大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」

NEC PC/レノボ・ジャパンのベネット社長が就任1年を振り返る。PC-8001発売40周年を記念した企画も

NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)の代表取締役執行役員社長およびLenovo Groupグローバル バイスプレジデント兼レノボ・ジャパン 代表取締役社長のデビット・ベネット(David Bennett)氏

 デビット・ベネット(David Bennett)氏が、2018年5月16日付けで、NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)およびレノボ・ジャパンの社長に就任してから、まもなく1年が経過しようとしている。

 ベネット社長は、「業界のリーダーとしてのポジションに大きな責任を感じる一方で、日本のユーザーに受け入れられる製品を作り続けることができた」と胸を張る。働き方改革の広がりや、ゲーミングPCの需要拡大といった流れを捉えた施策にも余念がない。そして、2019年は、NEC初のPCであるPC-8001が発売されてからちょうど40年の節目を迎える。それにあわせた記念事業も用意しているという。

 NEC PCおよびレノボ・ジャパンのこの1年の成果と、2019年度の取り組みについて、ベネット社長に聞いた。

モノづくりの品質向上を重視

――2018年5月に、NEC PCおよびレノボ・ジャパンの社長に就任してから間もなく1年を経過します。この1年はどんなことに取り組んできましたか。

ベネット氏(以下、敬称略) 私たちは、PC業界のリーダーシップのポジションにあります。その点では大きな責任を感じています。日本でPCを開発して、日本で製造を行ない、日本で販売し、日本でサポートするという体制を持っており、それによって、世界でもっとも高い品質を求める日本のユーザーに対して、もっとも品質の高い製品を提供しています。日本のユーザーに受け入れてもらえる製品を作ってきたという自負があります。

 私は前職がAMDで、そのときに、全世界のPCメーカーの工場を視察してきました。その経験から見ても、NEC PC米沢事業場ほど、モノづくりの品質が高い工場は見たことがありません。細部にもこだわって、品質に妥協しないモノづくりをしています。

 そして、このモノづくりの品質は、レノボの日本向けPCを生産する海外の工場におけるモノづくり品質を高めることにも貢献しています。しかも、いまでは、これがさらに波及して、アジア各国向けに生産されるPCの品質向上にもつながっています。NEC PC米沢事業場および群馬事業場から、海外の生産拠点に技術者を派遣して、モノづくり品質を高める取り組みを行なってきた成果だと言えます。

LAVIE Hybrid Zero

 一方で、日本のPC市場を活性化する役割を担う、という点での責任もあります。

 いま、PCがないと困るという人が増えています。一度、タブレットを使った人が、またPCに戻ってくるということも起きています。ユーザーがPCを購入するときに大切にしているのは、「バッテリ駆動時間」、「キーボード」、「クオリティ」なのですが、日本のユーザーならではの要望として、「起動時間が速い」ということが、上位に挙がってきています。

 こうした日本のユーザーの使い方やそれによって生まれる要望に対しても、しっかりと対応して、「PCだから、起動が遅くても仕方がない」と思わせるのではなく、「PCでもストレスなく、すぐに起動できる」というように改善して、PCを使う人を増やしていきたいですね。

ThinkPad X1 Carbon

――社長就任の会見では、最初のコミットとして、レノボ製品の1日修理の比率を、2020年には95%にまで高めると宣言しました。この進捗はどうですか。

ベネット きわめて順調です。予定していた進捗よりも、少し上をいっているぐらいですね。これは、2020年までには必ず達成するつもりです。群馬事業場があるからこそ、多くの製品の1日修理が実現できるようになります(レノボ・ジャパン新社長デビット・ベネット氏が会見。2020年までにレノボ製品の95%を1日で修理と宣言参照)。

AMD CPU搭載製品が増加

――最近、ベネット社長が、米沢事業場によく通っているという話を聞きますが(笑)。

ベネット 米沢事業場では、生産と開発を行なっています。私は製品が好きですし、次の製品をどうするのかということも、米沢事業場で話しあっています。米沢事業場と群馬事業場は、まさに「秘密兵器」です。

