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モバイルノートからは有線LANを“外出し”するのが大正解説!

~デルのWindows/Mac両対応モニターとドックで快適&セキュアな利用スタイルを伝授

 無線LANがいくら進化し、高速化し続けていようとも、有線LANの有用性は薄れていない。安定した通信が求められるビジネスシーン、たとえばWeb会議においては、ブツブツと途切れないことが大事。有線LANなら電波が障害物で遮られたり、他の電化製品などから干渉されたりすることが基本的になく、そうしたトラブルに遭いにくいのが強みだ。

 ところが、近年のコンパクトなモバイルPCでは有線LANポートが省かれることが珍しくない。その場合、どうしても有線で使いたいならUSB LANアダプタを組み合わせようとするだろう。

USB LANアダプタで有線接続する手もあるが、ポートの少ないモバイルPCだと他の周辺機器が使いにくくなるのが悩み

 そう考えているあなたに、日常の使い勝手を高めつつ、セキュリティや管理の面でもより好都合な方法をお伝えしたいる。それは、有線LAN接続をノートPCから“外出し”するということだ。

 有線LAN接続を“外出し”するとはどういう意味で、どんな利点があるのか。今回はデル・テクノロジーズ(以下、デル)のモニターやドッキングステーションなどを組み合わせ、LANポートのないモバイルPCでも有線接続して、快適なだけでなく安心してPC作業に集中できるようにする一種のライフハックを紹介していこう。

デル製ドッキングステーション付きType-Cモニターを使う

 1つ目の方法は、デル製ドッキングステーション機能を内蔵したモニターを利用するということだ。

デルのドッキングステーション機能付き40型湾曲モニター「U4025QW」

 アップストリーム用のUSB Type-C(Thunderbolt)ポートを備え、DisplayPort Altに対応するモニターはここ数年でずいぶん一般的になってきた。ご存じの通り、こうしたモニターはノートPCからケーブル1本で映像出力でき、同時にノートPCへの給電も行なえるため、最小限の手間とスペースでデュアル(外部)モニター環境を整えられるのが利点だ。

 また、モニター側に複数のダウンストリーム用USBポート(USBハブ機能)も用意されている場合、有線のキーボードやマウスなどを接続しておくことで、ノートPC側でそれら周辺機器も扱えるようになる。これだと、周辺機器をノートPCのポートに1つ1つ接続する面倒を省けるうえ、ノートPC側のケーブル脱着が一度だけになって、端子やコネクタの劣化を抑えられるのもメリットだ。

 USB端子は比較的丈夫だが、LAN端子は爪がプラスチック製で頻繁に抜き差ししていると壊れやすい。実際、この爪部分だけが市販されていることもその壊れやすさを示していると言える。

通常ならこれら周辺機器を1つずつノートPCと接続するか、ポートが足りなければUSBハブを介してつなぐことになる

 これがドッキングステーション内蔵モニターの基本的な機能だが、一部のモニターではさらに有線LANポートも備えていることがある。たとえばデルの40型湾曲モニター「Dellデジタル ハイエンド シリーズ40曲面Thunderboltハブ モニター U4025QW」は、5,120×2,160ドット、120Hzという広大な画面解像度かつ高リフレッシュレートのビジネス向けモデルで、ダウンストリーム用USBポートは計8個、そして2.5GbE対応の有線LANポートまで備えている。

U4025QWの背面側に用意されている豊富なインターフェイス。右端が2.5GbE対応の有線LANポート
本体下部のポップアップするUSBポートは正面側からもアクセスしやすい

 モニター側のUSBポートやLANポートには、周辺機器やネットワークケーブルを常時接続したままでOK。あとはモニターのアップストリームポートに接続しているType-Cケーブルを、ノートPCにつなぐだけで、使い慣れたキーボード/マウスと大画面に加え、安定した通信で作業できる。2.5Gbps以上の通信が可能なネットワーク環境であれば、U4025QWのパフォーマンスをフルに発揮して業務効率のさらなる向上も図れるだろう。

モニター側に周辺機器を接続。アップストリームポートにもケーブルをつないでおく
使うときはモニターから延びるType-CケーブルをノートPCにつなぐだけ
大画面と周辺機器を活用できるようになる

 ここで1つ気にしておきたい部分がある。それは、企業が導入する場合だとセキュリティ的な観点からLANポートをもつモニターが利用できないパターンもあることだ。

 想定されるのは、会社の情シス部門がデバイスのMACアドレスをベースにネットワーク利用を制限しているケース。事前に登録されていないMACアドレスのノートPCが接続された時に通信を遮断したり、特定のノートPCは特定のネットワーク範囲にのみアクセスを制限したり、といった制御をルーターやスイッチで行なっている場合も少なくない。

