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「春から大学行くんだけど、PC買ったほうがいい?」と若い衆から相談された時、ニヤっとしたい貴殿に捧ぐ。大学生「BYOD」事情2026年版

 寒い冬が間もなく終わり、3月は卒業、そして4月の新入学シーズンを迎える。受験を乗り切った高校生たちが、大学生として巣立つ。その姿に、思わずジーンときてしまうおじさん・おばさん方は多いことだろう。

 そんな大学生たちを巡って、PC Watch的にここ数年注目しているのが、PC事情である。学校に備え付けの機材を時折使うのではなく、学生自身が自前でPCを購入・管理して、日々の勉学に役立てよ、という動きが顕在化してきている。いわゆる「BYOD(Bring Your Own Device)」が大学にも波及しているのだ。ちなみに、東京大学ではコロナ禍真っ最中の2022年度入学生からPC必携化がはじまったという。

 ということは……そう、本誌読者をはじめとしたPCに詳しい諸氏の出番だ。「今度大学行くんだけど、PC買ったほうがいい?」と子供やら甥っ子・姪っ子やら職場の若手アルバイト勢に相談されたら、ササっと答えられる。そのための予備知識をつけておこうというのが本稿の趣旨である。

 まず大前提として、大学・学部によって基準は相当違う。また、今年はメモリ高騰によるPC本体価格の上昇も気になるところだ。後半では、具体的な選定基準について価格込みで検討しているので、ご参照あれ。

大学BYODのスタンダードは?~日大経済学部の基準から透ける「やっぱりIntel系WindowsノートPCが無難」

 冒頭からいきなり繰り返しになるが、BYOD方針は各大学どころか、同じ大学でも学部ごとに違うケースが大半だ。逆に、BYODに消極的で情報がほとんどないところもある。それぞれの公式サイトだったり、入学手続き後に配布される資料をチェックする。これを必ず頭の片隅に置いた上で、本稿をお楽しみいただきたい。

 さて、大学BYODの1つの基準と考えられるのが、東京大学だ。全学部で共通となる基準があり、その上で学部ごとに個別調整してくれ、という立て付けで、過去の特集でも大いに参考にさせていただいた。ただし、2026年度入学生向けの情報更新が本稿執筆時点では行なわれていない。

 そこで今年は、国内大学でも屈指の学生数を誇る日本大学 経済学部のBYOD方針をチェックしてみた(2025年5月1日時点での在籍学生数は6,982人とのこと)。

日本大学 経済学部

日本大学 経済学部のWebサイトより。大学生活にあたって必要とするノートPCのスペックを、具体的に説明している

 日本大学のWebサイトは学部別に独立した構造。BYOD方針の公開も、全学共通ではなく、各学部単位となっている。2026年度(令和8年度)の経済学部新入生向けの告知ページがすでに公開中で、この中に「パソコンとインターネット接続環境等の準備について」と題した文書がある。

 「BYOD」「必携」の記述こそないが「入学後に様々な場面でパソコンを活用しますので、入学前にパソコンの準備をお願いします」「(レポート作成や課題ファイルのアップロードなどの作業を)スマートフォンのみで完結させることは困難」と説明している。

 肝心のスペックだが、まず、持ち運びを考慮してノートPCを推奨。OSはWindows 11とmacOS 26どちらも原則的にOKとしている。ただし学部内配備のPCはすべてWindowsであることから、初めてPCを買うならWindowsが強く推奨されている。

 CPUはWindowsだと「Intel Core i5または相当以上」、Macは「M3以上(M4を推奨)」。字面以上のものを深読みするなら、グレード的に中位以上、かつここ数年で販売されたモデルということだろうか。なおM4は2024年に初登場したCPUである。

 そしてメモリは16GB以上。前述の東大の基準でも、2024年度は8GB以上だったものが2025年度には16GB以上に改められていた。この辺り、さすがにもう8GBでは心許ないということのようだ。記憶装置は「SSD 256GB以上」で、これはもう普通そのもの。さすがに持ち運び用ノートPCでHDDを選ぶ時代ではない。

 ネットワークは「IEEE802.11 a/n/ac/axのいずれかに対応」。念のため補足すると、このうちaxがつまりは「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」である。一方で「Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)」までは求めていない。

 駆動時間は「カタログスペックで8時間以上」。これはもう、カタログにしっかり書いてある数値なので、選ぶ上での基準としては大変分かりやすい。ただPCの中~上級者の間では“ノートPCの実駆動時間はカタログ値の半分~3分の1程度”という肌感覚はあろう。このあたりはぜひ実践的アドバイスとして、相談相手に伝えたい。

