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不可能図形「スネ夫ヘア」を世界一黒い水性塗料「黒色無双」で再現

 視覚で3次元の投影図として見えるが、実際にはそれが3次元の物体として実在不可能な2次元の図形を“不可能図形”と呼ぶ。有名なものとしては「ペンローズの三角形」があるが、人気漫画ドラえもんの劇中に出てくるキャラクター「スネ夫」の髪型もそれに近い。スネ夫が顔をやや右に振った際の髪型は、全体が右になびいているように見えるが、ちょっとでも左に振ると左になびくからだ。

 このたび、フィギュア造形師の榎木ともひで氏は、自身の高度な3次元造形技術に加え、光陽オリエントジャパン株式会社が販売をしている“世界一黒い水性塗料”「黒色無双」を駆使することで、この不可能図形と言われる「スネ夫ヘア」を再現した。

 黒色無双シリーズは可視光域全反射率がわずか0.6%で、立体的に造形したとしても、まるでそこに2次元的な黒い物体があるようにしか見えない。これを駆使することで、全体が前向きの全方向に広がっている髪の立体感を見事に消し、角度によって異なる髪のなびき方を再現している。

 もっとも、同氏の造形技術自体が大変優れているため、塗装前の状態を見てもそれほど違和感がなく、後頭部から見ても自然なフォルムなのが素晴らしい。

 ちなみに黒色無双は市販されており、誰でも購入できる。