トピック

15型級の豊富な拡張ポートをA4以下/900g台に凝縮! 使い勝手はどうだ? NEC「VersaPro Type VC」

~4コアCPU+Xeグラフィックスでゲームが遊べる性能まで実現

NEC「VersaPro Type VC」
テレワークで使うためのPCのニーズが、企業でも個人でも高まっている。この企画では、テレワークにオススメのノートパソコン7製品をピックアップして評価していく。

 今回紹介したいのは、1kgを切る超軽量ボディに強力な第11世代Coreプロセッサと各種拡張インターフェイスを満載したNECの「VersaPro Type VC」。薄型ボディにUSB Type-Cオンリーという構成のノートが増える中、有線LANやHDMI、SDカードスロットまで備えるという徹底的なこだわりを見せている。この製品がテレワークをはじめとしたビジネスシーンにどのように効くのか、検証していこう。


モビリティ~A4サイズより一回り小さなフットプリント~

 NECの「VersaPro Type VC」は12.5型のモバイルノートPC。今回借用したのは、Windows 10 Pro 64bit/Core i5-1130G7/メモリ8GB/ストレージ256GB(PCIe接続SSD)/12.5型フルHD液晶という構成のモデルだ。なお、ストレージは128GB/256GB/512GBから選択できる。

 VersaPro Type VCのサイズは約289×192×18mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約947g。フットプリントはA4サイズよりひと回り小さく、重量も1kgを切っている。小さなバッグでもスムーズに出し入れ可能なサイズだ。また、耐150kgfの天面全体への面加圧試験が実施されており、満員電車などで圧迫されても破損する可能性が低い点も安心感がある。

天面は全体で耐150kgf面加圧試験をクリア済み
本体右側面
本体左側面。後述の通り、各種インターフェイスは背面にまとめられている

 バッテリ駆動時間はカタログスペックで約11.2時間。実際にディスプレイ輝度50%でバッテリーベンチマーク「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、6時間52分動作した。外出先の1日作業にも耐えうる。ディスプレイ輝度を20%まで下げても室内灯下で十分な視認性が確保されるので、画面の明るさを調整すれば、まだまだバッテリ駆動時間は延ばせる。

バッテリの設計容量は36,470mWh、フル充電容量は37,340mWh
ACアダプタの重量は実測245.5g
「PCMark 10 Modern Office Battery Life」のスコアは6時間52分(ディスプレイ輝度50%時)


性能~新GPU「Intel Iris Xe Graphics」の効果大~

 今回の貸出機はCPUに第11世代(Tiger Lake)の「Core i5-1130G7」(4コア8スレッド、最大4.00GHz)を搭載している。比較対象として、2016年頃に登場した13型クラスのモバイルのノートのスコアも掲載している。このノートの主なスペックは、Core i5-6300U(2コア/4スレッド対応)、メモリ8GB、SSD 256GB(SATA 3.0対応)だ。これに近いスペックのPCを使っている方も多いと思われるので参考にしていただきたい。主要ベンチマークの結果は下記のとおりだ。

検証機の仕様
VersaPro Type VC
CPUCore i5-1130G7(4コア8スレッド、最大4.00GHz)
GPUIntel Iris Xe Graphics(1.10GHz)
メモリLPDDR4x-4267 SDRAM 8GB
ストレ-ジ256GB PCIe NVMe SSD(KXG6AZNV256G)
ディスプレイ12.5型、1,920×1,080ドット(176ppi)
OSWindows 10 Pro 64bit バージョン20H2
サイズ約289×192×18mm(幅×奥行き×高さ)
重量約947g
ベンチマーク結果
基本性能を測定するベンチマークソフト、PCMark 10のスコア。総合スコアの「PCMark 10」、Webブラウジングなど基本操作の快適さの指標「Essentials」、オフィスアプリ利用時の性能指標「Preoductivity」、動画や写真編集の性能指標「Digital Contents Creation」のいずれにおいてもVersaPro Type VCが圧勝している
ゲーム性能を測定する「3DMark」の結果。一般的な負荷のゲームを想定したFire Strikeでは強力な内蔵GPUを持つVersaPro Type VCが比較対象の旧PCの約3倍の値を記録。比較的新しい世代のマシンを意識したライトなゲームを想定したWild Lifeは、もはや旧世代PCでは動かなかった。VersaPro Type VCなら、仕事の合間にゲームをさくっと遊びぶことも可能に
ストレージ性能を測定する「CrystalDiskMark」の値。最新世代のSSDを搭載するVersaPro Type VCは際立った速度を見せている

 CPUのCore i5-1130G7は、Intelの第11世代Coreに属するもので、前世代から飛躍的に性能が向上している。加えて、これに内蔵されているGPUも、⼤幅に処理能⼒が向上した「Intel Iris Xe Graphics」だ。その両方の効果により、PCの基本的な性能を測定するPCMark 10では2016年頃のPCに圧倒的な性能差を見せつけた。ディスクリートGPU非搭載機としては3DMarkのスコアが高いので、ゲームだけでなく、GPUによるハードウェアアクセラレーションを実装したクリエイティブ系アプリで恩恵を受けられる。

 またストレージも、シーケンシャルリード(1M Q8T1)で3,225.303 MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)で1,704.397 MB/sと高速だ。HDDはもとより、少し前のSATA接続SSDと比べても、OS、アプリの起動や、大容量データの読み書きなどでその高速性を体感できる。


