大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」
24時間以内に95%が修理を終えるレノボのPC。NECの知見が活きる群馬事業場の修理体制
2020年7月28日 11:00
レノボ・ジャパンは、24時間以内のPC修理完了率が95%に達したと発表した。
2018年5月に、レノボ・ジャパン/NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)の社長に就任したデビット・ベネット氏が、就任会見で最初に掲げた目標が「レノボブランドPCの1日修理率95%」であり、2年をかけて公約どおりにその目標を達成して見せた。
PCの修理を行なっているのは群馬県太田市のNECパーソナルコンピュータ群馬事業場。修理拠点として進化を続ける一方、GIGAスクール構想やテレワーク特化PCなどの新たな需要を捉えながら、今後は「サービスマザーサイト」としての進化を目指す。
ベネット社長と、NECパ―ソナルコンピュータ サービス事業部修理デポオペレーションシニアマネージャの小林大地氏に話を聞いた。
修理完了率95%達成までの道のりは険しく
2018年5月に、レノボ・ジャパンおよびNEC PCの社長に就任したデビット・ベネット氏が、同年7月に行なった社長就任会見で掲げた唯一の数値目標が、2020年までにレノボ製品の修理の95%を1日で完了させるということだった。
このとき、社長就任から就任会見まで2カ月の期間を要したが、その理由についてベネット社長は、当時のインタビューのなかで、米沢事業場や群馬事業場を訪問することを優先したためと説明する。
その一方で、「PCの開発には、1年以上の期間がかかる。就任2カ月の私が、こんなにすごい製品を開発したと言っても説得力がない」と前置きし、「PCの生産を行なう米沢事業場や、PCの修理を行なう群馬事業場を訪れて、良い意味で驚き、感銘を受けたのが、品質や標準化への徹底した取り組みだった。前職のAMD時代には、全世界のPCメーカーの工場を訪問した経験があるが、ここまで徹底して、品質にこだわる工場はない。その現場を見て驚いたのが、群馬事業場では、NECブランドのPCを24時間以内に修理する比率が95%以上になっていたことだった。レノボ製品でも同様に95%にまで引き上げたい」として、数値目標を宣言して見せたのだ。
1日修理とは、延長保証を含む保証期間内のPCの修理が対象で、サービスセンターに到着してから24時間以内に修理を完了し、出荷することを指す。保証期間外の有償修理の場合、一度所有者に有償での修理の可否を確認する作業が発生してしまうため、連絡を取るための時間が発生。その多くが1日での修理は難しい。
だが、無償修理であれば、すぐに修理作業に取り掛かれるため、メーカー側の体制強化や改善によって、1日修理率を高めることができる。
もともとNECブランドのコンシューマ向けPCの修理を行なっていた群馬事業場では、2014年からレノボブランドのタブレットの修理を開始。2016年からはコンシューマ向けPCのIdeaシリーズや、コマーシャル向けThinkPadシリーズの修理を開始するなど、じょじょに対応機種を広げていった。
この時点で、レノボブランドのPCの1日修理率は82%であり、これに対して、長年にわたって、群馬事業場で修理を行なってきたNECブランドのコンシューマ向けPCの1日修理率は、95%以上となっていた。
群馬事業場を統括するNECパ―ソナルコンピュータ サービス事業部修理デポオペレーションシニアマネージャの小林大地氏は、「2016年時点から、レノボブランドPCの1日修理率を高めるための取り組みを開始していた」と振り返りながら、「まずは、NEC PCの修理部門との情報や装置の共有化を開始し、同時に作業エリアの拡大やフロアレイアウトの変更などによる動線の改善など、効率化や標準化などに取り組んできた」という。
そうした取り組みが進むなか、2018年5月に社長に就任したベネット社長が、「2020年までに、レノボブランドのPCの1日修理率を95%にする」と対外的に発表。これが、ベネット社長が掲げた最初の公約だったこともあって、業界内では同社の1日修理率に注目が集まった。
「日本のお客様は、品質やサービスに対する満足度を重視する。その1つが、すぐ修理を行なってくれる体制である。1日修理率95%を実現すれば、万が一PCが壊れても、安心して使ってもらえる。また、次もレノボを購入してもらえる。外資系PCメーカーが、この水準で修理を行なえるようになれば、大きな差別化になると考えた」とベネット社長は語る。
ベネット社長が宣言した時点で、レノボブランドPCの1日修理率は88%だったが、明確な目標が打ち出されたことで、群馬事業場では、修理体制のさらなる見直しを行ない、管理体制もエンジニア別やユーザー別に細分化。作業データをリアルタイムで確認できるツールを導入し、作業時間などを可視化したり、プロセスの変更を行なったり、修理スタッフ同士で作業を融通したりすることで、2019年3月には1日修理率化を93%にまで引き上げた。