 このほか、オンライン会議などを見越してカメラなどが必須とされる。加えて、ここ数年の大学BYOD事情ウォッチで明らかになったのが、「意外とHDMI出力が重要」な点だ。プロジェクターにつないで資料をプレゼンする機会が多いのだろう。古株としては「いやぁ最終的にミニD-Sub15ピンの変換アダプタ、いるんじゃね?」と軽口を叩きたくなるが、時代はもう2020年代半ば。さすがにHDMIレディの機材に更新が済んだのだろう。

 多くの大学に共通する傾向としてもう1つ。WordやExcelがプリインストールされたPCを買う必要は、ほぼない。日本大学 経済学部においても、学生全員に学部生であることを示すメールアドレス、そしてGoogle Workspace/Microsoft 365の利用権限が割り当てられるという。プリイン版かどうかで価格は2万円前後は違う。ここは絶対、見逃せないポイントだ。

 学内にはWi-Fi環境が整備されているが、自宅も学習の場になる。文書では「(自宅にも)高速かつ安定したインターネット接続環境を用意することを推奨」と明言している。1人暮らしだと、自宅のネット環境はどうしても後回しになりがち。ただ勉強の効率を考えても、自宅でサブスク動画を見るにしても、自宅にインターネット環境があったほうが間違いなく快適だ。是非、導入を前向きに検討してほしい。

 さて、勘のいい人はここまで読んでお気付きだろうが、Windows用のノートPCで少しずつ採用が広がっているArm系CPU──具体的にはSnapdragon Xシリーズ──は、日大経済学部の推奨対象にはなっていない。過去のソフトウェアの蓄積を考えれば、Intel(ないしAMD系)を選ぶのが、2026年春時点においてもさすがに自然だろう。

そのほかの大学のBYOD動向も、調べてみました

 ここからは、各大学別の基準を具体的に見ていこう。説明がミョーに素っ気なかったり、その一方で異常に親切だったり、本当にバラバラであることが分かると思う。

早稲田大学

こちらは早稲田大学の関連サイト

 私学として屈指の知名度を誇る早稲田大学では、文系から理系まで全てで共通するようなBYOD基準は2026年春時点でもないようだ。ただし同学の理工メディアセンターが中心となって、8学部の推奨スペックをそれぞれ取りまとめている。

 一例として、創造理工学部の社会環境工学科は対象OSをWindowsに限定。CPUに関する記述は日大経済学部のそれよりもう少し詳しく、「Intel Core i5/Ultra 5以上またはAMD Ryzen 5/Ryzen AI 5 以上」としている。そしてArm系CPUは明確に「非推奨」だ。

 SSDは512GB以上を要求。また画面サイズは14型程度、1,920×1,200ドット以上とされた。この学科は建築関係で、CADを扱うシーンがあることから、要求スペックが若干高いようだ。なお他学科では「4月の授業開始時にノートPC持参必須」との記述も見られた。「まぁ、一度授業出てからでいっか」とはいかないケースもありそうなので、新品購入者は納期にも注意したい。

慶応義塾大学

 こちらは慶応義塾大学の中でも、湘南藤沢キャンパス(SFC)を拠点とする総合政策学部および環境情報学部n塾生向けBYOD基準である。入学ガイダンスの段階からノートPCが必要という。

 CPUやメモリ、ストレージに関する基準はかなり標準的で、MacもOK。Intel製CPUはCore i5以上推奨だが、i7なら「なお良い」としている。画面サイズの指定はないが、解像度をフルHD(1920×1080ドット)以上としているのが少々目立つか。また「電源アダプタが狭い場所で差し込めない場合、電源延長ケーブル(が必要)」とも。金属プラグとトランス部が一体になっているタイプのACアダプタは最近多いが、現場では意外と取り回しに困るのかもしれない。

駒澤大学

駒澤大学では、入学者・合格者向けのサイトでBYOD方針を説明

 BYOD用ノートPCの基準については、合格者向けの特設サイトで明示されている例がある。駒澤大学もそのうちの1校だ。同学の場合、学部によってBYOD実施/未実施の差がそもそもあるが、さらに本体形状に関する指定も目を惹く。