拡張性~本体背面に多くのインターフェイスを装備~

 本製品はインターフェイスが充実。USB Type-C 3.1(充電、映像出力対応)×1、USB Type-A 3.0×2、HDMI×1、有線LAN×1、3.5mmコンボジャック×1に加え、フルサイズのSDメモリーカードスロット×1まで用意されている。SDメモリーカードスロットはデジタルカメラからデータを取り込む際に有用な装備だ。

左から、ケンジントンロックスロット、有線LAN端子、3.5mmコンボジャック、HDMI、USB Type-A 3.0×2、USB Type-C 3.1(充電、映像出力対応)×1

 インターフェイスの配置はユニークで、すべて背面に用意されている。幅の狭いコワーキングスペースなどで周辺機器を装着する際に背面端子のほうが好都合だ。

接続例。インターフェイスは、すべて背面にあるので、左右のスペースが狭くても利用可能だ

 なお本製品単体でも十分な拡張性を備えているが、標準アクセサリーとして「USB Type-C拡張ドック」が用意されている。ケーブル1本で、電源、外部ディスプレイ、外付けストレージ、キーボード、マウス、有線LANなどをまとめて接続できるので、多くの周辺機器を利用するなら本体と同時に導入することを強くお勧めする。

アクセサリの「USB Type-C拡張ドック」
USB Type-C拡張ドックから、USB Type-Cケーブル1本で、給電と接続ができる
オプションの純正マウス
オプションの純正DVDドライブ


ネットワーク~展開型の有線LAN端子を本体背面に装備~

 薄型ノートPCで真っ先に省略されがちなのは高さが必要な有線LAN(RJ-45)端子。本製品は18mmと薄型ボディだが、展開型の機構を採用することで有線LAN端子を本体背面に内蔵している。NECの挿抜試験をクリアしているので耐久性は折り紙つきだ。

 もちろん無線LANはWi-Fi 6(11ax)に対応。有線でも無線でも快適にネットワーク接続を利用できるわけだ。

窪みに爪をかけて下に押し下げると、有線LAN端子が飛び出してくる


カメラとマイク~マイクの音質はトップクラス~

 VersaPro Type VCは有効画素数92万画素(HD解像度、720p)のWebカメラとステレオマイクをディスプレイ上部に内蔵している。発色はニュートラルで特に色味をいじらなくても、実際に忠実な色でビデオ会議が可能だ。

 特筆したいのがマイクとスピーカーの品質。マイクは、スペック表には単に「ステレオマイク」としか記載されていないが、ノイズ抑制機能を搭載しており、クリアで自然な音声に驚かされた。またスピーカーは、ヤマハと共同設計したオーディオエンジンが生かされており、「Webミーティングおすすめモデル」というNECの謳い文句は本物だと感じた。これなら外部マイク/スピーカーなどを用意しなくても高音質でビデオ会議に参加できる。

カメラの発色はニュートラル。ビデオ会議アプリで色をいじる必要はない

 Microsoft Teams利用時のCPU負荷は9.4%前後で推移しており、PowerPointやWordなど、他のアプリと同時に動かしても、カクツクようなことはない。

「Microsoft Team」でビデオ会議中のCPU使用率は9.4%前後で推移した
本体内蔵カメラとマイクを使ったMicrosoft Teamsでの録画例


生体認証~パスワードをまったく意識せずに利用できる~

 本製品は指紋認証センサーと、IRカメラ(顔認証カメラ)が搭載可能。指紋認証センサーは電源ボタン一体型で、シャットダウン時でも電源ボタンを押した際に指紋を読み取り、保持する仕様となっており、ワンプッシュでWindowsにログインできる。もちろんディスプレイを開いてスリープから復帰したさいには、IRカメラでそのままロック解除できる。パスワードがかかっていることをまったく意識せずに利用できるマシンだ。

シャットダウンからでもワンプッシュでWindowsにログインできる
ディスプレイを開けばスリープから自動復帰し、IRカメラで顔認証が実行される。指紋認証センサーに触れる必要はない


実際に使ってみた率直な感想

85キーJIS標準配列キーボードのキーピッチは18.7mm、キーストロークは1.4mm

 本製品を試用してもっとも気に入ったのがキーボード。18.7mmのキーピッチを確保しつつ、文字キーはすべて等幅に揃えられており、どのキーにも自然に指が伸びる。また節度ある打鍵感も心地いい。

 VersaPro Type VCは、15型級の豊富なインターフェイスを備えつつ、1kgを切る軽さを兼ね備え、自宅や会社ではさまざまな周辺機器を接続し、外出先には気軽に持ち運び、長時間の利用も可能。いい意味で法人向けらしい仕様、デザイン、使い勝手が好印象なモバイルノートPCと言える。


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・せっかく導入するなら「ホンモノ リモートワーク」にしませんか? | 大塚商会(otsuka-shokai.co.jp)

・オリックス・レンテック | ホンモノリモートワークの導入はオリックス・レンテックにおまかせ | ORIX Rentec Corporation

・「ホンモノ リモートワーク」のご紹介 | シネックスジャパン株式会社 (synnex.co.jp)

・ホンモノリモートワーク|SB C&SのIT-EXchange(it-ex.com)

・iDATEN(韋駄天)| ホンモノリモートワーク

・ホンモノリモートワーク | 横河レンタ・リース株式会社 (yrl.com)

・せっかく導入するなら「ホンモノ リモートワーク」にしませんか? | 株式会社リコー (promo.ricoh)

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