――米沢事業場では、次のイノベーションに向けたR&D組織である「NT&Iチーム」が活動を行なっていますね。「米沢通い」は、これも影響していますか。

ベネット そうですね。NT&Iチームでは、いま、いろいろなことを企画して、活動を行なっています。できれば、この取り組みの進捗についても、報告する場を作りたいですね。

――PC業界を見渡すと、2019年度は、Intel製CPUの供給不足の問題がある一方で、10月の消費増税、2020年1月のWindows 7のサポートの終了などにあわせて、PC需要が拡大することが予想されています。

ベネット 2014年のWindows XPのサポート終了時にも、消費増税のタイミングが加わり、大きな需要が生まれました。これと同じ状況ですね。

 しかし、今回の場合は、すでに新たなOS環境にシフトしている人が多いですし、さらに増税幅も2%であり、政府も緩和策を打ちだそうとしていますから、前回のようにスパイクすることはないと思います。もちろん需要が拡大するのは確かですから、それに向けた準備はしています。調達、製造、物流、サポートといったあらゆる面から手を打っていきます。

――そのなかでも気になるのが、やはりCPUの調達です。

ベネット CPU不足は、確かに重要な問題ですが、世界ナンバーワンシェアのレノボグループの調達力があること、そのなかでも日本市場向けの製品の調達には自信があること、本社からも日本は重要な市場であると認識してもらっているなどの理由から、影響は最小限にできるのではないかと思っています。

――古巣のAMDのCPUを搭載したPCを増やすということはありませんか。

ベネット AMDからは、RyzenというすばらしいCPUが出ていますし、日本のユーザーにも受け入れられています。実際、NECレノボグループのなかでのAMDの構成比は上昇しています。それは、私が、AMDに長年在籍していたことが理由ではなく、ビジネスとして考えたときに、どのCPUを搭載した製品を展開するのがいいのかといった判断に基づくものです。お客様がAMDを搭載した製品を選んでいるといったとの裏返しでもありますし、1つのサプライヤーに、あまりにも集中することによるリスクを回避するという意味もあります。

PC-8001発売40周年を記念した企画が進行中

――NEC PCでは、2018年10月以降、「PCとは、愛だ。」というスローガンを打ち出しています。これはどんな意味を込めているのですか。

ベネット このスローガンはしばらく続けていこうと思っています。ここでは、NECのPCが、お客様にぴったりと寄り添っているということを訴えています。困っていることをしっかり理解し、それに応えている。そうしたことを愛と表現しています。愛には、いろいろな愛があります。私たち自身が、NECのPCの歴史を大切にしているという愛もありますし、それをもとに、お客様に満足していただけるものを作り続けたいという気持ちも愛の1つです。

 たとえば、AIが注目をされていますが、PCでも使えるAIがかなりできてきました。その技術を使って、照明にあわせてディスプレイの明るさを変更し、見やすさを実現するとともに、バッテリ消費時間を伸ばしたりできます。ユーザーが気がつかないのに最適な環境を提供しているわけです。こうした細かいところにも愛があります(笑)。

PC-8001

 じつは、2019年は、1979年9月に、NEC初のPCであるPC-8001を発売してから、40年の節目に当たります。日本のPC業界を牽引してきた製品であり、私たちにとっても大事な製品です。この歴史をリスペクトして、NEC PCは、NECのPC事業が育んできたハイテクノロジ、ハイクオリティのPCづくりを忘れずに継続しているということを改めて訴求したいと考えています。

――これは、40周年記念モデルが登場するということですか。

ベネット これって、言っていいのかなぁ(笑)。いや、いまはご期待くださいということしか言えません(笑)。あえて言うのならば、記念事業は考えています、ということになります。

ゲーミング市長にも注力

――一方、レノボ・ジャパンで、力を入れている領域はどこですか。

ベネット 1つはゲーミングPCです。いま、日本において、ゲーミングPCは、非常に高い成長を遂げています。日本では、ゲーム専用機やスマートフォン向けゲームが普及し、PCでゲームをする人は少ないと言われてきましたが、そこにはプレイするゲームが違うという背景がありました。

