イベントレポート
Intel、次期Core Xとなる28コアCPUをデモ。Whiskey Lake-UとAmber Lake-Yは今秋投入
2018年6月5日 15:30
Intelは、COMPUTEXの基調講演に相当するe21FORUMに登壇し、同社が今後リリースする新製品や、新しいテクノロジに関しての説明を行なっている。
現地時間14時から行なわれた基調講演には、Intel 上席副社長 兼 クライアントコンピューティング事業本部 事業本部長 グレゴリー・ブライアント氏が登壇し、同社の新製品や戦略についての説明を行なった。
次世代クライアントCPUとなるWhiskey Lake-U、Amber Lake-Yを今秋に投入へ
このなかでブライアント氏は、同社が開発を続けてきた次世代クライアントPC向けプロセッサのWhiskey Lake-U、Amber Lake-Yについて言及した。
両製品は第8世代Coreプロセッサの新しいエディションとして追加される見通し。すでに17のデザインウインを取得しており、スペックなどの詳細に関しては説明されていないが、今年(2018年)の秋に出荷が開始される予定だ。
なお、OEMメーカー筋の情報によれば、Whiskey Lake-Uは、そのコードネームからもわかるとおり、TDP 15Wのプロセッサとなり、2in1デバイスや薄型ノートPC向けとなる。
現在のKaby Lake-R(Kaby Lake Refresh)との違いは、CPUに統合されるPCHがIce Lake用のPCHとして開発された14nm世代のものに切り替わるという点にある。このため、チップの機能としてはUSB 3.1 Gen2に対応するなどの特徴を備えることになるが、それがWhiskey Lake-Uで使われるかは明らかではない。CPUに関してはKaby Lake-Rと基本的には同じでクアッドコアになる見通しだ。
Amber Lake-Yも、そのコードネームからもわかるように、Yプロセッサと呼ばれるファンレスの2in1デバイス向けの製品となる。ただし、従来のYプロセッサのTDPの枠が4.5Wであったのに対して、このAmber Lake-YはTDPの枠が5Wに広げられる。放熱素材などの進化などにより5Wでも対応可能であると判断されたものだと見られる。
TDPが5Wになったことで、Amber Lake-Yはクロック周波数が、Kaby Lake-Y世代に比べて引き上げられており、性能が向上していることが大きな特徴だ(CPUは依然としてデュアルコア)。
通常、PC業界では新世代のプロセッサが9月の上旬にドイツ・ベルリンで行なわれるIFAで発表され、搭載製品がその場でOEMメーカーから発表され、秋からクリスマス商戦期にかけて製品が登場するというスケジュールで製品の展開が行なわれる。
おそらく今回発表されたWhiskey Lake-U、Amber Lake-Yに関してもそうしたスケジュールで製品が登場することになるのではないだろうか。
Cascade Lake-Xと見られる28コアのHEDT向けクライアントプロセッサをデモ
このほか、ブライアント氏は、28コアのクライアント向けプロセッサのテクノロジプレビューを基調講演のなかで行なった。詳細に関しては明らかになっていないが、Intelが開発しているCascade Lake-Xだと見られている。
OEMメーカー筋の情報によれば、Cascade Lake-Xは、現在のCore Xプロセッサに利用されているSkylake-X、Kaby Lake-Xの後継となる製品で、今年の第4四半期にリリースが予定されているHEDT(ハイエンドデスクトップ)向け製品となる。
元々Cascade Lakeは、Cascade Lake-SPとしてサーバー向けに計画された製品で、14nm++と呼ばれるIntelの14nmの最新プロセスノードで製造される。Cascade Lake-Xには最大で28コアのSKUが計画されており、今回行なったテクノロジプレビューにもそれが利用されていると考えられる。
また、IntelはOptaneの最新製品として905Pシリーズの4製品を追加したことも発表した。このなかには380GBのM.2形状の製品も含まれており、これまでOptaneが利用できなかったノートPCなどでも、今後Optaneをストレージとして選択することができるようになる。