レビュー

クラス最安値で買える圧倒的作業領域。JAPANNEXTの31.5型6Kモニター「JN-X6K」レビュー

 JAPANNEXTから、31.5型で6K(6,016×3,384ドット)表示に対応する液晶モニター「JN-X6K」が登場した。今回、実際に試用機に触れる機会を得たので、機能面やサイズと解像度のバランスなどを見ていきたいと思う。

サイズは大きいが6Kと高精細のため等倍表示では文字が読めない

 パネルはIPS方式の液晶を採用。サイズは31.5型、表示解像度は6,016×3,384ドット、6K表示対応と、大型かつ超高精細仕様となっている点が本製品の最大の特徴だ。

 これにより、たとえば4K動画を100%表示させた場合でも、多くの余白ができる。となると、Adobe Premiereなどの動画編集アプリで4K動画の編集を行なう場合でも、編集する4K動画を等倍表示しつつ、各種ツールペインを実用的なサイズで表示できるので、動画本来の画質を確認しながら編集可能だ。これは動画を扱う機会の多い人にとって、大きな利点になるだろう。

 通常のアプリを利用する場合で考えると、各アプリにフルHD相当の領域を与えたとしても9個のアプリを重なることなく表示可能な解像度だ。これは、マルチタスクの利便性を高めるという意味で大きな優位点となるだろう。

モニターは31.5型IPS液晶。表示解像度は6,016×3,384ドットと非常に高精細だ
デスクトップ等倍表示では、4K動画を100%表示してもこれだけの余白ができる
Adobe Premiereでも、ソースの4K動画を100%でプレビュー表示しながら他のツールペインを十分なスペースで表示できる

 ただ、31.5型とサイズが大きいとはいえ6Kということで、画素ピッチは約0.1159mmとかなり狭い。4K(3,840×2,160ドット)表示対応モニターで考えると、27型で約0.156mm、約24型で約0.138mmなので、それらよりもさらに小さいことになる。

 実際にWindows 11 PCを接続してデスクトップを等倍で表示し、アイコンのアルファベットの文字サイズをチェックしてみたところ、大文字のMがかろうじて1mmよりわずかに大きい程度で、その他は1mm以下、小文字では0.5mmよりも小さいものもある。この文字サイズでも、デスクに設置して通常の距離(60cmほど)離れた距離から読めるという人もいるかもしれないが、筆者や本誌編集長は全く視認できなかった。

 先ほど、Adobe Premiereを利用する場合に4K動画をフル画質で表示しながら編集できると紹介したが、実際には等倍表示ではよほど画面に近付かない限り文字が読めない。しかも、マウスカーソルも等倍では非常に小さく表示されるため、すぐに見失ってしまう。

 そのため、6Kの超高解像度を等倍表示で通常利用するのはかなり厳しいと言ってよく、通常は画面全体のスケーリングを150%や200%などに拡大表示して利用するのが基本と考えたほうがいいだろう。あるいは、Premiereの場合は、UIスケーリング機能を使ってメニューのみ(場合によってはOSの設定でマウスカーソルのサイズも)拡大表示するといいだろう。

200%拡大表示
150%拡大表示
100%表示

発色性能は申し分ない

 超高解像度表示に対応するだけでなく発色性能も優れており、sRGBカバー率100%、DCI-P3カバー率96%の広色域表示、10bitカラー表示に対応。製品出荷前に全製品でキャリブレーションが行なわれ、キャリブレーションレポートも製品に付属しているため、クリエイティブ用途にも対応できそうだ。

 実際に映像を表示してみると、赤や黄色などが鮮やかに表示できるのはもちろん、細かなグラデーションもしっかり再現できている。また、HDR 400対応ということもあり、暗い部分や明るい部分のメリハリも申し分ない印象だ。