だが、そこから2ポイントの引き上げに、1年間を要することになる。
「ラストワンマイルと言えるところに苦労があった。レノボのPCは、NEC PCに比べて、機種数が多く、オペレーションが複雑なところがあり、そこに苦労した」(小林シニアマネージャー)とする。
ベネット社長も、「何度も群馬事業場に足を運んだが、残りの1~2%をどうやって引き上げるのか。少し心配だった時期もあった」と吐露する。
NEC PCで培われた成功事例をレノボにも投入
群馬事業場で修理するPCは、NEC PCは基本的にはコンシューマ向けPCに限定されるが、レノボのPCの場合は、コンシューマ向けPCとコマーシャル向けPCの両方が対象になること、部品点数に違いがあること、NEC PCの修理スタッフには10年以上携わっているベテランが多いのに対して、レノボの修理スタッフは数年の経験者が多いことなど、すでに95%の1日修理率を達成しているNEC PCとは状況が異なる点を、レノボの修理チームは克服する必要があったのだ。
そこで、NEC PCの修理で培ったベストプラクティス(成功事例)を共有。「モデルケース」を横展開して、作業者の時間配分の見直しなど、より細かい改善にも着手した。
「NEC PCやレノボの修理スタッフのなかで、1日の修理件数が多い人や作業が迅速な人の作業時間の配分の仕方、行動の仕方などをモデルケース化し、これをほかの修理スタッフに横展開した」(小林シニアマネージャー)という。
作業時間を可視化してみると、NEC PCの修理スタッフは、午前中に診断をする作業比率が高いことがわかったという。また、難易度を考慮したかたちで、修理する機種を優先着手していることも修理時間の迅速化にもつながっていることがわかったという。
群馬事業場では、その日の最終出荷に間に合う最終時間を「カットオフタイム」として、午後4時30分に設定している。それに向けて、午前中の診断率を高めたり、すぐに症状を再現できるものを優先して修理したりといった工夫を行ないながら、1日の時間配分を再設計。こうした試行錯誤の結果、2020年3月に、1日修理率95%に到達できた。
ここで特筆できるのは、レノボブランドのPCの1日修理率は、コマーシャル向けPCの有償契約の保守を含めて95%を達成しているという点である。NEC PCの場合には、コンシューマPCの1年保証内の無償修理のなかでの取り組みであることに比べると、ハードルが高いなかでの達成と言える。
もちろん早いだけではいけない。「修理したPCが、きっちりと動作することがもっとも大切である。レノボブランドの幅広い製品ラインナップを、修理スタッフが習熟し、確実に修理することができるノウハウの蓄積にも時間がかかった。いまでは、スピードと品質を高い次元で両立することができた」(小林シニアマネージャー)とする。
そして、修理スタッフの人員数も増やさずに、これを達成している点も見逃せない。生産性の向上も大きな挑戦の1つだったと言える。
将来を見据えてレノボとNEC PCの修理システムを統一
同社では、1日修理率95%達成の要因として、「着荷および受付業務の改善(NECPC独自の修理品管理システムの適用)」、「診断および検査時間の短縮化(NECPC開発ツールの適用)」、「部品配膳時間の短縮と在庫部品不足の改善(NECPCの修理部品予測ノウハウの適用)」、「管理体制の変更(Daily管理からMin管理、作業者個人別、お客様別管理へ)」、「ベストプラクティスの共有により作業者の行動改革を行ない、生産性を向上」の5点を挙げている。
2020年1~6月の半年間の実績でも、1日修理率は95%を達成しており、目標どおりの高い水準が維持されている。
ベネット社長は、「外資系ブランドでも、国産ブランドと同じ修理率を達成することができた。そして、群馬事業場の修理スタッフが、この水準をずっと維持できると宣言してくれたことを心強く思っている」と語る。
じつは、群馬事業場では、修理部門のシステム刷新も同時に行なっていた。
従来はNEC PCとレノボの修理部門で使用しているシステムはべつべつのものであったが、レノボグループがグローバル統一の新たなシステムへの刷新を開始。群馬事業場でもこれを導入することを決定した。つまり、NEC PCは独自システムからの移行、レノボのPCの修理は旧来のレノボのシステムからの刷新という取り組みが行なわれたのだ。
「NEC PCの修理で稼働していたシステムが老朽化しはじめており、刷新が必要な時期が迫ってきていた。そのさいに、NEC PCに最適化した別のシステムを入れるのか、レノボグループ全体として最適化したものを入れるのかを議論した。その結果、別のシステムを導入するよりも、長期的視点に立って、システムを共通化することで相乗効果を狙うことを優先した。NEC PCの修理チームにとっては、プロセスを変えたり、トレーニングを行なったりといった最初のハードルは高くても、統一するメリットのほうが大きいと考えた」(小林シニアマネージャー)とする。
ここでは、NEC PC側が先行して、グローバル共通システムへの移行を図った。つまり言い換えれば、群馬事業場ではレノボの1日修理率95%の達成に向けた取り組みとともに、NEC PCでは新たなシステムに刷新しても、1日修理率95%以上を維持するという取り組みが同時に行なわれていたわけだ。
