イベントレポート
AMDからDGX Spark対抗のミニAI PC。今年のCES前日基調講演担当はスーCEO。
2026年1月9日 06:08
米AMD会長兼CEOのリサ・スー氏がCES 2026の前日基調講演に登壇した。この中でスー氏は、2026年投入に向けて開発を進めているGPU「Instinct MI400シリーズ」や、それを採用したラックデザイン「Helios」などについて説明。AIデータセンターをより低コストで導入していくのに有効な製品であると紹介した。
スー氏、ほかにもエッジAIやフィジカルAIを利用したヒューマノイドロボットなど各種のソリューションを多彩なゲストを呼んで紹介。若い世代やAIの開発を担う人材の育成の重要さを強調した。
CESにとって重要な基調講演となる「前日基調講演」、AMDのリサ・スー氏は2023年以来の登壇に
CESで重要視される基調講演は2つある。1つが開幕初日の朝に行なわれる「開幕基調講演」で、もう1つが開幕前日の夕方に行なわれる「前日基調講演」だ。開幕基調講演ではCTAの幹部らがCESの見どころを説明し、続いてメインスピーカーが登壇する。対する前日基調講演では、その年のCESを象徴するスピーカーが登場し、より注目度が高い。
一方の前日基調講演では、2008年にMicrosoftから引退するまでビル・ゲイツ氏の指定席だったことからも分かるように、業界を代表するリーダーが登壇するの。2025年の前日基調講演はNVIDIA CEOのジェンスン・フアン氏で、「GeForce RTX 50シリーズ」が発表された。
そして2026年の前日基調講演に登壇したのは、AI半導体王者であるNVIDIAに唯一現実的に対抗できるであろうAMDのCEOであるリサ・スー氏だ。スー氏は2023年の前日基調講演にも登壇しており、そこでは「Instinct MI300シリーズ」を発表した。
そこから3年がたち、その間にはInstinct MI300Xが、その後メモリ容量を増やしたInstinct MI350シリーズが、さらに2025年の6月にはInstinct MI450シリーズが投入。NVIDIAのAI向けGPUの別の選択肢としてInstinctシリーズのポジションが確立されたと言える。
今後5年間でAIに求められる演算性能は10YFLOPSを超える
基調講演の冒頭でスー氏は、「AIは今や全産業に広がり、クラウド、PC、エッジなど各所で活用が進んでいる。また、AIユーザーは今後10億人から50億人が活用するまでに急増する見通しだ。AMDは高性能コンピューティングやAIソリューションを提供する半導体メーカーとして、世界中の人々や企業に新たな可能性を提供していきたい」と述べ、今やAIは社会インフラとなりつつあり、AI半導体はクラウドやエッジなどさまざまな場所に浸透しているとした。
続けて、クラウドに関して同氏は、2022年には全体で1ZFLOPSの処理能力で十分だったのが、2025年のAI処理には100EFLOPSが必要になっており、今後5年間では10Y(ヨタ)FLOPSにまで拡大する見通しだと語り、それに向けてAMDとしてはGPUなどの開発をさらに加速していくと述べた。
1ヨタは1エクサの100万倍で、10の24乗。IT業界でもなかなか使われない単位である。そういった規模の性能が必要になるのが今後のAI半導体ということになるだろう。
スー氏は、データセンター向けラックデザインである「Helios」(ヘリオス)に関する説明も行なった。Heliosは、2025年6月に開催した「Advancing AI 2025」の中で発表したAIデータセンター向けのラックデザイン。現在AIデータセンター向けのGPUは単体で使われることはほぼなく、サーバー筐体の中で8基にスケールアップされ、さらにラックの中で72基程度までスケールアップないしはスケールアウト。そして、それらのラックを複数束ねてAIスーパーコンピュータにスケールアウトするという構成が一般的だ。
たとえばNVIDIAの場合は、単体GPUとしてB300、B200、B100(Blackwell世代)を持つ。実際には、CPUと2つのGPUをセットにしたGB300/GB200、GPUを8つ搭載したDGX-B200、GB300やGB200を1つのラック内に36枚搭載して36基のCPUと72基GPUを1つのラックに収めたGB300 NVL72、GB200 NVL72という形でスケールアップしている。AI GPUメーカーとしては、そうしたスケールアップやスケールアウトさせるデザインも含めて提供することが重要になっている。
