだ、新しい時代の扉を開く製品だと述べ、時代の変化やユーザーの要求に柔軟に応え、常に既存の概念を超えていくという同社の開発精神を象徴した製品になっていると説明した。

無限大の使い方を実現するYoga Book 9i Gen 8

レノボ・ジャパン合同会社 コンシューマー製品事業部 部長 櫛田弘之氏

 続いて、同社コンシューマー製品事業部 部長の櫛田弘之氏から、まずはYoga Book 9i Gen 8に関する製品説明が行なわれた。

 いわゆるコンバーチブル2in1タイプの製品としては、同社では2012年に「Yoga」を投入。当時同社ではこのフォームファクタを2in1とは呼ばず、4つの形態(ノート、テント、スタンド、タブレット)で使えることからマルチモードと呼んでいた。

 今回のYoga Book i9 Gen 8はその延長線上にある製品だが、キャッチフレーズは「The Book of Limitless Possibilities」(無限の可能性を持つノートPC)だ。2つの画面やキーボード、スタンド、スタイラスペンなどによってこれまでの2in1と比べて使い方の幅がさらに広がっていることから、フォームファクタを「マルチモード+」と呼んでいる。

 新たに可能となった使い方としては、付属のスタンドと組み合わせて縦方向に画面を並べるスクロールモードや、横方向に並べるブックモード、2つのタブレットを利用しているようなデュアルタブレットモードなどを例として紹介し、さまざまな場面で高い生産性を発揮できるとした。その使い方は無限大になったといい、ユーザーが新たな使い方を見出すことにも期待しているという。

2012年発売のYogaは4つの形態に変化できるマルチモードとして発表していた
より幅の広がったYoga Book i9 Gen 8はマルチモード+に
使い方は無限大だという

 ディスプレイ部はどちらも2,880×1,800ドットの有機ELパネルを搭載。DCI-P3 100%の色域や400cd/平方mの高輝度、100万:1の高コントラスト比に加え、DisplayHDR True Black 500認証を取得するなど、美しい映像表示が可能。タッチ操作対応であることを踏まえ、表面にはCorning Gorilla Glassも採用している。

 そのほか、ゼロタッチログインや離席時の自動ロックおよび着席時の自動ロック解除といったAI機能を実現するLenovo AI Engine+も搭載。また、天板に100%リサイクルアルミニウム、ACアダプタに90%リサイクルプラスチック、梱包材にバイオベース素材を使用するなど、環境への配慮も行なっている。

13.3型2,880×1,800ドット有機ELを2枚搭載
Dolby VisionとDolby Atmosにも対応
Lenovo AI Engine+によるAI機能も搭載
リサイクル素材も使用している
主な特徴
実機写真
Yoga Book 9i Gen 8
天板
裏面
テントモード
スタンドに縦置きで設置
キーボードカバーは折り紙のように折ってスタンドにも変形する
側面
ソフトウェアキーボードやタッチパッドを表示したとき。振動によるフィードバック機能もある
付属の物理キーボードは日本語配列
分解機も展示されていた

1台3役のLegion Go。コンソール機メインだったゲーマーにも好適

Legion Goを持つ櫛田弘之氏

 これに続き、同氏からLegion Goに関する製品説明も行なわれた。

 Legion Goは、ハンドヘルドゲーム機、PC、コンソールゲーム機の3つの用途で使える製品をコンセプトに開発。プロゲーマーが求めるような高水準のゲーム環境を提供するのは難しくても、一般的なゲーマーのニーズには広く応えられるとしており、コンソール機でのゲームに慣れた人でも遊びやすい。これに加えて、着脱式コントローラの採用により、タブレットPCとしても使えるようになっている。

 CPUにはRyzen Z1 Extremeを搭載。Zen 4 CPUとRDNA 3 GPUの性能を引き出すべく、Legionゲーミングノートゆずりの冷却設計を採用し、高い処理性能と静音性能の両立を実現した。

 ディスプレイには競合製品などと比べても大型な8.8型液晶ディスプレイを採用。144Hz/WQXGA(2,560×1,600ドット)表示に対応し、大画面で高精細かつ滑らかな映像が楽しめる。

3つの用途で使える製品に
高い処理性能を持つRyzen Z1 Extremeを採用
Legion製品由来の冷却設計を採用
8.8型の大型高リフレッシュレート液晶を搭載

 もう1つ特徴的な点として、左右のコントローラが着脱できる点が挙げられる。単純に着脱できるだけでなく、右側のコントローラは付属のドックをマグネットで装着することで、縦型マウスのようにも使える。FPSモードと呼ばれ、ゲームプレイ時の操作性を改善できるほか、通常のPCとして使う場合にもマウスカーソルを操作しやすくなる。

 加えて、高精度なホールエフェクトのジョイスティックやカーソル操作にも使えるタッチパッドも装備。ディスプレイの10点マルチタッチとあわせて操作性を確保している。

左右には着脱できるデタッチャブルコントローラを装備
縦型マウスのように使えるFPSモード
ホールエフェクトジョイスティックやタッチパッドも装備

 そのほか、独自アプリのLegion Spaceも搭載。ゲームの起動や各種ゲームストアへのアクセス、本体やコントローラの設定などが可能で、ゲーム中に設定を変更するためのクイックセッティング機能も備える。

ゲームの起動や各種設定ができるLegion Space
キャリングケースも付属する
主な特徴
実機写真
Legion Go
背面
コントローラのグリップ部にも追加ボタンを搭載
上部にはトリガーなども備える
コントローラを取り外したところ
接続部分
背面には無段階調整のキックスタンドを装備
右側のコントローラ底部にはFPSモードへの切り換えスイッチとセンサーを搭載
コントローラを取り付けるドック
縦型マウスのようなFPSモード
アナログスティック部が邪魔な場合は取り外せる
本体上部
本体下部
付属のケース
ケースに入れたまま充電できるよう口が設けられている
こちらも分解機が展示されていた