 たとえば、文学部の心理学科は毎日持ち運びできるだけのサイズ感であり、なおかつノート型であることを指定。そして、マイクロソフトのSurfaceを含め、タブレット型端末を「不可」としているのがかなり珍しい(学内の別学部ではOKの例あり)。Macは不可で、Intel製CPUの場合は第12世代以降を推奨している。このほか、光学ドライブを原則不要としていたり、USBポートの空き数にも言及したり、解説がなかなか親切だ。

専修大学

 専修大学のネットワーク情報学部では新入生にPCを一括調達の上で配布しているが、そのほかの学部では原則BYODの体制がとられている。

 OSはWindows 11のみ(Macについては非記載)。CPUはCore i5の第12世代ないしAMD Ryzen 5 5000シリーズ以上、メモリ16GB以上と、ごく標準的なスペックを要求している。持ち運びのため、重量は1.5kg以下が望ましいとのこと。

 なお商学部独自の追加基準として、画面出力にあたってHDMIとUSB Type-Cの両機能に対応することを求めている(片方ではない)。邪推だが、DisplayPort Alt Mode対応のモニターが学部内に大量配備されているのだろうか?

東洋大学

 東洋大学の場合、学内にPC教室はあるものの、学習態様などを考慮して個人用ノートPCの購入を推奨している。OSはWindows 11のみ、CPUはCore i5もしくはAMD Ryzen 5以上。Arm系Windowsでは既存アプリとの互換性に一部問題があることにも触れている。

 学部によって基準が異なることは何度も述べたが、人間環境デザイン学科では製図などに関連して比較的高性能なPCが必要なため、特別な説明文書が配布されている。曰く、メモリは32GB以上で、CPUから独立して動作するGPUの搭載も求めている。これはなかなかのスペックなので、予算にご注意を。

横浜国立大学

横浜国立大学による説明

 BYODは私立大学だけの話ではない。東京大学をはじめ、国公立大学でも着実に進められている。横浜国立大学では、授業でも使うとして、持ち運び可能なノートPCの準備を必須化している。基本的にはWindows限定で、メモリ16GB、SSD 256GB以上、Wi-Fi 6対応を全学共通条項とし、そのほかのスペックを学部別に設定している。

 CPUは基本的にCore系かRyzen系のみ。Arm系アーキテクチャ採用機については互換性の懸念があるとして、教育学部以外の4学部については「不可」を明言している。一方で、画面サイズや本体重量については特に定めていない。まぁ、Windows 11対応で持ち運びできる端末となれば、あまり心配しなくてもよい、ということかも?

筑波大学

 筑波大学は必ずしもPCを必携としていないが、とはいえオンライン授業などに備えて、端末および通信環境の準備を“推奨”してはいる。ただ、条件はかなりザックリ目で、「画面サイズ13型程度のノートPC」「Windows 11かMac」「メモリ8GB以上」くらい。

 なお経済的事由などで準備が難しい場合は、大学側からの貸与制度もあるそう。学内にもPC教室の準備があるという。

東北大学

 東北大学では、学生個人所有PCの教育活用を本格化させたのは2020年度から。指定スペックについては定期的に見直されているようで、最新版は2025年10月に公開された。OSは学部による指定はあるが、基本的にはWindows 11、macOS 15以降どちらでもOKだ。

 指定スペックは「必須」と「推奨」の2種類に分かれているが、違いはストレージ容量が128GB以上か240GB以上かだけ。他方、学部別の指定として、たとえば医学部の推奨スペックはCPUがCore i7以上、メモリが16GB以上といった注釈がつく。Q&Aも公開中。

名古屋大学

名古屋大学の特設ページ

 名古屋大学では、当面の授業で問題ないスペックを「最小」、一度購入すれば4年後の卒業までおおむね快適に使い続けられるであろうレベルを「推奨」として、分けて提示している。とはいえ「最小」仕様におけるメモリ容量は8GB以上だったりと、現状でもなかなか厳しい水準。新たにPCを購入するなら「推奨」に合わせるのがよいだろう。

 「推奨」スペックにおけるCPUはCore i5(第11世代)以上で、その他のスペックもかなり標準的。なお大学としてはWindowsとMacどちらでも問題ないとしているが、法学部では法令データベースなどでWindows限定のものがある、などの補足が入っている。

立命館大学

 こちらは立命館大学の中でも、経済学部のWebサイト。同学部では、厳密な意味でのPC必携化にまでは至っていないが、授業の効率性アップなどのメリットを挙げ、学生のPC準備をかなり熱心に勧めている。