「新たなシステムは、NEC PCにあわせて作られたものではない。そのため、プロセスの変更などもあったが、年間では1日修理率95%以上を維持している」とする。
今後、レノボのPCの修理でも、新たなシステムが導入されるが、先行したNEC PCが蓄積したノウハウを活用して、レノボが1日修理率95%を維持したかたちで、新システムに移行をすることになる。
イノベーションと顧客満足体験の両輪が製品価値を高める
NEC PCとレノボのPCの1日修理率95%を同時に達成した群馬事業場は、次の進化へと新たな歩みを進めることになる。それは、群馬事業場の「サービスマザーサイト化」と言える取り組みだ。
ベネット社長は、「レノボグループは、イノベーション起こす企業というイメージが定着している。ThinkPadやYoga、あるいはLAVIE VEGA、LAVIE Pro Mobileなどの革新的なPCを投入し続けていること、折り畳み式のThinkPad X1 Foldを開発していることなどからもそれが裏づけられる」とする。
だがその一方で、「CX(Customer eXperience : 顧客満足体験)をもっと高めていく必要がある。1日修理率95%を達成したことは、CXを実現するためのものであり、顧客満足度の向上への取り組みの1つである。今後は、イノベーションとCXを両輪として捉えて、日本におけるレノボグループの価値を高め、存在感を高めたい」という。
ThinkPadの開発などを行なう大和研究所、NEC PCの開発や生産を行なう米沢事業場は、イノベーションの拠点と位置づけることができる。それに対して、群馬事業場はCXの拠点と位置づけられることになる。
「米沢事業場と群馬事業場は、NEC PCの秘密兵器であったが、これをレノボにも積極的に活用していきたい」とする。
レノボグループでは、新たに「service-led transformation」というメッセージを打ち出した。この言葉は、2020年4月に開催された全社キックオフのなかで、レノボグループのヤンチン・ヤン会長兼CEOが、全世界の社員に向けて発信したものであり、ハードウェアだけでなく、サービスやソリューションを含めたエンド・トゥ・エンドでバリューを提供していく企業へと転換していくことを示したものだ。
つまり、サービスを主軸にした変革により、レノボグループの新たな企業像を確立しようと考えている。
日本においてもそれは同じであり、すでにレノボ・ジャパンに、サービス担当執行役員のポジションを用意するなど、新たな方針での体制強化にも取り組んでいる。
そして、service-led transformationにおいては、群馬事業場の存在が欠かせないものとなる。ベネット社長は、「service-led transformationを実現する上で、群馬事業場は引き続き、秘密兵器と言える存在となる」とする。
「service-led transformation」ための3つの取り組み
では、service-led transformationの実現に向けて、群馬事業場はどんな取り組みを行なうのだろうか。ここでは大きく3つの取り組みがある。
1つめは、キッティングサービスの強化である。
企業や学校、団体などが、PCを導入するさいに、業務内容に応じた仕様にカスタマイズするのがキッティングサービスであり、OSやアプリケーションなどのインストール、企業や社員ごとの個別設定、管理ラベルなどの作成や貼付、そして、タブレットのディスプレイへのフィルムの貼付といった作業も含まれる。
これまでにも、保険会社向け専用デバイスなど、NECの法人営業部門が獲得した一括大量導入案件などで、群馬事業場のリソースを活用することはあったが、今後はレノボ製品にもキッティングサービスを本格的に広げることになる。
とくに今年(2020年)は、GIGAスクール構想が前倒しになるなど、教育分野向けPCの需要が拡大すると見られているほか、昨今では、テレワーク需要の拡大も見られている。これらの領域は、レノボグループが力を入れている分野であり、同様にキッティングのニーズも拡大することになる。キッティングサービスの拡張は、こうした新たな需要増に対応したものになると言える。
ベネット社長は、「キッティングサービスは、日本のパートナーをサポートする仕組みとして活用したいと考えている」とする。
2つ目が、アセットマネジメントサービスの強化である。
これは、企業などとの契約に基づいて、企業のPCなどの資産を管理および保管し、現場でPCが故障した場合などに代替機を迅速に配送。同時に故障機を回収して修理を行ない、これを保管して、代替機として再利用できるようにするといったサービスだ。これによって、PCの不具合によって、企業の業務を止めないようにできる。
群馬事業場では、NECの法人営業部門が提供するクライアントマネジメントサービスなどにおいて、代替PCの保管や配送などの業務を受託していた経緯がある。今後は、レノボ・ジャパンが提供するアセットマネジメントサービスにも積極的に対応していくことになる。