企業ではこのような管理画面で、MACアドレスを元にネットワークのアクセス制限をしている場合がある

 一般的なLANポート搭載モニターの場合、モニターが持つMACアドレスを元に判断することになるわけだが、そうするとその先に実際につながっているノートPCに対しては制限が及ばない。仮に業務に無関係な私物のノートPCを接続されたら、制限なしに社内ネットワークにアクセスできてしまう可能性がある。そのため、LANポート搭載モニターの利用を制限するというわけだ。

 この課題に対し、U4025QWをはじめとするデルの有線LANポート付きモニターの多くは、「MACアドレスパススルー」と呼ぶ仕組みを用いて、ネットワーク側からはモニターではなくノートPCのMACアドレスを参照できるようにしている。デル製のノートPCはMACアドレスパススルーに対応しており、ノートPCのBIOS(UEFI)で有効可することで利用可能だ。

 編集部で確認したところでは、デル製以外のノートPCでも「MACアドレスパススルー」の機能を持つ機種はある。デルでは、同社製ノートとの組み合わせしか保証していないが、この機能を持つノートなら他社製品でも原理的には利用できるはずだ。

U4025QWなどのデルのモニターは「MACアドレスパススルー」機能を搭載している

 これにより、企業は社内のセキュリティポリシーに則ったネットワーク運用を担保でき、モニターを使うユーザーは従来通りの安全性を維持しながらより利便性の高いPC環境を構築できるというわけだ。単に便利になるだけでなく、安心して仕事できるのがデルのドッキングステーション付きモニターにおけるポイントだ。

こちらは27型の「Dell デジタル ハイエンド シリーズ 27 4K USB-C ハブ モニター U2723QE」
この製品もMACアドレスパススルーに対応
ディジーチェーンでノートPCからはケーブル1本でトリプルモニターも可能

外付けドッキングステーションと既存モニターと組み合わせる

 ドッキングステーション機能はないが、それなりに高性能なモニターをすでに使っていて、まだ買い替えるつもりはない、あるいはその予算がないという場合でも、有線LANの“外出し”はできる。デル製ドッキングステーションを導入する、がその回答だ。

「Thunderbolt ドッキング ステーション WD22TB4」

 大まかな接続方法としては、既存モニターと外付けドッキングステーションをモニターケーブル(DisplayPortやHDMI)で接続し、外付けのドッキングステーションから延びるケーブル(USB Type-C、またはThunderbolt)をノートPCとつなぐという形だ。

 外付けドッキングステーションの分だけデスクまわりの占有スペースは増えてしまうものの、使い勝手はドッキングステーション内蔵モニターと全く変わらない。むしろ取り回しの自由度はあるので、設置レイアウトを工夫すれば各デバイス間のケーブルを短くでき、外観上のすっきりさは遜色のないレベルにできる。

 モニターがUSB Type-Cモニターでない場合もドッキングステーションを使うことで、ケーブル1本つなげばノートPCに給電しつつデュアルディスプレイなどを実現でき、最新のUSB Type-Cモニターを使っている時のような快適な状態にできる。USB Type-Cモニターに置き換えたいが、既存モニターもまだまだ活用したいというユーザーにもお勧めしたい。

モニターにドッキングステーションを接続。設置スペースは必要だが意外にすっきり

 デル製外付けドッキングステーションはいくつかバリエーションがあり、中でも最も高機能でおすすめなのが「Thunderbolt ドッキング ステーション WD22TB4」だ。Thunderbolt 4接続に対応し、Thunderbolt 4×2、USB Type-C×2、USB Type-A×3、DisplayPort×2とHDMI×1の各インターフェイスを用意。さらにGigabit対応LANポートを備える。

WD22TB4の背面側にはThunderbolt 4×2、USB Type-C×1、USB Type-A×2、DisplayPort×2、HDMI×1、ギガビットLANポート
正面側にはUSB Type-C×1とUSB Type-A×1

 有線LANをちゃんと“外出し”できるうえに、こちらも「MACアドレスパススルー」に対応する。セキュアなネットワークを保ちたい企業も安心して導入できる製品だ。

LANケーブルと周辺機器をドッキングステーションに接続
最後にドッキングステーションから延びているケーブルをノートPCに接続して使用開始

 ちなみにモニター出力は最大で5K解像度に対応し、4K解像度のモニターであれば4台まで接続可能。同時にノートPCには最大130Wで給電できる。キーボードやマウスといった一般的なUSBデバイスだけでなく、Thunderbolt 4対応の高性能デバイスを同時に2台ぶら下げておけるのも魅力だ。

