イベントレポート

「Panther Lake」がついに動作。Intel、COMPUTEXで実働デモ

Panther Lake

 Intelは、COMPUTEX TAIPEI 2025において、台北市内の会場でプライベート展示を行なっている。この中で、今年(2025年)後半にOEMメーカーなどへの出荷を計画している次世代Core Ultraとなる「Panther Lake」を搭載したシステムを公開した。

Intel台湾の40周年を祝うイベントでスピーチするIntel CEO リップ・ブー・タン氏(写真提供:Intel)

 今回、3月に就任したばかりのリップ・ブー・タンCEOが訪台し、Intelが台湾に進出して40年になることを祝った(ちなみに、日本のインテルは来年で50周年)。IntelはCOMPUTEXの基調講演などには参加していないが、展示会場にブースを出したり、そうしたタン氏がホストする40周年記念イベントを開催したりと、水面下での活動が目立った。

 理由の1つは、今回の新製品が「Arc Pro B」シリーズのみとなっており、GPUでも一般消費者向けではなく業務向けと、あまり一般消費者などにアピール製品がないことが影響していると考えられる。

 その意味で水面下でのさまざまなアピールが行なわれていたわけだが、PCユーザーにとっての注目は、次世代Core UltraになるPanther Lakeに関してだ。

Panther Lakeが動作するシステムでDaVinci Resolveでビデオ編集を行なっている様子
Panther Lakeの開発ボード、CPUの手前にDRAMがあり、Core Ultra 200V(Lunar Lake)のようにMoP(Memory on Package)ではないことが分かる
OEMメーカーのPanther Lake搭載システム

 1月のCES時点では、ミッシェル・ジョンストン・ホルトス製品部門CEOが手に持つ形でのチラ見せと、ODMメーカーのシステムを展示する程度であったが、今回、プライベートブースにおいてPanther Lakeのデモを行なった。加えて、開発用のシステムや実際にアプリケーションなどが動作する様子が公開された。

Intel 副社長 兼 ワークステーション事業部 事業部長 ロジャー・チャンドラー氏

 Panther Lakeに関してIntel 副社長 兼 ワークステーション事業部 事業部長 ロジャー・チャンドラー氏は「最高級の電力効率を実現したx86プロセッサ、Arrow Lake-Hを継承する高効率なコアデザイン、次世代のGPU、そしてLPDDR5やDDR5の両方に対応するメモリコントローラなど、Intel 18Aの高性能で高い電力効率を実現していることを生かした製品になる」と説明した。

Panther Lakeの概要

 リリース時期に関しては「今年中に顧客に対して出荷を行ない、大規模にOEMメーカーからシステムが登場するのは来年(2026年)初頭になる」とした。年内に限定的な搭載ステムの出荷があるかどうかは明言がなかったが、多くのPanther Lake搭載システムが登場するのは来年のCESあたりということになりそうだ。