 OSは基本的にWindows 11を推奨。CPUはCore i5またはAMD Ryzen 5と同等かそれ以上、メモリ16GB以上、ストレージ容量256GB以上とされる。ごく標準的なレベルと言ってよいだろう。

追手門学院大学

 追手門学院大学は、大阪府の北東部・茨木市にある私立大学。学生向けサポートサイト内で、2026年度新入学生向けにノートPCの推奨スペックを公開している。なお同大学のノートPC必携化はコロナ禍前の2019年度から始まり、間もなく8年目を迎える。

 スペックだけ示して市販品の購入を促す大学が多い中、追手門学院大学では大学推奨モデルを企画し、それらの購入を基本的には進めている。とはいえ、要求スペックも明示。バッテリー駆動時間の要求が比較的厳しいようで、カタログスペック値で「必須」15時間以上、「推奨」で20時間以上としている。JEITA 3.0測定法でアイドル時20時間前後という製品はそこまで珍しくないが、念のためご注意を。

福岡工業大学

 福岡工業大学は、福岡市東区にキャンパスを構える私立大学。全学生にノートPCの所持を推奨しており、「(持っていない人は)入学後にできるだけ早く購入」するよう、要請している。OSは基本的にWidnwos限定。

 大学推奨モデルの販売を手厚く行なっているが、それ以外を購入しても問題ないそう。推奨スペックはIntel/AMD系CPU(Arm系非推奨)、メモリ16GB以上。ストレージをSSD 500GB以上としているのが少々珍しい。他校の動向から察するに、工業系大学では製図などで多くの容量を使うとみられる。

結局、どれくらいのスペックがいい?Core i5で15万円前後が1つの基準か

 ここまで全13大学を比較してみたが、なんとなく傾向のようなものは掴めたかと思う。そこで本稿のまとめとして、「現実」と「理想」の2基準で、これならば問題ないであろうスペックを考えてみた。

項目現実理想
形状折りたたみ(クラムシェル)型同左
OSWindows 11(HomeかProは問わず)同左
CPU第13世代 Core i5以上Core Ultra 5 200番台以上
メモリ16GB以上32GB以上
ストレージSSD 256GB以上SSD 512GB以上
Wi-FiWi-Fi 6以上Wi-Fi 7以上
画面サイズ13型以上(フルHD表示以上)同左
重量1.3kg以下1kg以下
HDMI出力必須同左
カメラ/マイク必須同左
Office不要同左
価格15万円前後25万円以上

 学用品の調達や引越しやら、なにかと出費の多い時期にさらにPCを1台買うのは、なかなか大変だ。多くの方が「予算は、どんなに出しても18万円。できれば12~13万円くらいで済ませたい」というのが本音ではなかろうか。その際は、表の「現実」のスペックが目安になってくる。

 まず本体形状だが、タブレット型(キーボード分離型)やら2in1やらいろいろあるが、はじめてノートPCを購入するのであれば、スタンダードなクラムシェル型(折りたたみ型)をチョイスするのが無難だろう。

 いまどきのPCには、デジタルペンやタッチパネル対応という要素もあるが、大学の要求基準ではほとんど挙がってこない。今回は触れていないが、たとえば芸術系学部だとデッサンの都合でデジタルペン必須で、タブレット型でないと困るケースはあるかもしれない。ただ、間違いなく少数派だ。

 結局のところ、PCの魂はキーボードだ。キーボードが使いやすく、持ち運びを考慮してなるべく軽いPCが欲しいのであれば、やはりクラムシェル型の一択かと思う。

 そしてCPUである。ここ1年、Arm系WindowsノートPCの新モデルは確かに増えた。しかし各大学の推奨条件を見る限り、Arm系大歓迎、むしろドンとこい……といえる風潮では到底ない。大学では専門的なソフトウェアを使う可能性が高く、となれば最優先すべきは互換性だ。本体が多少軽くても、価格が安くても、少なくとももう1~2年は、IntelないしAMD系のCPUを選択すべきだ。ちなみに、中央大学ではArm系CPU搭載機に関する注意喚起を出した例がある

 Intel系CPUはCore i3/i5/i7の順に性能が上がっていき、Core i5はその中位にあたる。価格もまさに中間的であることから、大学側としてもスペック的に要求しやすいのだろう。なおCPUには世代(発売年)の要素もあるが、ここ1~2年で著名メーカーから発売されたモデルであれば、大学の要求基準をまず間違いなく満たしている。Windows 11の発売(2021年10月頃)以前にリリースされた製品を、中古でひっぱり出して使うようなことがない限り、あまり気にしなくていい。

メモリ16GB/SSD 256GBが目安。価格も心配するほどでは……?

