特集

2017年夏の激安ノートパソコンおすすめを探る

~老若男女6人が独自の視点で5万円以下の製品を徹底比較

3~4万円台の激安製品を対象に比較検証

 世のなかには高いものから安いものまで、さまざまな価格帯のノートPCが売られており、ユーザーのニーズに応じた機能を提供している。もっとも需要が多いとされるメインストリームのノートPCは10万円以下の製品だ。

 5万円前後で買えてしまうような低価格ノートPCも多くのユーザーから注目されている。ここではむしろ低価格ゾーンのなかでも3万円台から4万円台という、各社の“最低価格”クラスの製品を6機種取り上げ、6名の評価者によるクロスレビューを敢行する。

 評価対象の製品は、10.1型2in1から15.6型フルHDのスタンダードノートPCまで幅広く用意し、「操作性」、「反応性」、「画面」、「機能/拡張性」、「デザイン」の5つに加え、「ベンチマーク性能」と「価格」を加味したそれぞれの要素に5点満点で点数付けを行なう。

 PC Watchでは、2017年春登場の各社モバイルノートを複数人ライターで横断的に評価したクロスレビュー記事「プロが選ぶ2017年春の推しモバイルノート」を掲載したが、今回は製品の性格がまちまちで、子ども用のサブマシンという用途も十分ありえる。そのため、評価者に弊誌熟練ライターおよび編集長に加え、主婦&女子中学生、20代女子を加えた“老若男女”体制で評価を行なう。

 “老”チームは、弊誌ではお馴染みの笠原一輝氏と平澤寿康氏で、PC黎明期から数多のノートPCを見てきた専門家の視点で評価を行なってもらう。

 “若”チームには、僚誌家電Watchなどで活躍する主婦ライターの石井和美氏とその娘さんで中学1年生の明日葉ちゃんが参加。主婦目線で子持ち一般家庭に適している製品を選んでもらう。

 “男女”チームは、4K修行僧こと編集長の若杉紀彦と、弊誌連載のガジェ活♪などで活躍してもらっている勝又楓さんで構成。編集長にはPC Watch代表として、勝又さんには20代女子のフレッシュな新卒目線で製品を選んでもらう。なお、老チームのお二方から「まだそれほど年を取ってないぞ!」とか「編集長も同じような年齢だろ!」といった不平不満が噴出しそうだが、編集長権限により却下されている。

 激安ノートPCが、仕事でプライベートで実際に使いものになるのか、各人の評価をお読みいただき、読者諸氏の購入の参考になれば幸いである。

 それぞれの評価をすぐにご覧になりたい方は、下記の目次にあるリンク先を参照されたい。

今回レビューした製品を積み上げてみた。上からレノボ「ideapad Miix 320」、ASUS「VivoBook E203NA」、ドスパラ「Diginnos DG-D11IWVL」、マウスコンピューター「LuvBook J LB-J321E2-SSD32」、ユニットコム「STYLE-14HP012-C-CE」、日本HP「HP 15-ba000 ベーシックモデル」

審査員たちを紹介

“チーム老” ライター 笠原一輝

 PCと車が大好きなテクニカルライター。PCはついこの前までSurface Bookを使っていたが、最近有機ELディスプレイの綺麗さにやられてレノボの「ThinkPad X1 Yoga(第2世代)」に乗り換えた。

 PCは生産性を上げるための機械と捉えており、どうしたらユーザーの生産性を上げることができるかを日々考えながら記事を書いている。そのためPCもSurfaceやThinkPad、VAIOのようなプレミアム向けの製品を選びがちだが、バリュー向けの製品でも良いモノは良いという考え方で今回のレビューに臨んでいる。

“チーム老” ライター 平澤寿康

 PCやスマートフォン、モバイル決済などの分野を中心に執筆。現在利用しているモバイルノートPCは、13.3型液晶搭載のLAVIE Hybrid Zero直販モデル「LAVIE Direct XZ PC-GN276U/GA1」。そのほかに自宅に自作のデスクトップPC1台と、ベンチマークテスト用のバラックPC1台が、日常的に利用しているPCとなる。

 ノートPCとして軽量のモバイルPCを選んでいるのは、取材での外出時にPCを利用する機会が多く、持ち出す荷物を軽くしたいからで、基本的に軽さを重視した選択を行なっている。

“チーム若” 主婦ライター 石井和美&明日葉(12歳中学生)

 白物家電の記事を執筆することが多く、家電Watchなどで主にレビューや発表会レポートを担当している。

 お気に入りのアーティストのCDや限定DVDを購入してPCで楽しむため、家で使うPCは光学ドライブ必須。取材などで持ち歩くノートPCは、基本的にメモ書きできればいいので「軽さ」を重視。

 PCでよく使用するのはOffice、Webブラウザ、メーラーなどで、PCに大きな負荷がかかるソフトはあまり使用しないが、複数立ち上げたときにストレスなく使えるものを選びたい。現在自宅ではパナソニックのレッツノート SX2を、取材用ではASUSの2in1を使っており、自宅PCの買い替えを検討中。

 娘はプログラミング教室に通ってプログラミングソフトを使ったり、家でFPSゲームの「オーバーウォッチ」を楽しんだりしているため、ハイスペックなゲーミングPCを好む。お気に入りのブランドはRazer。娘の部屋で使用しているのは自作のミドルタワーPCで、スペックはCPUがCore i5-6500、メモリが16GB、ストレージがSSD 1TB+SSD 480GB。

“チーム男女” MC/タレント 勝又楓

 司会業、タレント業を中心に活動中。台本作成や発注書、請求書作成などの事務的な業務を行なうさいにWord、Excelを使用している。

 今回は20代の新社会人代表という形で、同年代にすすめられるPCを選んでみた。おもに大きさ、軽さ、デザインの3つの観点に注目して製品を評価。女子は荷物が多くなってしまいがちで、かばんのなかがかさばらないような大きすぎず、厚みがなく、持ち運びが容易な軽めの製品がいい。デザインは、言ってしまえばそのPCを広げて外で作業ができるかどうか(笑)。カラーが黒やグレー、シルバーだとなんだか仕事感が出ちゃう気がするので、ホワイトが好み。

 現在使っているPCはMacBook Pro(13インチ)で、かれこれ7年愛用している。選んだ理由はデザイン。外出先でも上記の作業のためPCを持ち運んでいるが、PCが重すぎてつねに左腕だけ筋肉痛。

“チーム男女” PC Watch編集長 若杉紀彦

 ここしばらくデルの15.6型の4Kノートを持ち歩いていたが、2kgという重量に根を上げ、最近は761gのFMV LIFEBOOK UH/75を持ち歩いている。また、会社ではCore i7-7700KとGeForce 1050を搭載したパソコン工房のデスクトップを利用している。

 今回の比較製品は、価格帯で選んでいるので、サイズも用途も異なっている。その意味で、どれがベストバイなのかは断言しにくい。そういったなか筆者は、メインで利用しているPCが手元になかったり、急に壊れたりしたときのために予備的に仕事(原稿執筆/編集)に使うマシンという視点で評価してみた。