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光10ギガ時代の救世主?Wi-Fi 8なら「無線で10Gbps」が見えてくる。MWCデモ
2026年3月6日 09:26
スペインで3月2日~3月5日に開催されたMWCでは、多くのブースで新しい通信技術などが公開されている。その中でもPCユーザーにとって注目なのは、QualcommとMediaTekが行なった次世代のWi-Fi仕様となる「Wi-Fi 8」に対応した無線機器のデモを公開した。
Wi-Fi 8は信頼性やユーザー体験が改善
Wi-Fiは、ここ数世代無線部分のチャンネル数を増やして帯域幅を広げたり、6GHzなどの新しい周波数に対応するなどしてピーク時のデータ転送速度を引き上げてきた。
| Wi-Fi 5 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 7 | Wi-Fi 8(見込み) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 規格 | IEEE 802.11ac | IEEE 802.11ax | IEEE 802.11ax | IEEE 802.11be | IEEE 802.11bn |
| 周波数 | 2.4/5GHz | 2.4/5GHz | 2.4/5GHz/6GHz | 2.4/5GHz/6GHz | 2.4/5GHz/6GHz |
| 最大帯域幅 | 160MHz | 160MHz | 160MHz | 320MHz | 320MHz |
| 高次変調 | 256-QAM | 1024-QAM | 1024-QAM | 4096-QAM | 4096-QAM |
| MIMO | 4x4 MIMO | 8×8 MU-MIMO | 8×8 MU-MIMO | 16x16 MU-MIMO | 16x16 MU-MIMO |
| 最大通信速度 | 7Gbps | 9.6Gbps | 9.6Gbps | 23Gbps | 23Gbps |
| 2×2時 最大通信速度 | 1.7Gbps | 2.4Gbps | 2.4Gbps | 5.8Gbps | 5.8Gbps |
Wi-Fi 5およびWi-Fi 6では最大で160MHzの帯域幅で通信することを可能にし、さらにそのWi-Fi 6の拡張版となるWi-Fi 6Eでは新しく6GHzの周波数帯に対応した。
Wi-Fi 7では無線の帯域幅のチャンネル数を倍にして、320MHzを束ねて通信できるようにした。また、高次変調を4096-QAMに、MIMOを16x16 MU-MIMOに対応させることで、通信時の効率を大幅に改善し、最大構成(たとえば両端が8本のアンテナで通信する8×8での通信など)でのデータ通信速度はWi-Fi 6の9.6Gbpsから23Gbpsへと強化されている。
なお、スマートフォンやPCでは、一般的に2×2のアンテナが採用されており、デバイスとAP(アクセスポイント)はそれぞれ2本のアンテナで通信することになるので、Wi-Fi 5なら1.7Gbps、Wi-Fi 6/6Eなら2.4Gbps、Wi-Fi 7なら5.8Gbpsというのが理論上の最大通信速度になっていた。
今回MWCでデモされたWi-Fi 8は、そうしたWi-Fi規格の最新版となる。といってもまだリリースはされておらず、現在仕様がIEEEで策定されている段階で、IEEE 802.11bnとしてリリースされる予定になっている。このため、以降のWi-Fi 8のスペックは、あくまでも現時点で想定されているスペックという形になる。
Wi-Fi 8では基本的には、通信周りのスペック(対応周波数、帯域幅、高次変調、MIMO)などはWi-Fi 7と同じだ。このため、最大通信速度はWi-Fi 7と変わらず、8×8時に23Gbps、2×2時に5.8Gbpsとなる。
では何が新しいのかというと、AIを利用したトラフィックの最適化、より高効率な通信を可能にする機能を利用して実効レートを上げたり、通信レンジを伸ばしたりできる。
さらに、より多くのデバイスがつながっている時に、空いている周波数に自動的に接続先を切り替える機能、そしてWi-Fiの弱点といえるセキュリティ強化などがうたわれている。Wi-Fi 8ではそうしたユーザー体験を改善するような新機能が多数実装されている。
4×4とデバイス側の4本アンテナを活用することで最大11.6Gbpsに
今回Qualcommが公開した「FastConnect 8800」は、Wi-Fi 8とBluetooth 7の機能を実現する単体無線コントローラになる。
Qualcommは、Wi-Fi 7に対応したFastConnect 7800、FastConnect 7900を単体無線コントローラとして提供しているほか、MAC部分をSnapdragonシリーズに搭載しており、スマートフォン/PCベンダーは低価格にWi-Fi 7やBluetoothの実装が可能になっている。
今回のFastConnect 8800は、単体型となっており、PCI ExpressでSoCにアドオンして実装する形になる。通常Qualcommはこうした製品をまずは単体版でリリースし、しばらくするとSnapdragonに統合するアプローチをとっており、FastConnect 8800も将来はそうした形になっていく可能性は高い。
FastConnect 8800のもう1つの特徴は、4×4に対応していることだ。4×4とは、デバイス側も、AP側も4本のアンテナを利用して通信するモードになる。これまでの一般的なスマートフォンやPCではデバイス側のアンテナが2本しかない製品がほとんどだったが、2×2の場合に比べて2倍の通信速度が実現できる。
Wi-Fi 7/8の2×2では5.8Gbpsだが、FastConnect 8800では4×4時に11.6Gbpsのデータ通信速度(理論値)となる。Qualcommは4本のアンテナを利用して通信を行ない、9~9.4Gbpsで通信が可能な様子をデモした。
4×4で9Gbps超という通信速度は確かに魅力的ではあるが、その替わりデバイス側には4本のアンテナを実装する必要がある。現代のノートPCでは、すでにWi-Fiのアンテナが2本、Bluetoothのアンテナが2本、5Gセルラー(WAN)のアンテナが4本など、アンテナがたくさん実装されており、仮に4×4にするとなると設計上の新しいチャレンジとコストアップに直面することは容易に想像できる。
ノートPCですらそんな状況なので、スマートフォンはさらにチャレンジングだといえる。そこはPCメーカーなり、スマートフォンメーカーが工夫しないといけない部分ではあるが、Wi-Fiで10Gbps近い速度で通信できるようになることは、10Gbpsの高速な光ファイバーを契約したけど、LANの宅内配線が遅くて……というユーザーには新しいソリューションとなる可能性がある。
MediaTekがWi-Fi 8、UCIe-Aに対応したチップレット、自社設計の光電融合をデモ
台湾のMediaTekもWi-Fi 8のデモを行なった。同社がCESで発表したWi-Fi 8のコントローラとなる「Filogic 8000」と、CPE(据え置きセルラー回線ルーター)向けの「T930」を組み合わせたデモで、DSO(Dynamic Subband Operation)という機能を利用して2倍の通信速度を実現するものだ。
また、MediaTekはTSMCのN2P/N3Pという世代の異なるプロセスノードをUCIe-AdvancedのIPデザインを利用してダイとダイをインターコネクトで接続するチップの試作に成功したことを明らかにしてデモを行なった。このインターコネクトは最大32Gbps/レーンのデータレートを実現可能で、最大10Tbpsの帯域幅を実現しているという。
ほかにもMediaTekはCo-Packaged Optics(CPO)と呼ばれるパッケージ上で光電融合を実現するパッケージに自社設計が可能になったとして、そのPoCを展示した。ファイバーあたり400Gbpsの通信速度を実現しているとのこと。


















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