“コレだ!”というノートPCを探して
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ブラインドタッチ可能な十分な大きさのキートップ。スティック型のポインティングデバイスのキャップは指の引っかかりがいいThinkPad用のものを改造して利用している | 画面を閉じたところ。シンプルで飽きのこないデザイン。最近のDynaBookに見られたサーフラインがそれほど目立たなくなっている。 | 本体前面には、各種インジケータ、赤外線ポート、ボリュームが配置されている |
本体左側面。マイクイン、ヘッドホンアウト、USB、VGAアウト、オプションのマルチメディアポートリプリケータなどを接続する専用コネクタ、ACアダプタ接続コネクタ、IEEE-1394、モデムポートが並ぶ | 本体右側面。電源スイッチ、電源のロックスイッチ、排気用のスリット、ケンジントンロック用のホール、Type2対応PCカードスロット | 縦に2個ならんだPCカードスロットはCardBus対応 |
その後、本体購入時に買い損ねた増設メモリを購入すべく、ショップを数店舗廻ってみたが、手に入れることができない。DynaBook SS DS60Pの増設メモリは、いわゆるMicro DIMMと呼ばれている比較的新しい規格のメモリモジュール。もちろんDynaBook SS DS60Pは、発売されたばかりのために周辺機器メーカーのカタログには対応機種として登場していない。しかし、東芝のカタログではDynaBook SS DS60P用のメモリとDynaBook SS 3440C用のオプションのメモリが同じ型番であったために、DynaBook SS 3440CT用に発売されているメモリであれば、そのまま流用できると判断した。
それでも、店頭では見つけられず、アイ・オー・データ機器から発売されている製品を予約したのだが、今だに購入できていない。どうも、Micro DIMMに搭載するメモリチップの供給がまったく見通しのつかない状況で、Micro DIMM自体の仕様が非常にシビアであるというのが原因のようだ。SONYのVAIO SRシリーズなども、Micro DIMMを採用しており、今後採用機種は増えていく傾向にあることを考えれば、1日も早く順調にメモリが供給されることを期待したい。
その他に周辺機器としては、まわりのライターの間でも人気のあるパソコン用のケースにEXTREME LIMITのボディスーツを購入。同社のホームページからは、以前JORNADA690用のケースを購入したことがある。今回もDynaBook SS DS60Pに対応したボディスーツがあるかどうか、同社のページを探してみるとDynaBook SS3300/3300V(3300/3330/3380)/3440用本革ボディースーツが掲載してあった。これもDynaBook SS DS60Pに流用できると思い、購入しようとしたのだが、直接同社が販売するのではなく、東芝ダイレクトPCでの販売となっていた。
そこで、早速東芝ダイレクトPCに、Webブラウザからオンラインで申し込んだのだが、気になることがあった。多くのオンラインショッピングのサイトで行なわれている受注の確認メールがなく、問い合わせ先も平日の10時から17時までの電話のみとなっているのだ。24時間いつでも申し込めるオンラインショッピングだけに、時間に左右されない電子メールでの問い合わせ先があってもいいのではないだろうか。なお、商品自体は、申し込んだ翌日に入金し、数週間後に送られてきた。
また、実際に購入するか迷っているオプションが「マルチメディアポートリプリケータ」。非常に多機能な周辺機器で、CD-ROMドライブ、LANポート、シリアル、パラレル、PS/2、USB、PCカードスロットといったものをすべて装備している。物理的に拡張性を制限されているサブノートPCにとっては、強力な拡張ユニットだ。残念なのは、これが専用コネクタでケーブル接続となっていることだ。個人的にはThinkPad 570のようなドッキングユニットのような形式になっていて欲しかった。
□EXTREME LIMITのホームページ
http://www.pc-room.co.jp/EX-LIMIT/J_index.htm
□「DynaBook SS3300/3300V(3300/3330/3380)/3440用本革ボディースーツ」
http://www.pc-room.co.jp/EX-LIMIT/MOBILEPC/Dynabookss3300.htm
□東芝ダイレクトPCのホームページ
http://shop.toshiba.co.jp/
■道具用途のノートPCとして非常に満足
前述のようにまだメモリを増設していないので、標準メモリ64MBでの簡単な試用ではあるが、1カ月程度使用した結果としては、まずまず満足している。まず感じたのは、非常に手堅い作りであるということだ。見た目のハデさはないものの、ノートPCとしての質感や基本性能は非常に高い。しかし、目新しい機能が搭載されているわけではないため、新鮮さを求めるユーザーには向いていないかもしれない。
実際にデフォルトのWindows 98 SE環境で使っていると、たまにフリーズしてしまうことがあった。まだ、原因は確定できていないが、ActiveDesktop環境で起こりやすいようで、ActiveDesktopは使わないような設定で利用している。また、この秋に発売が予定されているWindows MEのバージョンRC1のCD-ROMを使ってアップグレードしてみたところ、何の問題もなく動作させることができた。Windows MEは、Windows 98が動作するパソコン全てで動作するとは限らないと言われている。しかし、このDynaBook SS DS60Pであれば、Windows 98 SEの後継OSであるWindows MEへ、問題なく環境を移行できそうである。Windows 2000 Professional環境は、増設メモリを手に入れ次第、試してみるつもりである。ただ、Windows 2000を試すには、Windows 2000用のドライバや情報が東芝から提供されることが前提となるので、一日も早い公開が待たれるところだ。
DynaBook SS DS60Pと同時に、企業向けの「DynaBook SS 3480」というモデルも発表されており、それにはWindows 95やWindows NT、Windows 2000モデルも用意されている。そのことを考えれば、技術的にはすぐにでもDynaBook SS DS60Pユーザーに対して、Windows 95やWindows NT、Windows 2000用のドライバを公開できるはず。今までも東芝は、他のパソコンメーカーと比べると、更新されたドライバの公開が遅い感があり、一日も早い改善を期待したい。さらに企業向けのDynaBook SS 3480には、DynaBook SS DS60Pに装備されている内蔵モデムの部分が、ネットワークインターフェイスに変更されている機種もある。このネットワークインターフェイスには、非常に魅力的。東芝独自のサービスであるアップグレードサービスで、内蔵モデムから内蔵ネットワークインターフェイスの交換ができるようになると非常にありがたい。
DynaBook SS DS60Pは、発売されて間もないので細かな問題はBIOSやドライバの更新によって徐々に改善されていくはずであり、これまでも東芝はそのような対応を行なってきている。これから長い期間ノートPCを使っていく立場としては安心して購入できる製品である。本体のデザインも企業ユーザーも見据えた落ち着いたデザインのため、自己主張をして目立つ機種ではないものの、道具として使うノートPCとしては現時点では非常に満足している。
□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□「DynaBook SS DS60P」の製品情報
http://www2.toshiba.co.jp/pc/catalog/ss/ds60_50/index_j.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000620/toshiba.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000523/pana.htm
[Text by 一ヶ谷兼乃]
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