イベントレポート

「今後80TOPSのNPUが必要になる」。Snapdragon X2 Plus発表会でMicrosoft発言

Snapdragon X2 Plusを発表するQualcomm Technologies 上級副社長 兼 PC事業部長 ケダール・コンダップ氏、手に持っているのがSnapdragon X2 Plus

 Qualcommは、1月5日にCESブースで記者会見を行ない、新発表した「Snapdragon X2 Plus」に関する説明を行なった。この中でQualcomm Technologies上級副社長兼PC事業部長ケダール・コンダップ氏は「Snapdragonの強みは性能とバッテリ駆動時間、NPUの性能という3つだが、Snapdragon X2シリーズではそれをさらに拡張する」と述べた。

 また、Qualcommの記者会見にはMicrosoft Windowsコンシューママーケティング担当副社長ジェームス・ハウエル氏が登壇し、Outlookに実装しているNPUを利用した要約機能などについて触れ、NPUの80TOPSという性能が必要になってくるだろうと述べ、今後の機能拡張に備えてNPUの高い性能が必要だと説明した。

Snapdragon Xシリーズの強みをさらに強化

Qualcomm Technologies上級副社長兼PC事業部長

 コンダップ氏は「ここ数年の我々のPC事業は著しい成長を見せた。Snapdragon Xシリーズを発表してから約18カ月が増え、Snapdragon X Eliteだけでなく、X Plus、Xなどのエントリーレベルの製品も追加できた。

 競合に対する強みは3つあると考えている。1つ目は性能、2つ目は驚異的なバッテリ駆動時間、そして3つ目に45TOPSというNPUの性能を生かしたAIだ。その強みを伸ばすために、第2世代となるSnapdragon X2シリーズを、昨年(2025年)の9月に発表した。X2 Elite ExtremeとX2 Eliteをまず9月に発表し、GPU性能を強化するなどより高い性能、さらなるバッテリ駆動時間の延長、そしてNPUの性能を80TOPSに強化した。

 Snapdragon X/X2シリーズによりモバイルファーストのPC体験が大きく変わっていっているのが今の状況だ」とし、Qualcommが2024年の6月にMicrosoftのCopilot+ PCに搭載され発売されて以来、採用するPCメーカーや採用例が増えたことを強調した。

Snapdragon Xシリーズ

 課題だったソフトウェアの互換性に関しても改善が進んでおり、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)などとのコラボレーションが進んだことで、最大の課題だったゲームの互換性も解決方向に向かい、Snapdragonのプラットホームが成熟していると強調。改善活動の一環としてゲーム用のGPUドライバもダウンロードできるようにし、ゲーム設定などを一括して行なうSnapdragon Control Panelの配布も開始するなど、さまざまな取り組みを行なっていることを強調した。

ソフトウェア互換性問題は解消の方向に
NPU、GPUソフトウェアのサポート

 その上で、今回のCES 2026では新しいSnapdragon X2シリーズを搭載した多数の製品がOEMメーカーから発表されていることに触れ、その中には今回発表したミッドレンジ向けの「Snapdragon X2 Plus」が含まれていることを説明した。

 Snapdragon X2 Plusは10コアのX2P-64-100と、6コアのX2P-42-100の2種類のSKUが用意されており、Snapdragon X2シリーズをより廉価な製品に採用してもらうための武器になる。

従来世代との比較
他社製品との比較

 コンダップ氏は「従来世代に比べてシングルスレッドが35%、マルチスレッドが17%向上する。競合メーカーのCore Ultra 7 265Uと比較すると同じ性能であれば電力効率が4.5倍優れており、同じ電力であれば性能は3.5倍になる」と述べ、高い性能をアピールした。

 なお、今回はDellを除くトップ5のOEMメーカー(Acer、ASUS、HP、Lenovo)の4社がいずれもSnapdragon X2シリーズ(Snapdragon X2 Elite Extreme、Snapdragon X2 Elite、Snapdragon X2 Plus)を搭載した製品を発表しており、ブースなどで展示した。

今後のアプリには80TOPSの性能が必要だと発言

Microsoft Windowsコンシューママーケティング担当副社長ジェームス・ハウエル氏

 会見の後半にはゲストとしてMicrosoftのハウエル氏が登壇し、MicrosoftのCopilot+ PCなどのAI PC戦略について説明した。

AI PCが実現する3つのこと

 ハウエル氏は「AI PCというのは、ユーザーと自然な対話が行なえ、ユーザーの行動や意図を理解し、パーソナライズされた結果を提供でき、ユーザーの許可のもとで自律的に行動し作業を自動化するPCであると定義している」と説明した。

未来のAIはハイブリッドAI

 そのため重要になってくるのがハイブリッドAIと呼ばれる、クラウドとローカルのプロセッサが協調して動作する形のAIで、それを実現していくための第一歩としてNPUをローカルに装着してもらう取り組みを行なっていると述べた。

将来のAIアプリケーションのトレンドを考えると80TOPSのNPUは重要だとMicrosoftは発言

 そうしたNPUを利用した機能の具体例について、Outlookのメール要約機能を挙げ、「そうした要約のような機能を快適に利用するためには高いNPU性能が必須だ。今回のSnapdragon X2シリーズで導入された80TOPSという高い性能は、今後不可欠になると考えている」と述べ、80TOPSのような高いNPU性能が今後Windowsプラットホームでは必須になるとした。

 ほかのベンダー(AMDとIntel)は今回発表された製品でも50TOPS前後のNPU性能にとどまっている現状を考えると、明らかにQualcommに対するアシストになる発言で、MicrosoftがNPUの性能を重視していることを強調した。