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VESA、HDRに関する標準規格「DisplayHDR」を策定
~輝度やコントラスト比などを厳密に規定
2017年12月12日 13:02
映像表示に関する標準規格を策定しているThe Video Electronics Standards Associationは11日(米国時間)、PC業界で初めてHDRディスプレイに関する標準のオープンなテスト規格「VESA High-Performance Monitor and Display Compliance Test Specification(DisplayHDR)」を発表した。
最初のリリースは「DisplayHDR version 1.0」と呼ばれ、液晶を使ったノートPCおよびデスクトップPCのディスプレイのテスト基準となる。有機ELといったほかのディスプレイ技術の基準に関しては将来のリリースに取り込まれる予定。
DisplayHDR 1.0ではディスプレイの性能基準や市場のニーズに合わせて、3つの基準を設けている。それがベースラインとなる「DisplayHDR 400」、ミドルレンジ向けの「DisplayHDR 600」、そしてハイエンドの「DisplayHDR 1000」だ。いずれの規格もHDR10のサポートを最小限とする。
現在市場にある一般的なSDRディスプレイの輝度は250~300cd/平方m前後だが、DisplayHDRでは規格名から想像できる通り400cd/平方m、600cd/平方m、1,000cd/平方mを最大輝度とする。コントラストの段階を600と1,000に達成できることを保証し、平均の、暗部/明部のコントラスト比は955:1以上を確保させる。
このほか、イメージプロセッシングを10bit、ピクセルドライバを8bitに限定(6bitディザリングは不可)。色域に関しては、ITU-R BT.709およびDCI-P3の両方でテストし、DisplayHDR 400はBT.709カバー率95%以上DisplayHDR 600/1000はBT.709カバー率99%以上/DCI-P3 64カバー率90%以上で合格となる。また、黒から白への輝度レスポンスタイムを8フレーム以下に抑えるとしている。
DisplayHDRの参加メンバーとして、AMD、ASUS、AUO、Dell、HP、Intel、ジャパンディスプレイ、Lenovo、LG、Microsoft、NVIDIA、Realtek、Samsungといった大手メーカーが名を連ねている。