 さて、難しいのはメモリとストレージ(SSD)である。大学BYOD事情的に、2026年春のスタンダードがメモリ16GB/SSD 256GBなのは、ほぼ間違いない。

 しかし、である。AIやデータセンター需要を背景に、2025年秋以降、部材価格が高騰していることが、一般マスコミ報道でも知られるところとなった。実際、秋葉原のパーツショップなどで価格が上がっている。となると、大学生が買うべきノートPCが高くなってしまうのではないか。そうした懸念が出て当然だ。

ノートで使われるDDR5-5600 16GB×2の価格推移

 ただ「メーカー製の完成品ノートPCを2026年2~3月に購入する」という観点では、少なくとも価格がいきなり30%アップというような事態とはなっていないようだ。たとえば、2025年10月発売の富士通製モバイルノートPC「FMV WU3-K3(FMV Note U)」は、Core i5の第13世代モデルかつ前述のメモリおよびSSD要件を満たしながらも、本稿執筆時点の価格は15万円前後(カスタムメイドモデル)。NECのLAVIEシリーズでも近似したスペックのモデル(PC-GE13563DYAD3H2YAA)はギリギリ20万円を切っている(別途クーポン割引あり)。

富士通の直販サイト。ノートPCの値上がり傾向はあるだろうが、大学で一般的に必要とされる中位グレードのモデルなら、15万円前後でもなんとか買える

 この2つの例だけをもって「価格が上昇していない」と言い切るつもりはない。売れ筋品は価格を抑えたり、キャンペーンの頻度を減らしたり、より高スペックなモデルで露骨に値上げしているだけかもしれない。ただ、価格動向は一言で語り切るには難しすぎるテーマだ。PC Watchでは大河原克行氏をはじめ多くの執筆陣が関連レポートを寄せているので、是非そちらでも情報収集をお願いしたい。

 話題がズレてしまったが、筆者の一応の結論はこうだ。「メーカー直販サイトなどをつぶさに比較/チェックしていけば、こと大学推奨スペックレベルの中位グレード製品は、15万円前後で十分購入できる」。これが終わるのが1カ月後か、半年後なのかは定かではないが、とはいえ焦ってもしょうがない。大学生活にPCが必要である以上は、冷静に状況と向き合うのみ、だ。

 懐に余裕がある人は、CPUはそのままでメモリ32GB/SSD 512GBにしたり、「理想」で示したような上位の製品を買うのもいい。高スペックモデルはその分、製品寿命が長い(手荒に扱って壊しては意味がないが)。

まとめ~メモリ高騰と言っても、そんなに身構えないで!現行販売品を中心に検討し、できれば本体の質感も確かめよう

 メモリ高騰の話題を聞くと、「じゃあ中古がいいのか」「親戚の誰かが持っていないか」とか、慌ててしまう方もいるかもしれない。そうして融通するのも悪くはないが、大学用のPCは4年使うことがほぼ確定している。慌ててビミョーな製品を掴むより、若干割高に感じても、しっかりと納得いく製品を買ったほうが、最終的な満足度は高くなるのでは───筆者はそう思う。

 4年とは言わず、折り返し地点の2~3年目の買い替えを前提に、あえて今は廉価なモデルを調達するのはアリかもしれない。このあたりは個人の趣味も入ってくる。車の購入で新車/中古車のどちらがいいかで派閥があるのと同じだ。

 ただ、本当に全く指針がなくて困るという方は、店なりECサイトで販売が継続している現行品の中から、予算に応じて選ぶといいだろう。新品は、やっぱり新品だ。型落ち品/中古品とは違う。加えて、各大学が推奨するスペックを俯瞰すると、「いま実際に新品として買えて、価格もそこそこであること」が裏テーマとして通底しているようにみえる。

 言わずもがな、PCの使い勝手はCPUやメモリだけでは決まらない。キーボードの配列だったり、外装の触り心地、USBポートの空き数や向きも重要なポイントである。Webサイトで情報を集め、できれば量販店の店頭デモ機で確かめられるとベストだろう。

 そして若者のPCデビューが素晴らしいものとなるよう、PCに詳しい先輩諸氏におかれましては、積極的なサポートをお願いしたい。そうすれば、PCの未来は一層明るくなるはずだ。