 ピーク輝度は500cd/平方m、コントラスト比は1,500:1。DisplayHDR 400相当のHDR表示にも対応している。液晶パネルとして輝度、コントラスト比ともに十分満足できる。リフレッシュレートは最大60Hzのためゲーミング用途には物足りなさを感じるが、可変フレームレートのAdaptiveSyncに対応している。

発色性能やコントラスト比は申し分なく、非常に鮮やかでメリハリのある映像を表示できるが、リフレッシュレートは最大60Hzなのでゲーミングにはあまり向かない

 設定メニューのOSDに用意されている設定項目は標準的だ。明るさやコントラスト、黒レベルをはじめ、ガンマ補正、色温度、色相、彩度の調節など、一般的なモニターに求められるひととおりの項目はしっかり備わっている。プロ向けモニターに比べると簡略化されているという印象もあるが、一般ユーザーが利用する範囲であれば特に不満を感じることはないだろう。

OSDメニューには必要十分な設定項目が用意されているため、特に不満はない
OSDの操作は底面に横に並ぶボタンを利用するため、少々扱いづらい

 本製品には2台のPCの映像を同時表示するマルチウィンドウ機能がある。表示スタイルは、一方の画面内にもう一方の画面を重ねて表示する「PinP」と、画面を中央で左右に区切ってそれぞれの画面を表示する「PbyP」の2種類だ。

 どちらを利用するかは好みなどもあると思うが、PinPは双方ともデスクトップ領域が6Kとなり、小さく表示する方は6Kのまま縮小表示となるが、2台のPC双方に本来の解像度を割り当てて利用でき、表示を入れ替えてもレイアウトが崩れないのが利点。ただ、どうしても一方の画面表示でもう一方の画面の一部が隠れてしまうため、その点で利便性が落ちてしまう。

 それに対しPbyPは、それぞれのデスクトップ解像度が左右に2分割した3,008×3,384ドットと縦長になる。非標準的な解像度だが、双方に十分すぎる解像度を割り当てられるし、当然画面が重なることもない。

 どちらがいいかは用途や好みによって変わるとは思うが、個人的には使うならPbyPのほうがいいかな、という印象だった。どちらにせよ、6Kという超高解像度を活かせる機能であることは間違いないだろう。

PinPでは2台のPCを6Kで同時表示できるが、一方は縮小表示、もう一方は一部が隠れる
PbyPではそれぞれの表示解像度が6Kの半分になり、縦長のデスクトップとなるが、それぞれの領域が重ならず表示できる
表示解像度はそれぞれ3,008×3,384ドットになる

見た目はシンプルでも機能は充実

 外観について、同社のモニターは比較的シンプルなデザインを採用するものが多く、それはJN-X6Kについても同様だ。

 モニター周囲のベゼルは上部と左右が狭められている。それに比べ下部はやや広く、本体カラーがホワイトなこともあってやや目立つが、全体的には十分な狭額ベゼル仕様。背面には既存製品同様にJAPANNEXTのロゴや斜めのラインが施されている。本体素材は樹脂製だ。

本体正面

 スタンドは、Y字型の足を備える、こちらも既存製品で広く採用されているものと同じ。31.5型と大型のモニターもしっかり支えられ、ぐらつきは小さい。134mmの範囲での高さ調節、下5度から上20度の範囲でのチルト調節、左右それぞれ30度のスイベル機構、左右それぞれ90度のピボット機構を備えており、機能性も申し分ない。

 サイズは、スタンド込みで715×232×473~607mm。モニターのみのサイズは、715×424×70mm。31.5型ということでそれなりに大きいと感じるが、狭額ベゼル仕様のためこのサイズのモニターとしては十分コンパクトにまとめられている。重量は約6.5kg。

 付属のスタンドを装着して利用するのが基本となるが、75×75mmのVESAマウントに対応しており、モニターアームなどへ装着しての利用も可能だ。

左側面
背面
右側面
チルト角度は下5度から上20度の範囲で調節可能
高さは134mmの範囲で調節可能
左右30度ずつのスイベル機構、左右90度のピボット機構も備える
同社の他の製品でも広く採用されている高機能なY字スタンドを採用
75×75mmのVESAマウントにも対応している

