やじうまミニレビュー
約3万円で4K/タッチ対応のモバイル液晶「GMK KD1」
2021年1月19日 06:55
GMKの「KD1」は、10点タッチに対応した14型の4Kモバイル液晶だ。今回サンプルを入手したので、簡単にレビューをお届けしたい。Amazonでの価格は32,999円だが、記事執筆時点で2,000円オフのクーポンが配布されており、3万円ちょっとで購入できる。
このところAmazonでは13.3型~15.6型のフルHDモバイル液晶がありふれた存在になっていて、価格も1万円台半ばからと、かなりリーズナブルになっている。これらの製品は、インチあたりの価格で見れば21.5型や23.8型には敵わないが、持ち運びができる上、設置しても場所を取らず、不要なときに収納できる。そのため、在宅勤務において、リビングなどでノートパソコンと組み合わせて使うユーザーなどに好適だ。
それらと比較すると、KD1は倍近い値段となるわけだが、解像度は3,840×2,160ドットと情報量が4倍になる。画面サイズが14型と小さいので、ほとんどのユーザーはスケーリングを引き上げて使用すると思われ、その情報量をテキスト表示などにおいてフルに利用できる機会は少ないとは思うが、150%程度のスケーリングでも、フルHD液晶より情報量は多い。200%に設定しても、フルHDよりフォントの精細さが増すのでアドバンテージはある。
また、タッチに対応しているため、タッチ対応の2in1やノートパソコンとは親和性が高い。タッチ対応デバイスに慣れてしまうと、ちょっとした操作なら画面で行ないたくなるものなのだが、デュアルディスプレイ環境にして、片方が非対応だと「アレ?」と思うことにしばし当たると思うが、本製品ならメインもサブも一貫してタッチ操作できる。
持ち運びのさいに本体を保護するケースは付属しないのだが、その代わりインターフェイス部がキックスタンド代わりになっていて、即座にセットアップできる点もよい。ケースが付属するタイプの液晶のほとんどは、ケース自体がスタンドを兼ねているのだが、設置がまどろっこしいうえに、どうしても安定性に欠ける。一方で本製品はキックスタンドなので、安定して設置できる。
映像入力はほかのモバイル液晶ディスプレイと同様、USB Type-CまたはMini HDMIとなっている。USB Type-Cは2基で、ノートパソコンへの充電のパススルーが可能だ。
側面にはMicro USBを備えていて、付属のMicro USB→USB Type-Aメス変換ケーブルでUSB 2.0のデバイスが利用可能なのもユニーク。つまり、USB Type-Cでディスプレイ出力し、デスクトップ環境が使えるようなスマートフォンでは、この先にマウスやキーボードを接続して、パソコンのように使えるのだ。Bluetoothでキーボード/マウスをペアリングする手間が省けるのはなかなか便利である。
もう1つ特徴的なのは、OSDがタッチ操作となっている点。本体にはボタンが1つしかないのだが、これを押すとOSDが現れるので、直感的にタッチで操作できる(この間パソコンへタッチ操作は反映されなくなる仕組み)。この点はスマートで好感が持てる。
ディスプレイとして肝心な画質だが、sRGB比100%対応のIPSパネルが採用されていることもあり、ビビットでシャープな印象。筆者手持ちの「Razer Blade Stealth」内蔵の液晶と比べても遜色なく美しい。正直これが3万円ならお買い得だとは思う。
高解像度のサブディスプレイとしてはもちろんのこと、写真/動画鑑賞用として使う、ディスプレイ出力対応のスマートフォンと組み合わせて使う、4K対応ゲーム機のディスプレイとして使う……といった、さまざまな用途が考えられる。
筆者はWQHD/WUXGA派なので、これまで4Kディスプレイにそれほど興味を示さなかったのだが、ここまで多用途ならぜひ1台は手元に置いておきたいと感じた。