イベントレポート

Eコア288基のロマン。Intel、Xeon 6+発表。旧世代比性能2.26倍

Intelが発表したXeon 6+(Clearwater Forest)

 Intelは6月1日(台湾時間)、COMPUTEX 2026で発表する概要などを明らかにした。この中でIntelは「Intel Xeon 6+ Processor」(以下Xeon 6+)を発表した。

 Xeon 6+は、これまで開発コードネーム「Clearwater Forest」で知られてきたデータセンター向けCPUで、いわゆるEコア(電力効率に優れたCPUコア)が288コア搭載されていることが大きな特徴となる。

 また、Intelは新しいイーサネット製品として「Intel Ethernet E835」を発表した。200Gbのイーサネットコントローラとアダプタが用意され、データセンター内でのスケールアップ、スケールアウトネットワークとしての利用が期待されている。

3DチップレットやIntel 18Aでの製造で288コアを実現したXeon 6+が発表される

Intel 18Aのプロセスノードを利用して生産されるXeon 6+のCPUタイル、写真は生産時のウェハ

 今回Intelが発表したXeon 6+は、2024年の「Xeon 6 6700E」シリーズの後継となる製品だ。

 開発コードネームSierra Forestで知られたXeon 6 6700Eシリーズは、Intelの2種類のCPUコア(高性能のPコア、電力効率重視のEコア)のうち、Eコアで構成されているサーバー向けのCPU製品。

 Eコアだけを採用しているため、Pコアだけの製品(Xeon 6 6900P/6700Pなど)と比較すると、1つのパッケージに封入できるCPUコアの数を増やすことが可能になる。現代のエンタープライズのオンプレミスデータセンターや、クラウドサービス事業者のエンタープライズ向けのシステムは、仮想化ソフトウェアやKubernetesなどのコンテナ上で動いているため、1つのサーバー機器に多数のCPUコアを搭載できることは、性能を上げる上で重要な手段となる。同時に高い電力効率も求められるため、Xeon 6 6700Eシリーズはそうしたニーズに適したCPUとなってきた。

 しかし、Xeon 6 6700Eシリーズは当初、最大288コアまで提供予定だったが、結局288コアの製品は「特定顧客向けだけに限定」とされ、大規模に提供はされなかった。このため、より高密度な288コア製品の一般提供が待ち望まれる状況になっていた。

Xeon 6+の概要(出典: Data Center Business Strategy、Intel)

 今回発表されたClearwater ForestことXeon 6+は、最大288コアの製品も提供される製品となる。CPUコアはDarkmontで、クライアント向け製品ではPanther LakeことCore Ultraシリーズ3で採用されているEコアとなる。

前世代との技術的な違い(出典: Data Center Business Strategy、Intel)

 技術的な特徴としては、CPUタイル(ダイのこと)がIntel 18AというIntelの最先端プロセスノードで製造されること、そしてチップレットの技術としてこれまで使われてきたEMIBに加えて、「Foveros Direct 3D」と呼ばれる3Dチップレットが採用されていることだ。これら技術を組み合わせることで、最大288コアというCPUコア数を1パッケージに封入することに成功している。

 なお、Clearwater Forestに利用されている技術に関しては昨年(2025年)の10月にIntelが行なったイベントの記事が詳しいので、合わせてご参照いただきたい。

 ほかにも12チャンネルのメモリ(DDR5)に対応し、96レーンのPCI Express 5.0(CXLは64レーン)に対応。Intel SGX/TDXなどのセキュリティ技術に対応しており、Confidential Computingの機能を実現できる点などが特徴として挙げられる。

Confidential Computingに対応(出典: Data Center Business Strategy、Intel)
Intel Application Energy Telemetry (AET)に対応(出典: Data Center Business Strategy、Intel)

 また、Intel Application Energy Telemetry(AET)に新たに対応し、CPUがリアルタイムに消費している電力をテレメトリーデータとして確認できる。それにより、ソフトウェアなどをさらに最適化することで、電力効率を改善することが可能になる。

前世代との比較(出典: Data Center Business Strategy、Intel)
AMD 第5世代EPYCとの比較(出典: Data Center Business Strategy、Intel)
電力効率の第5世代EPYCとの比較(出典: Data Center Business Strategy、Intel)

 Intelによれば、性能は前世代(Xeon 6 6700E)と比較して平均して2.26倍になっており、同時に競合(AMD第5世代EPYC)と比較した場合、スレッドあたりの性能は最大で45%高まっているという。

 さらに第2世代Xeon Scalable Processorと比較して、同じ性能を実現するのに、床面積は9分の1となり、TCOが改善されていると強調している。

 Intelによれば、ASUS、Dell Technologies、Ericsson、GIGABYTE、Lenovo、Supermicroが今後製品を提供する予定で、既に通信事業者などが実際にテストなどを行なっているという。

 なお、今回の発表では具体的にどのようなSKU(製品ラインアップ)が用意されているかは明らかにされておらず、ベンチマークデータの中でXeon 6 6990E+という製品があることが明らかにされているだけとなっている。このあたりも追々明らかにされることになるだろう。

最大で200Gbpsのイーサネットに対応するIntel Ethernet E835が発表される

Intel Ethernet E835(出典: Data Center Business Strategy、Intel)

 Intelはデータセンター向けイーサネット製品としてIntel Ethernet E835を発表した。コントローラ(チップ単体)となる「Intel イーサネットE835コントローラ」、アダプタとなる「Intel イーサネットE835アダプタ」が用意される。

Intel Ethernet E835の特徴(出典: Data Center Business Strategy、Intel)

 いずれも最大200Gbpsのイーサネットに対応しており、データセンターにおいてサーバーをスケールアップないしはスケールアウトする時のネットワークとして活用できる。25GbE×2、25GbE×4、100GbE×2、200GbE×1の構成が可能で、目的に応じて活用できる。また、RoCEv2のRDMAに対応しており、ネットワーク利用時に発生するCPU負荷を軽減できる。

性能比較(出典: Data Center Business Strategy、Intel)

 競合の200Gb級の製品となるNVIDIA「ConnectX-6 DX」と比較して1.9倍電力効率が優れており、Broadcomの「BCM957508-P2100G」と比較しても1.4倍少ない電力で動作させることが可能だという。

 IntelによればE835シリーズの製品は、Cisco、Dell、Lenovo、Supermicroなどから提供される予定だということだ。