 しかし、いまでは、ほとんどのプラットフォームで同じゲームがプレイできるようになり、よりきれいな画像でプレイしたいという人たちが、ゲーミングPCを利用するようになっています。しかも、ゲーミングPCを使って、さらに上達し、速く操作できるようになる。プロフェッショナルのゲーマーたちに話を聞くと、最初はPS4でスタートしたが、もっとうまくなりたいから、ゲーミングPCを購入したという声を数多く聞きます。

 こうした事例からもわかるように、ゲーム専用機やスマートフォンを使っている人たちが、ゲーミングPCに移行するという市場は、これからますます大きくなっていくと思います。私たちも、まずはそこにターゲットを置きたいと考えています。日本におけるゲーミングPCの広がりは、まだ海外に比べると遅れていますが、これまでの経験から、日本のユーザーはシフトするという流れができたら、一気にシフトしてしまうことがよく見られます。ゲーミングPCにおいても、そのタイミングが訪れはじめていると感じます。

――NEC PCからはゲーミングPCは出さないのですか。

ベネット いまは公表できるものはありません。しかし、もしやるとしたら、単に、GPUを搭載しただけという製品ではなく、きちんとしたものを出したいと考えています。繰り返しますが、もしやるとしたらという仮定ですよ(笑)。

デジタルトランスフォーメーションを加速させるデバイスを提供

――外からみると、レノボ・ジャパンでは、デジタルトランスフォーメーションを支援するデバイスに力を注いでいることを感じます。

ベネット そこもレノボ・ジャパンとしての注力分野の1つです。いまや、企業において、デジタルトランスフォーメーションは避けては通れないものとなっています。人とデバイスがつながり、デバイスとデータ、デバイスとサービスがつながるなど、さまざまなものがつながることが、デジタルトランスフォーメーションを支えることになります。レノボはこれを、「インテリジェント・トランスフォーメーション(IT)」と呼んでいます。

 ここで大切なのは、デバイスが重要な役割をはたすということです。つながるときのインターフェイスとなるのがデバイスであり、コネクテッドされる世界において、レノボはデバイスを重視していくことになる、というメッセージでもあります。そして、インテリジェント・トランスフォーメーションの時代において、大切なデバイスはなにかということも、レノボは考えていきます。

 たとえば、インテリジェント・トランスフォーメーションは、幅広い領域に影響を及ぼすものであり、その恩恵を受けるものの1つに、ワークプレイスがあります。

 ワークプレイスに対するニーズは大きく変化しており、場所を問わずに働ける環境を実現したり、報告型会議からコラボレーション重視の会議へと転換したり、遠隔コミュニケーションを行なえることが一般化しています。

 レノボの調査によると、日本においては、76%の企業がユニファイドコミュニケーションの仕組みを導入していますが、フリーアドレス化している企業は14%程度しかないという実態があります。また、テレワークを制度として認めている会社は10%しかありません。総務省が掲げているテレワーク比率30%の実現に向けては、まだまだ努力が必要です。そして、オンライン会議を活用している人は25.3%にとどまり、コワーキングスペースを活用している人の割合も3.6%にとどまっています。

 しかも、驚くべき結果は、テレワークの制度があるにも関わらず、うまくいっていないという企業が50.6%と、半数に達しているという現状です。

 では、なぜそのような結果が出ているのでしょうか。その理由の1つに挙げられるのが、職場の会議に参加できないために、テレワークを活用しにくいという人がいるというもので、じつに41.5%にも達しています。これは、言い換えれば、会議のために、自宅や外出先でのテレワークをやめて、会社に戻らなくてはならないということが多いことを示しています。

 また、日本では、社長が会議室にいるのに、社員が外からつないで会議に参加するのは失礼であるという意識も強いと思います。私はリモートで会議に参加することが多いですし、レノボでは、社長や役員が会議室に集まっていても、社員がテレワークで参加するという例はよくあります。