HeliosはAMDが初めてラックレベルのデザインとして提供する製品で、AMDは2026年から提供する「Instinct MI455X」などの次世代GPUや、Veniceの開発コードネームで知られる次世代EPYCを採用し、GB300 NVL72/GB200 NVL72に対抗する製品だ。Heliosを高速ネットワークでつなぐことで、AIスーパーコンピュータにスケールアウトも可能で、巨大データセンターのニーズも満たす。
今回スー氏は基調講演で、MI455XとVeniceの実物を初めて公開した。
2027年には「AMD Instinct MI500 GPU」という次次世代GPUを投入する計画も明らかにし、2023年発表のInstinct MI300Xと比較して1,000倍のAI性能を実現すると説明した。
講演にはOpenAI 共同創始者兼社長のグレッグ・ブロックマン氏、World Labs共同創始者のフェイフェイ・リー氏や、Luma AI、Liquid AIなどAMD GPUを採用するソフトウェアパートナーの代表者も招かれ、AMDのGPUを利用したAIソフトウェアや応用事例などを説明した。
DGX Spark対抗となるミニPC「AMD Ryzen AI Halo」を第2四半期に投入
またスー氏は「PCにもAIが搭載されるようになり、個人の生産性や創造性を高めるAIパートナーとして利用できるようになっている」と述べ、Ryzenプロセッサを搭載したAI PCも紹介した。
具体的には、今回のCESで発表した開発コードネームGorgon Pointこと「Ryzen AI 400シリーズ」、開発コードネームStrix Haloこと「Ryzen AI Max 300シリーズ」の新SKU、ゲーミングPC向けのRyzen 7 9850X3Dなどだ。
加えてスー氏は、Ryzen AI Max 300シリーズを搭載した「AMD Ryzen AI Halo」という開発向けのミニPCを発表した。AMD Ryzen AI Haloは、NVIDIAのGB10を搭載したDGX Sparkに対抗する製品。DGX Spark同様に128GBメモリを搭載したモデルも用意され、AMDのAI開発ツールであるROCmが標準でプレインストールされた形で提供される。AMD Ryzen AI Haloは第2四半期(4月~6月期)に提供開始される予定。価格はその時点で明らかにされるが、DGX Sparkよりは安価になることをスー氏は示唆した。
フィジカルAI、ヘルスケア、宇宙探索などさまざまなアプリケーションを後援。次世代育成も
このほかスー氏は、医療・ヘルスケア、フィジカルAI・ロボティックス、そして宇宙探索や気候変動の調査などにもAIを活用できると語った。
フィジカルAIの例として、AMDチップを採用したヒューマノイドロボットが公開された。Generative Bionics共同創始者CEOのダニエル・プッチ氏がステージに招かれ、同社が開発したヒューマノイドロボットを披露した。
名称は「GENE.01」。AMDの半導体を採用したヒューマノイドロボットで、手に搭載しているセンサーなどにより、モノに触っている時の感覚を再現しながら人間のような動きをさせることが可能だという。プッチ氏によればGENE01は2026年後半に投入予定という。
また、AMDはAI教育プログラムやハッカソンを通じて、若いAI人材の育成にも力を入れていると強調。同社が開催したAIハッカソンプログラムでの入賞者を紹介した。
17歳~18歳の3名の高校生は、いずれも小学生の頃からプログラミングに触れており、高校でAIアプリケーションの開発を行なっている。でスー氏は今回入賞した3名それぞれに2万ドル(日本円で約300万円)を学資として提供することを明らかにした。
最後にスー氏は「AIは社会、産業、科学、医療、教育、宇宙などさまざまな分野で急速に採用が進んでいる。AMDはその技術的な基盤を提供していき、AIをすべての人に、すべての場所で提供できるようにしていきたい」と語り、講演を締めくくった。



































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