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TDP 300W? 2019年まで延期? 情報が錯綜するIntelの次期ハイエンドCPU

TDP 300WのCPUへの対応が謳われている、C9X299-PG300F。筆者が以前レビューしたC9X299-PG300に、リモート管理機能IPMIを追加したモデルだ

 IntelはCOMPUTEX TAIPEI 2018の基調講演で、ハイエンドデスクトップCPU「Skylake-X」の後継となる「Cascade Lake-X」とみられる、28コアのCPUをデモした。これに関して複数のメーカーに話を聞いたところ、メーカーのあいだでも話がかなり錯綜していることがわかった。

 Intelとしては、もともとCascade Lake-Xを2018年の第4四半期に投入する予定であったが、新しい情報によると、これが2019年にずれ込むのだという。では、2018年はハイエンドデスクトップ向けCPUの投入がないのではないかというと、そうではないらしく、“Skylake-Xのコア数とTDPをさらに増やしたSKU”を7月~8月期に用意しているという。

 その根拠となるのは、SupermicroがTDP 300WのCPUに対応したマザーボード「C9X299-PG300」、「C9X299-PG300F」という2製品を、TDP 300WのCPUの登場にあわせるかたちで市場に投入するとしている点だ。説明によると、Intelは既存のSkylake-XのTDP枠を拡大させ、コア数を増加させたものを近々に投入する予定だという。実際に増えるコア数はいまだに不明だが、「18コアよりは確実に増える」としている。

 Skylakeアーキテクチャの最上位はサーバー向けの「Skylake-SP」で、ダイとして28コアを内包している。このダイをコンシューマに持ってくることができるのであれば、確かに早々にも基調講演でデモができ、18コア超のCPUを近々に投入することは可能である。

 ところが別のマザーボードメーカーに聞くと、「とくにIntelからそのような予定は聞いてない」のだという。「Cascade Lake-Xが2019年まで延期するのは聞いたが、TDP 300WのSKUのプランは聞いていない。当社のマザーボードはTDP 300Wまで問題なく提供できるが、それはあくまでも既存のSKUのオーバークロック用で、当初よりTDP 300WのCPUをターゲットにしたものではない」のだという。

 しかし、AMDが第2世代Ryzen Threadripperを投入するのは確実視されている。ご存じのとおり、Ryzen Threadripperはサーバー向けのEPYCのダイのうちの2つを無効にしたモデルで、パッケージとしては4つのダイを封止し、最大で32コアを実現できる。仮に第2世代Ryzen Threadripperが歩留りの向上によって、32コアまたはそれに近いコア数を増加させることができたのならば、Intelは早急な対抗モデルの投入が求められることになる。

 とは言え、筆者はあくまでもこのロードマップを関係者から聞いただけであって、Intelから直接資料をもらったり見聞きしたりしたわけではないので、はっきりとした根拠はない。果たしてCascade Lake-Xはどうなるのか。PC WatchではCOMPUTEX期間中になるべく多くの情報を収集し、お伝えしていきたい。