イベントレポート
AMD、NAVIこと「Radeon RX 5000」シリーズGPUを7月出荷
~新設計のRDNAアーキテクチャ採用、GCN比で性能1.25倍/電力効率1.5倍に
2019年5月27日 14:13
AMDは5月28日~6月1日まで台湾・台北市で開催されるCOMPUTEX TAIPEI 2019の「2019 COMPUTEX International Press Conference & CEO Keynote.」にて、同社CEO リサ・スー氏が登壇し、サーバー製品、グラフィックス製品、CPU製品の3製品に関しての説明を行なった。
このなかでスー氏は同社が「NAVI」の開発コードネームで開発した、次世代GPUの詳細を明らかにした。NAVIは新GPUアーキテクチャ「RDNA」に基づいており、7nmプロセスルールで製造される。
新しいRDNAアーキテクチャを採用した「NAVI」、GCNに比べて性能は1.25倍、電力効率1.5倍
AMD CEO リサ・スー氏は、「2019年はRadeonにとって重要な年になる。すでにPC、ノートブック、ソニーやMicrosoftのゲームコンソールに、そしてGoogleのクラウドゲーミングもAMDのソリューションに基づいている。そして1月のCESでは世界初の7nmで製造されるGPUとなるRadeon VIIを発表し発売している。
そしてこれから発表するNAVIは未来のゲーミングを作っていく製品となる。すでにソニーが次世代PlayStationにNAVIのセミカスタムを搭載することを明らかにしており、PC向けにも強力な製品を投入していく」と述べ、AMDにとってNAVIが非常に重要な製品になっていくと説明した。
スー氏は、「NAVIの最大の特徴は、従来までの製品で採用されていた『GCN』ではない、完全に新しいアーキテクチャを採用していること、そしてPCI Express Gen 4に対応していることだ」と述べ、NAVIが完全に新しいアーキテクチャの製品になることを強調した。
また、「われわれはRyzenでZenという完全に新しいアーキテクチャをゼロから設計した。それがコンピューティングの未来にとって重要だと考えている。NAVIもそれと同じように、完全に新しいアーキテクチャをゼロから設計した」と述べ、AMDがZenで成功したような新アーキテクチャの採用をGPUでも繰り返していくとした。
NAVIで採用された新アーキテクチャの名前は「RDNA」で、“Radeon DNA”の略だという。RDNAでは、新設計のコンピュートユニット、マルチレベルのキャッシュ階層、ストリームラインドグラフィックスパイプラインなどの新しいアーキテクチャを採用する。
その上でスー氏は、「従来世代に比較してクロック周波数あたりの性能は1.25倍になり、電力効率は1.5倍になっている」と述べ、GCNに比べて性能が向上し、かつ電力効率も向上していると述べた。
最初の製品はRadeon RX 5000シリーズ、7月から出荷開始、GeForce RTX 2070比で10%高性能
NAVIの搭載製品は「Radeon RX 5000」シリーズという製品名になり、そのなかでもRadeon RX 5700シリーズを紹介。Radeon RX 5700シリーズとNVIDIAのGeForce RTX 2070を、Strange Bridgeというゲームのフレームレートで比較し、ほぼ同等から10%程度上回る性能を実現していると説明した。
Radeon RX 5700シリーズは7月に出荷予定で、6月10日(米国時間)にロサンゼルスで行なわれる「E3 2019」に合わせ開催予定のイベントで詳細が明らかにされる見込み。