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GPUとディスプレイを自動同期する機能がDisplayPortに実装

~テアリングを解消し、消費電力も削減

5月12日(米国時間)発表

 ディスプレイ関連の規格策定を行なうVideo Electronics Standards Association(VESA)は12日(米国時間)、GPUとディスプレイのリフレッシュレートを自動同期する「Adaptive-Sync」機能をDisplayPort 1.2aに実装したと発表した。

 通常のディスプレイは60Hzなどにリフレッシュレートが固定されているが、ゲームなどにおけるGPUからの映像出力速度(フレームレート)は画面のレンダリング時間に左右されるため一定にならない。それによって、リフレッシュレートとフレームレートにずれが発生し、1つのコマが描き終わらないままに次のコマの描画が始まり、1つの画面が上下でずれるテアリングが生じる。

 Adaptive-Syncを導入することで、ディスプレイはリフレッシュレートをGPUの出力速度に自動的に同期するようになり、テアリングが解消される。また、フレームレートが低い動画や、静止画を表示させている場合は、リフレッシュレートを下げることができるため、消費電力の低減にも繋がる。

 Adaptive-Syncは、ノートPCなどで採用されるeDP(embedded DisplayPort)には2009年の規格化の時点で組み込まれており、周辺コンポーネントもそれに準拠し始めているため、VESAではDisplayPortにおける普及は速やかに進むものとみている。

 なお、NVIDIAは、一般のディスプレイを同社製GPUと自動同期させる「G-SYNC」という技術を発表しており、複数のディスプレイで採用されているが、こちらはディスプレイ側に専用の基板が必要となる。

(若杉 紀彦)