イベントレポート

実働しているPanther Lakeのデモ機がCESで展示

Intelが公開した試作機。上段の3台と、下段の右から2台がPanther Lakeを搭載

 Intelは米国ネバダ州ラスベガスで開催されるCES 2025に参加し、報道関係者や業界関係者を対象にしたプライベート展示などを行なっている。前日となる1月6日(現地時間)には、記者会見を開催し、Core Ultraシリーズ2の追加製品などに関して説明を行なった。

 記者会見の中で、先月にIntel 共同暫定CEOに就任したばかりのミッシェル・ジョンストン・ホルトス氏は、今年(2025年)後半に投入することを計画している次世代SoCのPanther Lakeの実パッケージを公開して注目を集めた。さらに会見終了後、そのPanther Lakeを搭載したODMメーカーの試作機やリファレンスデザインを公開して、Panther Lakeとその性能プロセスノードであるIntel 18Aの開発が順調に進んでいることをアピールした。

既にWindows OSなどが起動していたPanther Lakeを搭載したノートPCの試作機

公開されたPanther Lake

 今回Intelは、Core Ultra 200シリーズ2の追加SKU、およびvPro対応版などが発表されている。

 製品の発表が行なわれた記者会見の最後に、ホルトス共同暫定CEOによるPanther Lakeのチラみせが行なわれた。

 Panther Lakeは現在開発中の次世代CPUで、Core Ultraシリーズ2の後継となる製品。Core Ultraシリーズ2では、メモリがパッケージ上搭載されているLunar Lakeと、非搭載のArrow Lakeという2つのパッケージが用意されていたが、次世代ではメモリ非搭載のPanther Lakeに統一される。

 Panther Lakeの特徴は、Intelの自社工場で製造されることだ。Core Ultraシリーズ2では、コンピュートタイルがIntel 3で製造されるCore Ultra 200Uを除き、コンピュートタイルはTSMCの3nmで製造されている。

 それに対して、Panther LakeではIntelの自社工場(Intel Foundry Service)で製造され、利用されるプロセスノードも最新のIntel 18A。Intelにとっては、製品部門の観点でもファウンドリ部門の観点でも、重要な意味がある製品となる。

左からWhistron、Pegatron、Compalの試作機
Compalの試作機はパームレストにメール着信などが表示される仕組みが採用されていた
IntelのリファレンスデザインのノートPC
IntelのリファレンスデザインのミニPC
PantherLakeのNPUが既に動作していた

 今回公開したのは、台湾のODMメーカーであるWhistron、Pegatron、Compalの3社の試作機と、Intel自身が設計したリファレンスデザインのノートPCとミニPCで、いずれも既にWindowsが起動しており、動作していた。ただし、現時点では試作機に触ることは許されなかったため、どんなスペックなのかなどを確認できなかった。

 ホルトス氏はPanther Lakeのリリース時期を、今年の後半と説明しており、今後より詳細な情報が出てくることになるが、まずはきちんとOSが起動しており、開発が順調に進んでいることを印象づけることに成功したということはできるだろう。