そして、3つ目が、これらのキッティングサービスやアセットマネジメントサービスなどを行なうための体制強化である。これらのサービスを拡張する上で、体制面での強化は不可欠だ。
また、レノボ・ジャパンでは、ハードウェアを買い取りではなく、サービスとして提供する利用型の新たな仕組みとして「Lenovo Device as a Service (DaaS)」を用意しており、所有から利用へのトレンド移行を捉えながら、今後、ビジネスを強化していく姿勢を見せている。ここにおいても、群馬事業場が重要な役割を果たすことになる。
群馬事業場は保守以外にも多岐にわたる役割が与えられる
そうした動きに伴って、群馬事業場では、現在、CFS(Custom Fulfilment Services) Roomの設置を開始している。
CFS Roomは、メーカー保証による中古PC「NEC Refreshed PC」の再生拠点を、米沢事業場に移管したことで空いたスペースを利用。DaaSやキッティングサービスなどにも活用することができる。
CFS Roomは、特定のスタッフしか入室さできない情報管理を徹底したセキュリティエリアとして運用。500台以上のPCが、一度にキッティングできる環境を整える。
小林シニアマネージャーは、「2020年8月後半から9月上旬に稼働することができる」とする。
これにより、群馬事業場は、保守拠点としての役割だけでなく、キッティング、物流、資産管理、修理、回収といったPCのライフサイクル全般にわたるサービスを提供することになる。こうしたことからも、レノボグループがサービスを強化する上で、群馬事業場が戦略的拠点に位置づけられることがかわかるだろう。
もともとデスクトップPCとして1984年に操業した群馬事業場は、2002年に保守サービス拠点に転換したが、今回の進化は、保守サービスに加えて、生産以降のライフサイクル全体を担う拠点へと生まれ変わるきっかけになる。
「DaaSをはじめとして、これまで、日本では行なわれていないようなサービスも、群馬事業場を通じて取り組んでいきたい」とベネット社長は語る。
日本では、群馬事業場の存在が、レノボグループが目指す「service-led transformation」の実現を加速することになる。
道半ばだが合格点を出したベネット社長。今後はCXにも注力
ベネット社長は、社長就任からの2年間を振り返り、「研究開発、生産、物流、サポートまでのすべてを日本で行ない、日本の品質で提供することができる体制が整った。これは他社にはない強みとなっている」と振り返る。
米沢事業場では、NECブランドのPCの生産に加えて、ThinkPad シリーズのWeb販売モデルのカスタマイズ生産や、法人向けデスクトップのThinkCentreシリーズのCTO(カスタマイズ)生産を開始。そして、群馬事業場での1日修理率95%を、NEC PCおよびレノボの両方の製品で達成した。
レノボ・ジャパンでは、昨年(2019年)後半から、「JAPAN MADE & SUPPORT」というメッセージを打ち出したが、この言葉どおりの体制を、NEC PCに加えて、レノボブランドのPCにおいても構築したことになる。
そして、ベネット社長は、1日修理率95%を明確な目標の1つとして掲げた一方で、この2年間は、「働き方改革」や「ゲーミングPC」、「エデュケーション」といった分野にも力を注いできた。
ベネット社長は、その成果についても自信を見せる。
「働き方改革では、自ら取り組んできた成果を、多くの企業に先行事例として紹介したり、テレワーク特化パソコンを投入したりといった成果があがっており、働き方改革におけるリーダーとしての存在感が高まっている。
また、ゲーミングPCでは、2年前にはゼロだったシェアが、いまではナンバーワンシェアを獲得するポジションとなった。さらに、エデュケーションでは、GIGAスクール構想の推進にあわせて、NECが持つ教育分野での強固なポジションと、レノボ・ジャパンの新たな提案が評価を得ている」とする。
そして、2年間にわたって注力した領域への取り組みに対しては、「やりたいことはまだまだあるし、目指したものは完成していない」としながら、「だが、途中経過という点では合格点に達しているのではないか」と自己評価して見せる。
一方で、今後の舵取りの方向性も示して見せる。
ベネット社長は、「PCを利用する場合は、なにかの問題解決をしたい、あるいはなにかをやりたいといった思いが背景にある。それを支援するには、ハードウェアを提供するだけでなく、CXからのアプローチが必要になる」とし、「ハードウェアのイノベーションだけでなく、CXを高めることで、ユーザーの満足度をさらに向上させることができ、セールスも強化できる。今後はCXがレノボグループの新たなコアコンピテンシー(中核的能力)になる」と語る。
レノボグループの日本におけるビジネスは、CXという要素が加わることで、幅が広がることになる。レノボグループの新たな方向性が、日本において、どんなかたちで成果として現れるのかが楽しみだ。