――働き方改革を進めるには、課題も多いということですね。

ベネット 日本では、多くの企業が働き方改革に取り組んでいますが、調査結果のように、やりたくてもできない理由の1つに、テレワークで会議に参加できないといった課題もあります。いわば、働き方改革の実践には、会議室改革が重要なテーマになると言えるでしょう。

 一方で、レノボは、ThinkPadシリーズでの実績に代表されるように、外で仕事をするということに、26年前から取り組んでしてきました。テレワークという言葉がない時代から、その概念にあわせた提案を行なってきたと言うこともできます。そうしたノウハウを活用しながら、会議室に向けた新たな提案を行なったのが、オンライン会議システム「ThinkSmart Hub」になります(レノボ、Skype for Business専用の会議室用端末参照)。ThinkSmart Hubは、日本でも、すでに100社以上に導入された実績があります。

ThinkSmart Hub 500

 私は、レノボに入ってから、ほぼ毎日、ThinkSmart Hubを使って会議をしています。たぶん、社内で一番この製品を使っているのは私です(笑)。これを使いはじめてから、私の会議の仕方は180度変わりました。

 これまでは、うまくつながらないとか、プレゼンテーションをうまく見せられないということがあり、それならば、集まってやってしまおうということもありましたが、ThinkSmart Hubでは、そうした問題が発生せず、ストレイなくオンライン会議を行なうことができ、伝えたいことを伝えられます。

 かつては、会社にいないと仕事をしていないと見なされましたが、いまでは、ThinkPadを持って歩けば、タクシーのなかでも、コーヒーショップでも仕事ができる。ただ、その多くはまだメールのやり取りをするという程度にとどまっています。次のステップが、外出先からも会議ができるということであり、そのためには、プレゼンテーションの資料がちゃんと見えたり、会議の音声がしっかりと聞こえるということが大切です。

 もともと日本の企業の多くは、フェイス・トゥ・フェイスを重視していますし、大事な情報を共有したり、議論したりという場合に、いまのオンライン会議システムの多くが、性能の観点から、あまり適してない部分があります。

 ThinkSmart Hubでは、そうした不具合を感じることはありません。オーディオ機能にも、こだわっていますから、発言が聞き取りにくいということもありません。しかも、オンライン会議の準備をするのに、時間がかかってしまうということもありません。

 私は午前8時から午後6時まで、ほぼ30分ごとに会議が続きます。30分の会議のなかで、5分、10分と準備に時間がかかっていては、時間の無駄でしかありません。調査によると、オンライン会議の開始が準備によって日常的に遅れている人は67%にも達しています。こうした課題も、ThinkSmart Hubで改善できます。

NEC PCとレノボ・ジャパンでの働き方改革

――NEC PCおよびレノボ・ジャパンでは、どんな働き方改革に取り組んでいますか。

ベネット 私の基本的な考え方は、仕事は、何時から何時までやればいいという見方をしていないということです。社員に期待している仕事ができていれば、いつ仕事をしたのか、どれぐらいの時間でやったのかということはあまり気にしません。仕事が早く終わったのならば、その時間は別のことに使ってもらってもいいと思っています。

 私の持論ですが、働き方改革をする上で、一番大切なのは、チームを信頼するということです。信頼しているのであれば、新たなツールを使って、新たな仕事の仕方にどんどんチャレンジしていくべきだと思っています。

 信頼できるチームだからこそ、新たなツールを活用でき、さらに仕事を進化させることができるわけです。働き方改革によって、企業を成長させるためには優れたツールだけではだめです。ベースになるのは、やはり信頼ということになります。

 ただ、会社の文化を変えるためには、ツールは重要な役割をはたすことに間違いありません。働き方改革に優れたデバイスやツールがあることで、改革を加速することになります。

 現在、レノボ・ジャパンでは、「フォーサーティー・フライデー」という仕組みを取り入れています。金曜日の午後4時30分以降は、社員のみなさんに、自分のために時間を使ってもらうための取り組みです。その時間は、仕事をしてもいいですし、新たなことを勉強するための時間に使ってもいい。

