イベントレポート
Intel、新PコアサーバーCPUと、480GBメモリ搭載GPU「Crescent Island」
2026年6月1日 12:00
Intelは6月2日より台湾・台北で開催されるCOMPUTEX 2026に参加し、CEOのリップ・ブー・タン氏が6月2日に開催される基調講演に登壇予定。それに先立って報道発表を行ない、開発コードネームClearwater Forestこと「Xeon 6+」を正式に発表した。
また、データセンター向け製品のロードマップを更新。PコアCPUを搭載した次世代Xeonとして「Diamond Rapids」を2027年に投入する。さらに、最大で480GBのLPDDR5メモリを搭載したAIデータセンター向けGPU「Crescent Island」の計画も明らかにした。
設計をやり直したと考えられるDiamond Rapidsを2027年に投入
Intelは、2024年9月に開発コードネーム「Granite Rapids」で知られてきたPコア搭載のXeon 6を発表した。
その後継として、開発コードネーム「Diamond Rapids」を当初は2025年~2026年に出荷予定としていたが、2025年半ばにこの計画を破棄し、Diamond Rapidsの計画は延期になった。
というのも、元々Diamond Rapidsには、Lunar Lakeやその後継となるPanther Lakeで採用されている「Lion Cove」と、その改良版となる「Cougar Cove」をベースにした、電力効率が改善されたCPUコアが採用される予定になっていた。
しかし、Lion Cove/Cougar Coveでは電力効率を改善するために、Hyper-Threading Technology(HTT)が廃止されており、仮にそれらのCPUコアをサーバーに持ってくると、ピーク性能で競合他社に負ける可能性が指摘されてきた。
そこでIntelは方針を転換。オリジナルのDiamond Rapidsの計画は見直され、新しくHTTを再度サポートしたCPUコアが開発され、それを搭載した新しいDiamond Rapidsの開発が進められてきたのだ。
今回Intelは、その新しいDiamond Rapidsが2027年に登場する計画であることを明らかにした。HTTに対応するかなどの詳細な説明はなかったが、「従来世代と比べてCPUコア数も増え、CPUコアあたりの性能が向上する」とし、従来のGranite Rapidsを上回っていることだけを示唆した。
ほかにも、メモリが16チャンネルに増やされ、メモリ帯域が2倍になること、PCI Express 6.0に対応すること、さらに製造に利用されるプロセスノードは、現在のIntelの最先端ノード「Intel 18A」の改良版となる「Intel 18A-P」で製造される計画などが説明された。
480GBのLPDDR5搭載のCrescent Islandの計画を明らかに
Intelはエージェント型AI時代の、データセンター向けAIアクセラレータソリューションの拡充を図っている。今年(2026年)の4月には、RDU(Reconfigurable Dataflow Unit)というAIアクセラレータを推進するスタートアップ企業Samba Novaとの提携を発表した。
これにより、AI推論処理のうち、プレフィル(トークンとKVキャッシュを生成するフェーズ)をGPU、デコード(プレフィルで作成したトークンとKVキャッシュを元に最終的なトークン生成するフェーズ)をRDUに割り振り、エージェント型AIのソフトウェア自体の処理はIntel CPUに、という役割で推論処理を行なう計画を明らかにした。
IntelがそうしたデータセンターのAI推論処理向けのGPU製品として計画しているのが「Crescent Island」になる。これはIntelのGPUアーキテクチャ「Xe3」(Core Ultraシリーズ3のGPUに採用されている)の改良版となる「Xe3P」ベースのGPUで、FP4からFP64までの幅広いデータ型に対応している。
また、一般的なGPUカードで採用されているGDDRやHBMメモリではなく、LPDDR5メモリを採用していることが大きな特徴となる。LPDDR5はメモリ帯域幅こそGDDRやHBMには劣るものの、大容量を比較的低コストで搭載できるという特長を生かし、1つのボードに最大480GBの大容量メモリを搭載する。これによりAI推論時に課題となるメモリ容量が不足する問題を回避する。
ソフトウェア開発環境でも、新たにNVIDIAが提供する推論オーケストレーションフレームワークの「NVIDIA Dynamo」に対応する。これにより、CPU、GPUなどの異なる形のプロセッサを横断してAIエージェントの処理を行なうことが容易になる。
このように、Intelは現在のCPU推論時に最も利用されているCPUだけでなく、GPUやRDUなどを活用して、今後拡大するAIエージェント向け市場でのシェア拡大を目指すことになる。



