 映像入力端子はHDMI 2.1 2基、DisplayPort(DSC)、USB Type-Cの4ポート。USB Type-CはDisplayPort Alt Mode対応の周辺機器を接続して映像を入力できるだけでなく、最大90WのUSB PD電力供給も可能。対応するノートPCなどは、USB Type-Cケーブル1本で接続するだけで映像入力とノートPCへの電力供給を同時に行なえるため便利だ。

 このほか、USB 2.0 Type-B、USB 3.2 Gen 1 2基、ヘッドフォンジャックも備える。USB 3.2 Gen 1ポートは、USB Type-Cと併用することで、2台のPC間で接続したキーボードとマウスを共有できるKVM機能も用意される。電源は本体内蔵だ。

 製品には、説明書などの書類、電源ケーブル、DisplayPortケーブル、HDMIケーブル、USB Type-Cケーブル、USB 3.2 Gen 1ケーブル、VESA取り付け用ネジが付属する。近年、コストダウンのために映像ケーブルが付属しない製品も少なくないが、3種類の映像ケーブルが付属する点はありがたい。

 以下にJN-X6Kの主な仕様をまとめたので、そちらも参考にしてもらいたい。

接続端子は、HDMI 2.1 2基、DisplayPort(DSC)、USB Type-C、USB 3.2 Gen 1 Type-B、USB 3.2 Gen 1 2基、ヘッドフォンジャックを用意。電源は内蔵型だ
USB Type-CはUSB PD対応で最大90Wの電力を供給可能。対応ノートPCはUSB Type-Cケーブル1本で映像表示と電力供給が可能で便利だ
説明書などの書類、電源ケーブル、DisplayPortケーブル、HDMIケーブル、USB Type-Cケーブル、USB 3.2 Gen 1ケーブル、VESA取り付け用ネジが付属
製品名JN-X6K
画面サイズ31.5型
パネル方式IPS(AHVA)
表示解像度6,016×3,384ドット
アスペクト比16:9
リフレッシュレート最大60Hz
画素ピッチ0.1159×0.1159mm
表面処理非光沢
タッチパネルなし
バックライト方式E-LED
中間色応答速度最大8ms
コントラスト比1,500:1
視野角水平178度/垂直178度
輝度500cd/平方m
表示色約10.7億色
HDRDisplay HDR 400相当
可変フレームレートAdaptiveSync対応
チルト角度下5度、上20度
高さ調節134mm
スイベル右30度、左30度
ピボット機能あり(右90度、左90度)
接続端子DisplayPort
HDMI
USB Type-C(DisplayPort Alternate Mode)
USB 3.2 Gen 1
USB 3.2 Gen 1 2基
ヘッドフォンジャック
USB Type-C USB PD出力90W
スピーカー2W+2W
VESAマウント対応(75×75mm)
電源内蔵
消費電力通常44W、省エネ38W、最大60W、USB PD給電時最大155W、スタンバイ時0.5W
付属品DisplayPort ケーブルHDMIケーブル
USB Type-Cケーブル
USB 3.0ケーブル
電源ケーブル
取扱説明書、保証書
本体サイズ715×232×473~607mm
重量約6.5kg

仕様を考えるとコストパフォーマンスは抜群

 ここまで見てきたようにJN-X6Kは、31.5型で6K表示対応という超高解像度表示に対応しつつ、高機能なスタンドの付属、申し分ない表示性能、充実した機能面など、かなり魅力的な製品という印象だった。

 突出した特徴があるというわけではないが、他社の競合製品の多くが20万円超の価格で販売されている中、JN-X6Kは直販価格が17万9,800円と安価に購入できる点が魅力となる。そのため、コスパに優れる6Kモニターが欲しいという人におすすめしたい。