 会社としてもそれを支援するために、講師を呼んでセミナーを行なったり、みんなでスポーツをやったり、パーティーを開催したりなど、さまざまなイベントを用意しています。沖縄フェアというのもありましたね(笑)。これは個人の成長や、会社の文化をよくするための取り組みとも言えます。

 実際には、半分の人たちが、仕事をしていますが、この仕組みを採用したことで、ほかの社員に気兼ねすることなく、早く帰ることができるようになったという成果が出ています。

 じつは、この制度を提案したときに、100%の人が賛成してくれると思ったのですが、反対の声が多かったことには正直驚きました。「なんで仕事が残っているのに、午後4時30分に帰らなくてはいけないのか」、「仕事をしている社員と、していない社員がアンフェアになる」などの声が出ていましたね。ただ、これは、「午後4時30分に帰れ」ということを言っているわけではありません。「帰ってもいい環境をつくりたい」ということなのです。帰りたいのならば帰っていい、帰りたくなかったら帰らなくていいわけです。

 今は、リーダーシップチームの会議は、金曜日の午後4時30分以降は設定していません。役員も「フォーサーティー・フライデー」のアクティビティに、率先して参加する状況を作りたいからです。まずは、こうした環境を社内に作ることが大切ですね。私の個人的な思いですが、ぜひ、日本でトップの働きがいのある会社を目指したいですね。

 一方で、NECレノボグループでは、テレワークにも積極的に取り組んでいます。レノボがビジネス提案をする上で、「テレワーク」、「テレワーク」と叫んでも、レノボ自身がテレワークをやっていないと信憑性がありませんし、説得力がありません。レノボ・ジャパンとNEC PCは、2016年からテレワーク制度を導入して、それを実践しています。

 今では、総務省のテレワーク先駆者100社の1社に入っていますし、営業部門による提案に関しても、ThinkSmart Hubの製品説明をするのでなく、ThinkSmart Hubを導入して、テレワークを実践して、レノボがどう変わったのかということを中心に話をしています。

――ThinkSmart Hubに対する顧客の反応はどうでしょうか?

ベネット ThinkSmart Hubは、パートナーが一番興味を持っている製品ですね。また、どんなお客様との商談でも、ThinkSmart Hubの話は、真剣になって聞いてくれます。きっと、テレワークや会議の仕方に、不便を感じている人が多く、ThinkSmart Hubは、働き方改革の課題を解決できるツールになると感じてくれているのではないでしょうか。これからのニーズの広がりにも手応えを感じています。

 ただ、ThinkSmart Hubは、実際に使ってもらわないと、その良さは実感できません。新たな技術ですし、おもしろそうだと思ってもらっても、使う機会がないとそれだけで終わってしまいます。最初は数台でいいので、それを使ってみて、どんなメリットがあるのか、仕事がどう変わるのかということを知ってもらいたいですね。紹介できる導入事例も増やし、実際にどれぐらいの時間短縮や効率化ができたのかを明確に提示したいと思っています。

 会議やコラボレーションが多い会社にはぜひ使ってほしい製品です。しかも、これは大手企業でないとメリットが出ないという製品ではなく、スタートアップ企業にとっても、メリットが生まれます。ThinkSmart Hubは、コラボレーションやディスカッションするためのツールですから、4人の会社でも、あと2人が外から会議に参加しただけで、すぐにメリットが生まれます。

 そして、これは、レノボにとって、PC以外の領域におけるビジネスチャンスになる製品だと位置づけています。日本の働き方改革を、PC以外の領域からも提案することができます。これからの成長を期待したい分野ですね。

2019年度に向けて

――2019年度は、NEC PCおよびレノボ・ジャパンにとって、どんな1年になりますか。

ベネット 日本のPC市場は、コマーシャル市場も、コンシューマ市場も成長を遂げています。Windows 7のサポート終了や消費増税といった需要拡大の動きや、働き方改革やゲーミングPCといったトレンドもしっかりと捉えたいですね。そして、PCだけではなく、レノボグループではサードウェーブと呼ぶ、PC以外の製品にも取り組みます。その結果、日本国内におけるシェアをさらに拡大していくつもりです。