イベントレポート

Intel、次期Core Xとなる28コアCPUをデモ。Whiskey Lake-UとAmber Lake-Yは今秋投入

第8世代Coreプロセッサの新しいエディションとしてWhiskey Lake-U、Amber Lake-Yが追加される

 Intelは、COMPUTEXの基調講演に相当するe21FORUMに登壇し、同社が今後リリースする新製品や、新しいテクノロジに関しての説明を行なっている。

 現地時間14時から行なわれた基調講演には、Intel 上席副社長 兼 クライアントコンピューティング事業本部 事業本部長 グレゴリー・ブライアント氏が登壇し、同社の新製品や戦略についての説明を行なった。

次世代クライアントCPUとなるWhiskey Lake-U、Amber Lake-Yを今秋に投入へ

 このなかでブライアント氏は、同社が開発を続けてきた次世代クライアントPC向けプロセッサのWhiskey Lake-U、Amber Lake-Yについて言及した。

 両製品は第8世代Coreプロセッサの新しいエディションとして追加される見通し。すでに17のデザインウインを取得しており、スペックなどの詳細に関しては説明されていないが、今年(2018年)の秋に出荷が開始される予定だ。

 なお、OEMメーカー筋の情報によれば、Whiskey Lake-Uは、そのコードネームからもわかるとおり、TDP 15Wのプロセッサとなり、2in1デバイスや薄型ノートPC向けとなる。

 現在のKaby Lake-R(Kaby Lake Refresh)との違いは、CPUに統合されるPCHがIce Lake用のPCHとして開発された14nm世代のものに切り替わるという点にある。このため、チップの機能としてはUSB 3.1 Gen2に対応するなどの特徴を備えることになるが、それがWhiskey Lake-Uで使われるかは明らかではない。CPUに関してはKaby Lake-Rと基本的には同じでクアッドコアになる見通しだ。

 Amber Lake-Yも、そのコードネームからもわかるように、Yプロセッサと呼ばれるファンレスの2in1デバイス向けの製品となる。ただし、従来のYプロセッサのTDPの枠が4.5Wであったのに対して、このAmber Lake-YはTDPの枠が5Wに広げられる。放熱素材などの進化などにより5Wでも対応可能であると判断されたものだと見られる。

 TDPが5Wになったことで、Amber Lake-Yはクロック周波数が、Kaby Lake-Y世代に比べて引き上げられており、性能が向上していることが大きな特徴だ(CPUは依然としてデュアルコア)。

 通常、PC業界では新世代のプロセッサが9月の上旬にドイツ・ベルリンで行なわれるIFAで発表され、搭載製品がその場でOEMメーカーから発表され、秋からクリスマス商戦期にかけて製品が登場するというスケジュールで製品の展開が行なわれる。

 おそらく今回発表されたWhiskey Lake-U、Amber Lake-Yに関してもそうしたスケジュールで製品が登場することになるのではないだろうか。

第8世代の新しいエディションとしてWhiskey Lake-UとAmber Lake-Yを今年の秋に投入
Whiskey Lake-UないしはAmber Lake-Yを搭載したPCを手に持つIntel 上席副社長 兼 クライアントコンピューティング事業本部 事業本部長 グレゴリー・ブライアント氏
Acer、ASUS、HP、LenovoのWhiskey Lake-UないしはAmber Lake-Yを搭載したノートPC

Cascade Lake-Xと見られる28コアのHEDT向けクライアントプロセッサをデモ

 このほか、ブライアント氏は、28コアのクライアント向けプロセッサのテクノロジプレビューを基調講演のなかで行なった。詳細に関しては明らかになっていないが、Intelが開発しているCascade Lake-Xだと見られている。

 OEMメーカー筋の情報によれば、Cascade Lake-Xは、現在のCore Xプロセッサに利用されているSkylake-X、Kaby Lake-Xの後継となる製品で、今年の第4四半期にリリースが予定されているHEDT(ハイエンドデスクトップ)向け製品となる。

 元々Cascade Lakeは、Cascade Lake-SPとしてサーバー向けに計画された製品で、14nm++と呼ばれるIntelの14nmの最新プロセスノードで製造される。Cascade Lake-Xには最大で28コアのSKUが計画されており、今回行なったテクノロジプレビューにもそれが利用されていると考えられる。

 また、IntelはOptaneの最新製品として905Pシリーズの4製品を追加したことも発表した。このなかには380GBのM.2形状の製品も含まれており、これまでOptaneが利用できなかったノートPCなどでも、今後Optaneをストレージとして選択することができるようになる。

Xシリーズ製品の次世代製品をプレビュー
28コア
システム
コアクロックは全コア5GHz動作、Cinebenchのスコアは驚異の7,334!
Intel Optane SSD 905PにM.2の製品を追加
M.2のIntel Optane SSD 905P
Intel Optane SSD 905PとIntel 760pの比較