特集

スマートフォンのマイナカード対応、AndroidとiPhoneで何が違う?

 直近では、2025年12月からマイナ保険証の本格切り替え/運用がスタートしたマイナンバーカード。年が明けて2026年1月で発行開始から10周年を迎えるが、この10年の間にもマイナンバーカードでできることはどんどん増えていて、便利に使っているという人も意外と多いだろう。

 筆者も毎年の確定申告にマイナンバーカードは必須だし、コンビニのマルチコピー機を使用しての住民票取得と印刷で、何度も利用している。もちろんマイナ保険証も1年以上利用しているし、ログイン方法を忘れがちな「ねんきんネット」もマイナポータル経由でサクッとログインできたりと、気づけばマイナンバーカードには大変お世話になっている。

 そんなマイナンバーカードだが、PCやスマートフォンなどデジタル機器が好きな人であれば「スマートフォンのマイナンバーカード機能」を利用している、または興味があるという人もいるのではないだろうか。

 Androidスマートフォン向けには2023年5月から、iPhone向けには2025年6月から提供開始になった本機能について、改めて何ができるのか、そしてOSの違いによりできることの違いがあるのかを今回は解説していく。

マイナポータルへのログインがスムーズに行なえる

 マイナンバーカードの発行開始以降、各種行政手続きをオンラインで行なえるよう整備が進められているのが「マイナポータル」だ。

 数年前、マイナンバーカードの発行と同時に高額なポイント還元施策が行なわれた際に、誰しも一度はログインを行なっているだろう。

 このログインに際しては「スマートフォンにマイナンバーカードをかざす」のが一般的な方法だ。

 かざした後にマイナンバーカードの暗証番号を入力することで、マイナポータルへのログインが完了する。

 また、スマートフォンではなくPCでマイナポータルにログインを行なう際も、スマートフォンでPC画面に表示されるQRコードをマイナポータルアプリで読み込み、マイナンバーカードをスマートフォンにかざすことでログインが行なえる。

マイナポータルアプリの利用時、マイナンバーカードをスマホにかざすのが一般的なログイン方法だ
PCでマイナポータルにログインする際は、QRコードをスマホで読み込み、スマホでカードをかざすことでログインできる機能もある

 ただ、その都度マイナンバーカードをかざすのは少々面倒だ。

 だいたいの人は財布に本人確認書類として入れてあったり、実印などとともに貴重品として保管してあったりと、使いたいときにサッと取り出せる場所にないことも多いだろう。

 そんなとき、スマートフォンにマイナンバーカードを登録してあると、カードをかざす作業を省くことができる。これはAndroid、iPhone、どちらでも利用できる機能だ。

 iPhoneであれば2018年発売の「iPhone XS」以降、さらにiOS 18.5以上であればマイナンバーカードをスマートフォンに登録することができる。

 一方Androidの場合はメーカーや機種のバリエーションが多く、実際にどの機種で利用できるかは、マイナポータルで公開されている動作確認機種の一覧で確認が必要だ。

動作確認機種の一覧

 実際に対応した機種にマイナンバーカードを登録すると、マイナポータルアプリでのログインが簡素化される。

 iPhoneであればFace IDやTouch IDによる生体認証でのログインが可能になる。

 そしてAndroidも指紋認証など生体認証機能を有している機種であれば、それを使ってログインを行なうことが可能だ。

iPhoneの場合、マイナンバーカードをウォレットに追加していればFace IDやTouch IDを使ってログインを行なうことができる
Android(今回はGoogle Pixel 9 Pro)でも指紋認証や顔認証でログインすることが可能だ

iPhoneにできて、Androidにはできないことがある

 スマートフォンにマイナンバーカードを登録すると、マイナポータルにログインする以外にも便利な機能が利用できる。

 代表的なものを挙げると「マイナ保険証」だ。

 医療機関側の対応が必要になるが、受診の受け付け時にマイナンバーカードをかざす以外に「スマートフォンを利用する」といった選択肢が用意されていれば、iPhone、Android問わずマイナンバーカードの代わりに、マイナンバーカードを登録したスマートフォンをかざすことで受け付けを行なうことが可能だ。

 だが、現時点ではiPhoneの方がマイナンバーカードを登録した場合に利用できる機能が多い状況であることも知っておくといいだろう。

 実はここまで「マイナンバーカードをスマートフォンに登録」と書いてきているが、Android向けに提供されているのは「Androidスマホ用電子証明書搭載サービス」といい、マイナンバーカードそのものをスマートフォンに登録しているわけではない。

 マイナポータルなどにアクセスするための「鍵だけ」をAndroidスマートフォンに登録している状態だ。

 それに対しiPhoneはマイナンバーカードはマイナポータルの鍵だけでなく、マイナンバーカードの券面情報まで登録、表示できる。

 つまり、iPhoneを操作することでマイナンバーカードの顔写真や住所といった情報も表示できる。

 この情報を使い「iPhoneで表示したマイナンバーカードの情報」で、マイナンバーカードの代わりとして公的な本人確認を行なうことができるようになっている。

 さらにデジタル庁はマイナンバーでの本人確認を確実に行なうための「マイナンバーカード対面確認アプリ」を提供しており、iPhoneに登録したマイナンバーカードは、同アプリでの本人確認にも対応している。

iPhoneに登録したマイナンバーカードでは、顔写真や氏名、住所や生年月日を画面上で確認することができる。筆者の顔写真の人相が悪いのはスルーしてほしい。]

 もちろんAndroidも今後はiPhoneのように、マイナンバーカードの券面情報などを登録できるように改修が行なわれる予定だ。

 本稿執筆時点では2026年秋頃を目途に「Androidのマイナンバーカード」として、Androidスマホ用電子証明書搭載サービスを刷新するとデジタル庁がアナウンスしている。

 詳細な対応サービスや、本人確認書類としてどこまで有効になるかは、デジタル庁の取り組みや本人確認を行なう事業者側次第となるが、マイナンバーカード機能のiPhoneとAndroidの差はあと1年以内に、だいぶ埋まる予定であることは覚えておくといいだろう。

スマートフォンのマイナンバーカード機能はまだまだ発展途上

 ここまで解説してきた通り、スマートフォンにマイナンバーカードを登録する機能はサービス開始から間もなく、まだ機能が十分に充実しているとは言い難いことが分かる。

 たとえば、2025年3月から始まった「マイナンバーカードに運転免許証情報を登録する」も、マイナンバーカードを登録できるスマートフォンには反映されないため、運転免許証か、情報を紐づけたマイナンバーカードを運転時には携帯する必要がある。

 また、スマートフォンに登録したマイナンバーカード情報を用いての本人確認も、本人確認を行なう側が、「マイナンバーカード対面確認アプリ」や専用のリーダーを用意しないといけないなど、インフラ側の対応が必要となる。

 だが、そうはいってもマイナンバーカードの発行開始から10年が経過し、年々マイナンバーカードも、その情報を登録できるスマートフォンでもできることは増えてきている。

 自分の使っている機種がマイナンバーカードを登録できる機種なのか、登録できてもどこまでの機能に対応するかはしっかりと把握しておくことで、煩雑な行政手続きなどがスマートに行なえる未来が近づいていることは知っておいて損はないだろう。