ノートPCと2台の外部モニターでトリプルディスプレイ環境も

 ここに超高速なストレージやキャプチャーデバイス、外付けGPUなどを接続して動画編集やゲームを楽しむのもOK。Thunderbolt 4ポートが1つしかないようなミニマム装備のモバイルPCでも、一気にデスクトップPC並みの拡張性にアップして用途拡大に貢献するのだ。

ユニークなモニタースタンドで究極の省スペースPC環境に

 有線LANの“外出し”とは少し違う話になってしまうが、「とにかく設置スペースを小さくしたい、でもノートPCではなく有線LAN付きのデスクトップPCを使いたい」というニーズもあるのではないだろうか。

 たとえばオフィスの無人受付端末や、施設内に置く情報端末などが考えられる。フリーアドレスの小さなデスクにデスクトップPCをコンパクトに備え付けたい、みたいな用途もあるかもしれない。

 こういったケースでは、LANケーブルを含む配線は問題なく可能だったとしても、極端に狭い設置スペースのせいで実質的に小型モニターくらいしか置けない、なんてこともある。そんなときに便利なのが、ミニPCとモニターをまとめて固定できるスタンド単体製品の「AIOマイクロ スタンド MFS22」だ。

「AIOマイクロ スタンド MFS22」

 これは、正面側にモニターを、支柱の背面側にミニPCの「OptiPlexマイクロ デスクトップ」シリーズを固定できるアイテム。モニターを固定する部分はVESAマウントとなっており、小型~中型サイズのVESA対応モニター(19~27型、2.2~5.8kg)を取り付けられる。モニターの高さ調整はもちろんのこと、チルト(上下の傾き調整)とピボット(回転)にも対応する。

VESAマウントにモニターを取り付け
スタンド支柱の背面側にミニPCを固定する

 モニターとミニPCを取り付けた状態での奥行きは22cm余りとかなりコンパクトだ。まるでモニター一体型PCのような雰囲気で扱えるうえ、タッチパネル式のモニターと組み合わせればキーボードとマウスを接続する必要もなくなり、モニター1台と同程度の専有面積で立派なデスクトップPC環境ができあがる。

まるで一体型PCのようなコンパクトさ。タッチモニターにすればキーボードとマウスも省略できる

 PCを使う時間よりも、デスクに紙書類を広げて作業する時間の方が長い、というような職業の人にもおすすめできるし、小さな会議室のWeb会議システム用PCにするのも面白そう。

 スタンドの支柱のてっぺんには収納式のハンドルが用意されていて、モニターとPCを取り付けたまま移動させるのも簡単だ。有線LANを確保できる場所に移動して使うのも楽だし、展示会などあちこちに持ち運んで使う用途にもぴったりではないだろうか。

支柱にはハンドルが収納されていて、モニターとPCを固定したまま持ち運び可能

改善のヒントはPC本体だけでなくモニター周りにも

 機動力が高く、基本性能も優秀な最近のモバイルPCだと、ついついそのポテンシャルに頼って単体で使ってしまいそうになる。しかし、ドッキングステーションを使えば、ケーブル1本つなぐワンアクションだけで広いデスクトップと安定した通信の快適環境が手に入る。さらに周辺機器も併用することでデスクトップPCと同等の使い勝手がもたらされるということ。そして、それはデル製モニターによって実現可能、ということはぜひ覚えておきたい。

 また、デル製モニターは3年間保証、良品先出しサービスの対象となっており、3年間のハードウェア限定保証の期間内であれば、交換が必要になった場合、翌営業日までにモニターが出荷される。加えて、Dell ProSupportまたはPremium Supportオプションを利用すると、24時間365日の専用の電話テクニカルサポートを受けられる。そして、Windows PCだけでなくMac製品も幅広く対応しているのもデル製品の強みだ。

 作業環境を改善したいと思った時、モニターとその周辺のデバイスに注目してみれば、また違った視点から改善のヒントを探れることがある。ドッキングステーションやスタンドは、その意味で有力な、しかも活用しがいのあるアイテムだろう。

 このほか、デルではモニターだけでなく、Macに対応した周辺機器も多数用意している。「PCメーカー製造による品質の高さ」、「業界最高レベルの保守対応」、「Dell periferall managerというソフトによる周辺機器の一元操作/管理」、「地球に優しい製品設計」といった点が特徴だ。こちらも検討候補に入れたい。

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